「恐いのは、鮮人ではなく煽人」福田村事件 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
恐いのは、鮮人ではなく煽人
評価が高かったものの観そこねていたため、再上映で鑑賞。
残念ながら、映画作品としては刺さらず。
137分とやや長尺ながら、その大半に必要性を感じなかった。
静子が鮮人と疑われたり、倉蔵が間男故に信用されないなどは蛮行を止められなかったことに活きていた。
だが、口火を切ったトミを動かしたのは、台詞で触れただけの虐殺の流言である。
悲劇を描くには、“人”と“暮らし”を描いて実在感を与えなくてはならないのは分かる。
しかし、執拗な寝取り寝取られだの、貞次の隠し事だの、あんなに尺を使って描くようなものだろうか。
智一のトラウマ含め、すべて事実なのであればまだマシだが、もしそうでなければ過剰演出。
脚色しすぎては『史実』の重みが薄れるだけだ。
だったら時代背景の深堀りや、あるいは長谷川や村長の思想を見せるべきでは。
流言飛語の恐さ、偏見や差別の愚かさ、報道の意義など普遍的なテーマは理解する。
事件自体も非常に悲惨なものだったと思う。
ドラマ的にせず、焦点を絞って、虐殺の描写はもっとエグくしなければ題材にした意味がない。
個人的には事件の混乱も「バカだなぁ」としか思わないが、そう思える自分に安心する。
新助が訴えたように、“朝鮮人かどうか”を論じている時点でズレているのだ。
ご返信ありがとうございます😊
凄いコメントですね。⁉️
平常な今からは、想像できない
狂気のような雰囲気が漂っていたのでは、と想像します。
ただ、何のきっかけかで、いつまた似たような状況にならないかもしれません。そして、皆他人に責任転嫁する、身震いしましたよ🦁
本作、私は、純粋に、怖かったです。
煽るようなBGMとあの悲惨なシーン。今思い出しても怖い。
人間の愚かさと見えない同調圧力。自分があそこにいたらどの立場だったのか。。
仰る通り
"朝鮮人かを論じる時点でズレている。。"
そうですね。ほんとに。