ベルサイユのばらのレビュー・感想・評価
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「ベルサイユのばら」って、なんだったんですか?
原作者である池田理代子さんが「原作に忠実に書いてくださった」と仰ってるので、それが圧倒的なアンサー、正解だという大前提ではありますが…
大絶賛してる観客にも、こう語った先生にすら、マジ???正気????と感じてしまうくらい、私が好きな漫画「ベルサイユのばら」では、まっっったく、ありませんでした。
ただ、これが評価される理由もわかります。
原作連載当時から、オスカル&アンドレは圧倒的人気を誇るキャラクターで、特にオスカルの存在は、男性社会バリバリな時代の抑圧された女性たちにとってはバイブルのようで、実際より美化された形で皆の脳内に残っている気がします。
そしてそのオスカル像は、今まさに声を挙げ、オスカルのように生きようと、夢物語ではなく現実の価値観として触れる女性たちにとっては「共感」の対象として、ビシバシ刺さるところがあるのでしょう。
もちろん、私自身、このオスカルがいなければベルサイユのばらのファンにはなっていないし、彼女が言うこと為すこと全てに惚れているくらい、好きです。
そして今作はひたすら、この主人公から見た世界を、主人公に一切汚れがないまま、描ききっていました。
"オスカルファン"という視点では、ストレスなく無菌状態のままラストを迎えられ、むしろ余計なものが削ぎ落とされた、清々しい内容だったと思います。
ですが、こんなにも素晴らしいオスカルというスターの偉業を描きながら、同時にそこにいる多種多様なポジションの人間を誰ひとり雑に扱わず、「敵/味方」「愚か者/賢人」という単純な対立構造に落とし込まず、ただひたすらその時代に生きた全てのポジションの人間に光を当てた功績こそ「ベルサイユのばら」ではなかったのでしょうか?
「フランス革命」でも、革命が起こった「パリ」でもなく、「ベルサイユ」という王族を象徴する単語がタイトルに入っているのは、そこが主題だからではないのですか?
今回の最大の問題点は、マリーアントワネットがただのバカに映っていることです。
そもそも、池田理代子先生がオスカルより先にマリーアントワネットを描きたいと、同名の小説に感化され、この漫画に着手したというのは有名な話だと思います。
「悪女」と片付けられている女性を、ひとりの人間として描きたい、と。
その1歩目の目標は、もうどうでもいいのでしょうか?
オスカルやアンドレの人気が出たから?
そちらの方が現代の価値観にフィットし、評価されやすいから?
疑問が多くて申し訳ありません。
正直今回のアントワネットから受けた印象は、従来の「浪費癖のバカ王妃」というもので、ラスト近くのオスカルとアントワネットの対峙シーンにおいても、圧倒的にオスカルが正義VSアントワネットは敵、と、なんの情緒もなく気持ち良く決別していきます。
マリーアントワネットは、オスカルを輝かしく描くために使われただけの駒だと感じました。
キャラクターをそうやって浪費しない、都合の良い使い方をしない、その人権感覚こそが、好きだったのに…。
ただ、ラストの革命戦闘シーンはとても良かったです。
ここまで細かく壮大な描写をするのは漫画では難しいし、「オスカルが居たからこそバスティーユは墜ちたんだ」という、この物語の中での事実を実感できました。
その事実は、彼女の大きな決断に確かに意味があったと感じられるものでしたし、原作以上にオスカルの人生や存在そのものの価値を上げる要素になっていたと思います。
これこそ二次創作であり、そして映画でしかできないことで、見応えがあったなと感じています。
「原作に無いこと」を書かないことや、「原作にあること」をそのまま描くことだけが、必ずしも「原作の精神性を保つ」ことではないと思います。
その良い例としてこの場面は大好きです。
にしても、その後勝って結ばれてハッピーエンドで、アントワネット処刑すら肯定的に描かれるENDでは、盛り上がった気持ちも萎えます。
