劇場公開日 2023年1月20日

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「平日なのに満席!この作品が描いたものとは」ヒトラーのための虐殺会議 ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0平日なのに満席!この作品が描いたものとは

2023年1月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

最後まで一切エンタメ性を感じさせなかった。
史実と保存されていた議事録により再現された、既に起きていて、更なる惨状へ突き進む歴史的悲劇の意思決定と言うべきか伝達と言うべきか、その様子をただただ描き出した作品。
私は、暴力を肯定する者ではないし、ましてや戦争など有ってはならないと考えている人間だ。
それでも、相手と面と向かって拳と拳を合わせたり、自分が放った銃弾により敵兵の命が絶たれたりしたのなら、自分自身にもそれ相応の「痛み」が残り「こんなことはやってはならないものだ」との自戒の念が生ずるだけまだましなのだろうと思わせられる、発案者は手を下さない(汚さない・痛まない)、まるでゲームのように人の命を蹂躙しまくる行為に強烈な悪寒をもよおしてしまった。
過去にあった教訓のはずが、現代の戦闘においてだった、ドローンなどを駆使して無機質に人の命を奪う行為が繰り返される世界の危うさを痛切に感じさせられた一作になった。
ウクライナとロシア、現在20万人ほどが亡くなっているのだろうか、それでこんなに心が痛むのに、この戦争では600万人とは!
平日の上映が満席になる現象(何か口コミでもあったのだろうか?)、作品を観た方たちの胸に刻み込まれて欲しいと思えた作品でした。

ニコラス