「期待していたのに駄作」福田村事件 otakeさんの映画レビュー(感想・評価)
期待していたのに駄作
埋もれていた歴史を劇映画に…とても期待していたものの、著名な俳優たちをつかっての長時間の駄作になってしまったとの感想です。
劇映画なので脚色したり、フィクションを交えているのはの当然のことですが、フィクションだからといって差別は許されるものではありません。
それは、ハンセン病患者と思われる人達へのステレオタイプな演出が差別的であるということ。ハンセン病患者の人達があの場面を観たら、どう思うのでしょうか。彼らは会話もできるし喋れますが、動かなくなった手のアップという演出。これがステレオタイプの演出で、ハンセン病者への理解が無い、理解しようとしないからステレオタイプな演出になるのです。
虐殺されなかった薬売りの人達が手を縛られ、念仏を唱え水平社宣言を読み上げる場面。被差別部落の薬売りの一行は差別が渦巻く中自分たちのことを知られまいとしていたはず。水平社宣言を読み上げれば被差別部落の者と分かり、もっと悲惨なことが起こるかもしれないから絶対に水平社宣言は読み上げなかったはずです。このような演出になったのは、被差別の側にある者の想いー(被差別部落の者とバレると差別される。どんな時もバレてはいけないと片時も思いながら生きていた)ーが想像すらできない監督・スタッフの問題だと考えます。このような演出により、被害にあった被差別部落の人達への慰霊、鎮魂の思いが監督・スタッフ側には全く無かったと思われます。
最後に、エンタメだからを意識してなのか性的描写が多すぎて観るに耐えられず、辟易しました。
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