「何を見せられているのか」ベルサイユのばら ちさここはるさんの映画レビュー(感想・評価)
何を見せられているのか
1979年から80年に日テレで放送されたテレビアニメが令和に復活したのだ。
オスカル、アンドレ、アントワネット、フェルゼンが主役である。
朝の報道番組で映画をやると知り、SNSで宣伝を見て、古参なうちは目を疑うのだ。
目がキラキラしているだけじゃね???と。
バリバリまつ毛があれど貫禄はない、太く荒い線もほっそい。色すらもうっすい。声優は豪勢である。
これ、一本で全部やるの?前後編(他、アニメ映画みたく連続でやるのか?)と思っていたが、まさかの一本。
驚きは隠せない。
ネット配信を待ちに待ち、ついにネットフレックスにきた!
いざ、観た。
冒頭の音楽は許せるが、またすぐにダイジェスト音楽でこうなんですよー〜〜と流れて、目が点となった。
漫画やテレビアニメでは、主人公のオスカルがメインで、その出生や父親のせいでオスカルが女の人生を歩めなくなるのを冒頭から知らせていた。
だが、今作はどうだ?
アントワネットメインとなっている。
力強く産声を上げたオスカルと父親のシーンはまるまるカットされたのである。
そうなるとオスカルがなぜ男装しているのかが汲み取り辛い。オスカル自身がやっていると思われかねない。元に。SNSでオスカルはジェンダーで〜と書き込みも見た。いやいや!違うんだっ、オスカルは性別はきちんと女性なんだ! と吠えてしまった。
2時間に満たない作品の四割はミュージックで、とてもくどく。星も一つにしようかとマジで思った。
しかし、後半の血生臭さからミュージックがミュートされてからが本番であった。
四人の恋愛が辛い。
つぅか、ルイ16世が心広すぎるんよ。いい男なのだ。他の男を愛し騙していたアントワネットを許すんですからね。美形でスタイルがよければ、愛してると言えるのに。と泣くのです。
いじらしい! 可愛い!
フェンゼルとの決別、そして、アンドレの支えでようやく女性になれたオスカル。泣くでしょう。
四つのバラではなく。一輪のバラを見たかったです。
ありがとうございました。
EDは文字で、まさしく紙芝居でした。これからこうなってこうなりました。と足早で駆け足。そこは仕方ないのかなと思いますが。ナレーションのバラ…は蛇足かなと思いました。
末っ子が歌うシーンで終わらせてくれた方がリスペクト感があって嬉しかったかな。
あんなにミュージカルやるなら無印の曲を流すとか、古参を興奮させる演出も欲しかったです。
あと、本当に父親の身勝手シーンカット、許してませんから。
原作に忠実にやる箇所はきちんと検討して欲しかったです。
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