劇場公開日 2023年9月1日

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「加害と被害」福田村事件 たまさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5加害と被害

2023年9月20日
iPhoneアプリから投稿

犠牲になってしまう、永山瑛太演じる香川の行商人の言葉
この映画のテーゼでもあろうかと思う
朝鮮人なら、殺してもええんか

多くのレビューで
評価されるのも、むべなるかなというところか。

長らく、ドキュメンタリーで傑作を撮ってきた森達也監督。初の劇映画というところで、一抹の不安がないわけではなかったが杞憂に終わった。
この題材をよく映像化された。製作陣スタッフ、強力なキャスト陣に敬意を表したい
企画やシナリオに、荒井晴彦氏が名を連ねているのも大きい。

100年もの間、闇に葬られていた歴史事実
映画の下敷きになった原作も読んだが、埋もれていた史実を丹念に取材した辻野弥生氏にも感服。

いまだ、関東大震災時の流言蜚語による虐殺を正視しない、この国の為政者たち。
震災時の虐殺はなかった、とする説などが流布する現代日本

俗な言葉になるが加害にも向き合わず、日本黒歴史ともいえる事実に目をそむけつづけるならば、歴史は繰り返されるだろう。違う形で。との言葉を残したのはどの歴史家であったか。

自分に問いかける。あの場、時代に生きていたなら自分はどう行動しただろう。殺す側?殺される側?傍観している?
煽っている?…

この作品は重層的かつ多層的に作られている。
つまり、視座がひとつではないというところ。
差別が構造的かつ複雑にあり、朝鮮人と間違われ殺害された日本人。彼らは被差別部落出身者たち。その彼らも大陸の人々に対する差別、ハンセン氏病の人々に対する差別心があり、それらをも描いている。

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たま
たまさんのコメント
2024年1月31日

遅まきながら共感、コメントありがとうございます

琥珀糖さんのレビュー楽しみにしていきます

たま
琥珀糖さんのコメント
2023年12月28日

はじめまして

共感そしてフォローまでして頂き、
ありがとうございます。

原作も読まれてるのですね。
本質を抉ったレビューに触れて、勉強になりました。
よろしくお願いいたします。

琥珀糖
たまさんのコメント
2023年11月22日

おっしゃる通りだと思います。
クラファンでの資金集めもされたようですが、この題材なかなか商業映画では難しいと思いました。
永山瑛太の言葉、インパクトありましたね

たま
Mさんのコメント
2023年11月22日

私はこの作品が、そこまで気に入ったわけではありませんが、永山瑛太の言葉は。このレビューと同様に一番、心に残りました。
「この題材をよく映像化・・・」は、まったく同感です。

M
トミーさんのコメント
2023年9月27日

共感ありがとうございます。
多重的な描写が、詰め込み過ぎとの批判も呼んでるようですね。コミュニスト謀殺やスト潰し、震災直下での厳戒等々、製作陣の想いは際限なく拡がったようです。

トミー
たまさんのコメント
2023年9月21日

コメントありがとうございます。
パックマンさんの言葉通りの映画だと思います。
現代日本に生きる自分達に、突きつけられた映画ですね。

たま
パックマンさんのコメント
2023年9月20日

まさに、この台詞、まさに魂の叫びだと思いました。
瑛太さんの演技を超えた心からの魂の叫びを聞かせてもらいました。
この場面がこの映画の全てだと思いました。

パックマン
パックマンさんのコメント
2023年9月20日

「朝鮮人やったら殺してもええんか!」
瑛太さんの叫び。まさに魂の叫びだった。
自分自身、迂闊にも、知らずの間に、早く巡査が戻ってきて
この人達を日本人だと証明してくれ、この人達は間違いなく
日本人だと言ってくれと念じていたのだが、この一言で目が覚めた。
そして、この一言が、殺戮の火ぶたを切った。
普通だったら人々の目を覚まさせる強烈な叫びだったのだが、
このような場面ではそれは通用しなかった。
また、最も弱いものが最も残酷になれる。これも現実なのか。
あれゆる不条理を網羅し、我々に突きつけて来た映画だと思う。

パックマン