劇場公開日 2023年11月10日

「ラストで勝ち誇る夏月の笑みの凄み」正欲 jitensyaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ラストで勝ち誇る夏月の笑みの凄み

2024年3月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

原作が好きすぎて、映画館では観なかったんですが、Netflixのラインナップに入ったので鑑賞しました。
映画化にあたり省かれてしまったものが結構あり(長いし複雑ですからね)、まずは残念な気持ちもあったことをお伝えします。

でもでも!
ラストで寺井が「調停中」とぼそっと言った後に、夏月が佳道への伝言として「普通のことです」「いなくならないから」と言うときの新垣結衣さんの微かな、でも確実な笑み、そしてそれに呼応して、愛の次元において己の敗北を悟っていく稲垣吾郎さんの消沈していく感じがとてもよかった。

このシーンは小説を読んでるときにもっと劇的なイメージを持っていたのですが、この演出とおふたりの演技には圧倒されました!!

あと最後に。
冒頭と中盤で、夏月と大也が自慰するシーンありますけど、そこで性器(の周辺?)を触ってると想像できる演出しちゃうのはいただけないです。
だって、それだと佳道と夏月の、真似事セックスの泣けるほどの切実さ・滑稽さが台無しに感じられちゃうからです!

jitensya