「タイトルなし」福田村事件 えみりさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし
名古屋初日初回、満席。今日という日に見ることに意味があっただろう。脚本にはもう少し洗練が欲しかったけれど、物語の構成は悪くない。階級や村の人々の関係など描かれていた。東出くんのキャラは曖昧だ。群衆心理や在郷軍人の様態はよく描けていたと思う。でも、少し図式的。
荒井さん?の脚本は性愛に寄せ過ぎか。今村なら、同じく性愛を入れても、そっちに寄らないはず。
また、在郷軍人たちが警察のせいにするくだりも、ベタなセリフで説明しているだけで、これなら、しょうがなかったことになってしまう。
曖昧な状況から、暴発のように殺戮が始まって、それが止まらなくなるシーンは、秀逸なのだが。
在郷軍人がエリートたちをディスる構造は今の反教養主義と重なる。でも、古い脚本家たちが、ただプチブルを図式的に批判してる感も。
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