私は「ベルサイユのばら」に限らず、この時代や、革命の精神が好きで、もちろん市民寄りの目線で好きだからこそ、そちらの苦しみを完璧に描きつつ、「あちら側の真実」も同時に描かれた今作を読んで、衝撃を受けたのです。
こんなにも思慮深い"人間社会"の見方があるのかと、驚かされたんです。
そしてその見方で、この社会を見つめてきましたし、それは自分の人生にとってとても良かったことだと思います。
でも、そんなことより「オスアンの素晴らしさ」こそが、原作の要だったのですね…。
あと、歌が全て本当にダサい。。
歌を入れること自体は全然良いんだけど、急に現代的なポップスで、英語をたくさん入れ(あの頃のフランスなのに)、男性俳優たちに喋り声と全く違う高音で歌われても、キツい…。
安いMVのような歌がなければ、せめてアントワネットの晩年は入れられたのでは、、?と思ってしまうし。
唯一、仮面舞踏会や衛兵隊など、大勢での歌は妙に音楽性がマッチしていて、そういう曲もあるだけに逆にアベコベな感じ…。
宝塚歌劇のものも見ましたが、あちらはのったり退屈ながら、原作や時代の雰囲気を損なわない音楽で、原作の(私が好きな部分の)心も全く失わず、全然マシだったなと思います。
のったり退屈じゃなく、精神性もここまで失わない、3時間くらいのまとまった作品を見ることはできないのでしょうか…舞台でも映画でもいいので……本当に見たい…😢
「令和」のベルばら
監督はじめスタッフの皆さんの「ベルばら」愛がひしひしと伝わってきました。尺の関係でどうしてもダイジェスト版的になるのは仕方ないでしょう。きっとスタッフの方程、苦渋の選択で思い入れのあるエピソードやキャラをカットせざる負えなかったのは容易に想像できます。それでもこれだけのクオリティで作品を完成させたのは本当に素晴らしいです。「少女マンガを映像化する」ことの完成形と言ってさしつかえの無いレベルです。
質の高い作画とCGによって作られた画面はとても美しく、ストーリーの少し寸詰りで物足りないことを補って余りあると思います。
「昔のテレビシリーズの絵の方が良い」という声もあるようですが、私は今回の作品の絵の方が断然良いです。
歴史ある作品なので、色んなアプローチの作品があっても良いんじゃないでしょうか
若者に出会って欲しい作品
映画を見て心奪われ、原作に触れた令和の若者です。
王妃と男性の格好をしている女性とかいうぼんやりとした情報しかない状態で観に行きました。
最初はあまりにも話の展開が速く驚きましたが、各々がどういったキャラクターか理解できるようになっていました。
後半の戦いのパートは丁寧に描かれていると感じ、涙を浮かばせながら「絶対に原作を見るんだ」と固く決意していました。
この人たちのほんの一部分しか知らないのにこんなに感動したからこそ、映画では描ききれなかった部分になにがあったか気になって仕方がなくなりました。
歌唱の部分はキャラクターの心情を補完するのにいいと思いましたが、歌の歌詞も聞き取りたい、セリフも聞き取りたいで脳内てんやわんやになってしまいました。(挿入歌購入しました)
それぞれが身分差や立場に苦しみながらも懸命に生きる姿、誇り高い愛と死。
令和の今、たくさんの意見や情報が溢れ流され、自分が何者かわからなくなるこんな時代に生きる私たちにとって、この作品は大きな励みになると思いました。
昔の絵のタッチに少し苦手意識があったので、今回の映画がなければ生涯出会うことがなかった作品だったと思います
こんなに素晴らしい作品に出会わないなんて勿体ない。
原作を知るきっかけとなった映画の素晴らしさにとても感謝してます。
オスカルとアンドレのような悲しくも幸せなカップルそうそう出会えん。未来永劫これからも色褪せない。オタクは見た方がいい。
2Dミュージカルはこうでいい。
曲がなぁ…好きになれず
「ベルばら」は子どもの頃に原作を見て、その後、宝塚で何度か拝見しました。
アニメの主題歌は、今でもソラで歌えます。
なので🎵草むらに〜名も知れず〜 の山上路夫先生の主題歌を、とまではいかなくても、
もっと、ハマる曲だったらよかったのに、
なんかどうもどの曲も好きになれませんでした。残念。
あと、子供の頃の記憶なので、ごっちゃになっているかもなのですが、私の人生に大いなる影響を与えた「ベルばら」(だと思う)場面、
