「演出一流脚本三流デイミアン・チャゼル」バビロン デッキブラシと飛行船さんの映画レビュー(感想・評価)
演出一流脚本三流デイミアン・チャゼル
デイミアン・チャゼルは画作りは上手いけど人間を描くのは下手。脚本からしてダメ。これはもうデビュー作のセッションからずっとそう。
登場人物は全員「良い人」か「根は良い人」のどちらか。
そして普通は隠したがるトラウマや悩みや弱点を頼まれもしないのにペラペラ喋る。
全員正直すぎてちょいちょいアホに見えたw
過去にトラウマがあるのならセリフで説明するのはダメだろ。同じような状況に陥って、隠そうとするけど否応なくバレてしまうとか、そうであってこそ葛藤は深まる。
ブラッド・ピットが演じたコンラッドにしても、落ち目になったらすぐに悟り開いて静かに自殺するって、いや物分りよすぎるでしょw
みんなが先回りして理解し合ってたら、キャラクター同士の相克は生まれない。
頂点を極めたスターならプライドは簡単に折れないでしょ。巻き返そうとしてあがく姿を描けよ。もしくは若手にポジション奪われて潰される姿を描け。その後で自殺する流れなら納得出来るわ。
黒人のトランペッターは、ただ顔に黒い炭塗るために出てきただけで、全くいる意味なかった。
トビーマグワイアに至っては、ただ老けメイクが哀れだっただけ。
ロバート・アルトマンみたいな群像劇をやりたかったのかもしれないが、足元にも及ばない。
3時間は時間のムダ。登場人物減らして90分で十分な内容だった。