「地球に留学」正欲 まこやんさんの映画レビュー(感想・評価)
地球に留学
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他者の誰とも分かち合えない、自分だけ持つ本能を持ちつつ社会で生活する。
佳道の『どうせ死ぬだけの命をなぜ、わざわざ生きるのか』『誰にもばれずに死ぬ為に生きてる』
夏月の『地球に留学しに来ている』のセリフが
インパクトあったなぁ。
水が涌き出て四方八方に飛び散る。
服が濡れて滴り落ち、無邪気に喜ぶ姿は子供の用に正。そこに欲は感じられない。
ただ、そこには違う思考の人もいるとは。
普通の楽しさに不思議な欲が入り雑じると
空中分解して普通じゃ無くなるよね。
でも同じ世界の人と繋がりたい孤独感の
欲求も人間の本質かもしれない。
逆からみると寺井啓喜が理解出来ない孤立の立場になってた気がする。世の中には余多に存在するのでは。
新垣結衣さんの桐生夏月役の死んだ目は良かった。『うるさい』って放つ姿は人間らしい。
磯村勇斗さんの佐々木佳道役の同じ感覚の人とのやり取り、嬉しそうだった。ただ植木鉢投げられてガラスが割れて怒らないのは不思議。
この二人のやりとりが、今までチラ見して素通りしていた穴を覗き込んだ気分に陥った。
最後の夏月が寺井に対して緊迫感もありながら、凛として立ち向かう表情は見応えあり。
気持ちが揺らぐ寺井のニュアンスも感じた。
越川さんは多様性を理解してたね。
この二人は知り合いかよっていう顔付きも絶妙でした。
普通の装って生きる。しんどいかもしれないけど、少しでも気が合う人と出会えて良かったね。
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