「ベルばらファンの作ったベルばらPV」ベルサイユのばら とおりすがりさんの映画レビュー(感想・評価)
ベルばらファンの作ったベルばらPV
自身は宝塚から入り原作を読み作品を好きになった層です。
この映画自体は3回ほど拝見しました。
個人的な感想としてはお金のかかった同人誌、が第一に来ます。もしくはアニメシリーズを狙った壮大なプロモーション。
劇中何度も歌唱シーンが入り、それ自体は10冊はある原作を2時間にまとめるための演出と理解は出来ます。出来ますが、画面上の18世紀フランスと音楽があまりにもチグハグ。
J-POP過ぎて浮いており、歌唱シーンに当てられている映像もどうしてこの演出にしたんだろう、、、?という今時のボカロ曲のMVのような演出が何箇所もあり、個人的にはその度にその違和感にばかりひっぱられて集中が出来ませんでした。
最後、マリーアントワネットがナレ死扱いでしたが、原作でも筆が乗ってくるあの終盤の辺り、もう少し全体の演出をどうにか出来なかったのだろうか、と思わなくもありません。
頭からお尻まで順番通りに描くことを原作準拠、というのでは無いと思うのですが、、、。
自身はアンドレとオスカルの関係性が好きなファンのため二人の関係性が丁寧に描かれている点では大満足ですし、7/13以降の革命シーンは素晴らしかったと思います。
ですが、作品としてのベルサイユのばらを愛している層、ミュージカルを期待している層、ひとつの映画作品を観にきた層にはどう映るんだろうなと感じました。
自身は3回観て、やっとチグハグな曲にも慣れて来ましたが、そもそも作品のファンでなければ複数回の鑑賞をしないでしょうし、慣れて来た、という感想が出てくるのもどうなんだ、、、。
原作未読の若い層がたくさんベルばらのことを呟いてくれているので、最近のアニメに慣れた若い層にはウケ、届いた、原作に触れる人が増えた、と考えればベルばらの布教活動としては成功なのかもしれません。
あくまでも作品のファンということを差し引いて一本の映画として観た時に自身には合わなかった、というだけの話です。