アントワネットがオーストリアから嫁に来る場面で、母親だったか、お付きの人が
「貴女はフランスにお嫁に行くのだから、オーストリアからは絹糸1本も持っていってはいけません」(うろ覚え)と言う場面、これがあったらなぁ。
時間的に難しいのでしょうけれど、ラストも文字の解説で終わってしまったし。
全部を高速でやると、どうしてもこうなっちゃうんだろうなぁ。
オスカルに憧れない女子はいない
仕事が終えて県内で1ヶ所しか上映していない劇場へ、高速使って1時間半かけて観に行ってきました。
約50年前のテレビアニメをリアタイで観ていた私。原作コミックスはもう手元に残ってはいないけれど、当時小学生でありながら主人公4人の恋愛劇に熱くなり、背景にあるフランス革命とマリーアントワネットという女性に興味をもったのを覚えてます。
華やかで絢爛豪華な、その名前すらも神々しいベルサイユを舞台に、貴族達の髪型に衣装、そして、男装の麗人オスカルの激しい生き方に憧れていました。
おそらく私と同年代でメインキャストのフルネームが言えない人はいなかったはず。そんな懐かしいベルばらが映画になってよみがえるってこんな幸せなこと、生きていて良かったとホントに思いました。
テレビアニメの田島令子さんのオスカルがとても好きでした。
映画の沢城みゆきさんのオスカルも好きになりました。
テレビ盤は少々原作と違う部分があったけれど、映画はほぼ原作と同じで、アンドレとオスカルが亡くなるシーンを観て、又原作を探してみようかと思ったくらい胸にズンときました。
先日どなたかのレビューに、2時間の作品にまとめるには‥という意見もありましたが、私はこれも有りだと思ってます。
この作品で初めてベルばらに触れる人には、あのさらっと流れた感じのデュバリー夫人との確執、オスカルのドレス姿にフェルゼンとのダンスは、何のことやらってなるかもですが、『あの、池田理代子先生の傑作"ベルばら"をもう一度甦らせたい』って製作された様に思えてなりません。
半世紀前に少女漫画のバイブルと謳われた作品が、こうして新たに映像化されて話題になり、新しい人達にも受け入れてもらえたら、これ程嬉しいことはないですね。
私みたいに、何時も利用する映画館では公開されてないってのもあるかもですが、より多くの人に届いてくれたら、観てほしいなって願ってます。
力強さと儚さ
初めて『ベルサイユのばら』という作品に触れた。
ミュージカル風?忘れた頃に歌がやってくる。元々このような作品なのか、現代の流行りに乗ってアレンジしたのか…。
ストーリーは駆け足気味に感じる。観る前はマリー・アントワネットとオスカルの2人に焦点を当てた作品のイメージがあったが、オスカルが多め。終盤に至ってはほぼオスカルの話だった。『ばら』の意味を知る。
作画としてはお目めのキラキラや髪のふわふわ感、細かい装飾は、今流行りの現代風にアレンジされている印象。繊細なタッチでその時代に生きたキャラクターの力強さと儚さが表現されていた。
元々のストーリーは知らず、原作や過去のアニメ版や舞台版との比較もできないが、駆け足気味ではないバージョンを観れる機会があれば是非観てみたい作品。
ミュージカルアニメとしては最悪
私はベルばら未読でこの映画を見た、
声優の歌唱力や演技力は素晴らしかったが、ミュージカルアニメとして面白いかと言うと全然である。
はっきりゆってミュージカルシーンはねてしまったし、ベルばらの世界観に曲調がマッチしていないと感じられた。
さらに、ミュージカルシーンというシーンはあまりなく、キャラクターの絵が逆さまになったりしてスクリーンを上下したり、イメージ映像のようなものがただ流れているだけだ。ミュージカルアニメの見せ場に力が一切入っていない。確かに、キャラクター達が歌っているシーンもちらほらあったが、絵力がなく、ミュージカルとしてちっとも面白くない。
2時間程の映画の尺でベルばらを語るため、ミュージカルにしたのは良いが、ミュージカルとしてベルばらをもっと魅力的にする工夫は感じられなかった。
泣けた
うっとりしました
原作知識皆無で視てなお、無茶なダイジェストなのだが、間をMVで繋...
