「人類の進歩とは。」福田村事件 Noriさんの映画レビュー(感想・評価)
人類の進歩とは。
福田村事件。こんな事件のことは全く知らなかった。1923年、今からちょうど100年前の史実。10年前でもかなり昔に感じるものだが、100年前はこんな暮らしだったのかという描写、フィクションと分かっていても衝撃を受ける。あんな暮らしできないよ。
当時熱狂する者もあった共産主義・社会主義の実験は失敗に終わり、資本主義を基盤とした社会に生きるのが我々現代人なのだが、この先どうなっていくのだろうか。
朝鮮や中国ばかりではなく、他国の者を揶揄する、誹謗中傷する言葉が飛び交う昨今。しかし、今に始まった訳ではなく、人間というのは余所者を排除することで自らのテリトリーを広げ守ってきた訳で、本能にただ従っていると異端を排斥する方向に流れるものなのだろう。それは、欧州の移民希望者に苦慮する現状をみても明らかだ。理想と現実は異なる。
だからといってその状況を追認・黙認していることがイイとは思わない。ただ「見てるだけ」ではいけない。やはり、人間が後天的に獲得する理性で感情や衝動をコントロールする術を、一人一人が磨いていかないとなのだろう。できない人が少なくないという問題はあるのだが。
玉石混淆の情報に振り回されること、重大な事象にパニックとなること。人間はなかなか成長しないなと思う。その成長しないという事実を知り少しでも成長しようと努めるのが、今を生きる人間のあるべき姿だと思うんだけどな。自分自身はできているだろうか。そして、これから先の人類はどうか。
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