劇場公開日 2023年1月20日

  • 予告編を見る

「無音のエンドロールがいたたまれない」ヒトラーのための虐殺会議 あっきーさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5無音のエンドロールがいたたまれない

2023年2月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

エンドロール含めて音楽の全く無い映画というのを初めて観た。あくまで議事録の映像化にこだわったのか、ストーリーに起伏もなく、正直映画としてはあまり面白く無い。ただ議事進行を務めるハイドリッヒとアイヒマンの仕切りは見事で、彼らが組織内で非常に優秀な人材であった事を窺わせる。議題を別にすればビジネスマン向け「効率的な会議のあり方」の教材に出来るかもしれない。(自分も参考にしたくなるところがいくつもあった)。平板な展開で唯一盛り上がってくるのが「最終処理」の手段について論じるシーン。(手を下す側にとって)人道的?な殺戮手法を延々議論し続ける。横で顔色ひとつ変えずに聞いている女性書記官。ナチに限らず欧州人にとって、異民族の絶滅というのは歴史的に見てもそれほど違和感のない政策なのかもしれないと、こちらの感覚がおかしいような気持ちにさせられた。

あっきー