原作知識皆無で視てなお、無茶なダイジェストなのだが、間をMVで繋ぎ、この題材でしか許されないような過剰にして壮麗な演出で、2時間弱で濃密極まる圧縮大河ドラマを成立させている。後半はオスカルとアンドレに焦点が当たってやや割を食ったマリー・アントワネットだが、平気で7年とか年代ジャンプする本作中で、声の演じ分けだけで時間経過を見事表現した平野綾はMVPだろう。そして男装の麗人オスカルのファムファタルっぷりよ…決して「都合で男と女を使い分ける」訳ではないが、カッコよさと弱弱しさを交互に炸裂させ、周りの男たち全員の脳を焼き尽くす…無理心中しかけるアンドレとか、普通な言語道断なのだが、このケースだけは情状酌量の余地を認めざるを得ない。唯一文句を付けたいのは歌詞が英語混じりなところ。リドリー・スコット「ナポレオン」が全編英語なのにだいぶがっかりさせられたのだが、日本のアニメでまでハリウッド的英語帝国主義に屈しなくてもいいじゃないか。発音多少怪しくても仏語で作詞してほしかったところ。
葬送のオスカル‼️❓
初見でもいける
全く下調べせずに観に行きましたが、普通に楽しめました。
抑圧されて生きてきたマリーアントワネットとオスカルが、最後は自分の自由な意思で人生を選び取っていくという話の流れは素晴らしかったです。一緒に鑑賞した知り合いは、内容がフランス革命の肯定なのか否定なのかと言っていましたが、私は作者がフランスの精神、つまりはフランス革命の精神を愛しているが故の話なのだと思いました。マリーアントワネットは最後処刑されるという結末を迎えますが、彼女は王政を守るという選択をしただけであって、その決断は彼女の自由な意志で導かれたものだと解釈しました。
素晴らしい作品でしたが、一つの映画作品としては微妙な点もあったので3.5です。
毎日でもみたい(応援上映の追記あり)
世界最速上映会含め、4回観ました。まだまだ観る予定です。
半世紀近く原作を愛してきましたので、2年前のティザーを見た時は正直不安しかなかったのですが、オープニングであのタイトルがあのフォントで出た時点で涙が溢れました。
原作のあの場面だと分かるカットが動き、数々の美しい台詞がそのまま聞けます。声優陣も原作のイメージを壊すことなく年齢毎にあわせて成長していくさまを表現されていて流石でした。
尺の都合で再構成されていますので、あのシーンやこのエピソードは外して欲しくなかった!というのはありますが、制作陣の原作へのリスペクトと細部へのこだわりが凄いです。感謝しかありません。
劇場で販売されていた原作がよく売れていたので、映画をきっかけに若い方や未読の方にも原作が届けば良いなと思いました。
2025年3月7日追記~
11回目の鑑賞は昨日の声出し号泣OKの初の応援上映。これまで複数回同じ映画を見た事がない私が2桁(笑)。まだ行きますよ。
若い方も多く応援のプロの方に導かれ物凄い盛り上がりで無茶苦茶楽しかったです。
ペンライトは打ち合わせをしたかのようにそれぞれの場面にあった色で溢れ、歓声、応援が楽しく少女時代にクラスの子達ときゃあきゃあ言いながら原作を読んだことを思い出しました。
そうそう、これぞ少女マンガの楽しみ方。
原作をとことん愛した制作陣だから実現した令和のベルばら。上映箇所が少なくなってきているので見ていない方には、ぜひ大きなスクリーンでバスティーユを体験していただきたいです。
アン〜シャン〜レジウム〜♪
ベルばらはだいぶ昔に漫画をさらっと読み、宝塚の舞台を一度見ただけのライトファンですが、フランス革命をネタにしたものは好きで本やら映画やら色々読んだり観たりしています。
画面が美麗で、アントワネットのドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)の美しさ、ベルサイユ宮殿やプチトリアノンなどの背景がきちんと描かれていたことに好感を持ちました。
演出やセリフ回しはベタベタな昭和アニメで懐かしさを覚えましたが、若い世代の方々の目にはどのように写るのでしょうね。
ストーリーは端折りすぎて初見の人はついてこれないのでは?とも思いましたが、原作の複雑な人間模様を潔くカットし、オスカルとアンドレに焦点を当てたのはかえって良かったように思います。
ミュージカル仕立てに違和感があったのは最初だけで、ちょいアングラ演劇っぽい曲調?が不思議とハマりました。
革命シーンで熱唱される歌、アンシャンレジウムをサビにもってくるとか、常人のわたしには発想が斜め上すぎてニヤニヤが止まりませんでした。
コアなファン向けというよりは、ライトなファン、もしくは一見さんにこの映画で興味を持ってもらい、原作漫画なり宝塚なりに誘導する、という道筋が想定されてるのかなと…
日比谷の宝塚劇場を横目に、そんなことを考えながら帰路につきました。
これは映画というより長尺のコミックPVでは?
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