「ミュージカルというよりはMV的な」ベルサイユのばら クロイワツクツクさんの映画レビュー(感想・評価)
ミュージカルというよりはMV的な
姉の少女漫画を読んだりしていたので、それなりに知ってはいるし、アニメも見ていたがもううろ覚え。実写映画は、オスカルがだいぶ女性的になってたという印象しかないくらい。
この映画もどうしようかと思っていたが、評判が良さそうなので見てみた。前評判としては、漫画全話分をまとめているので展開に無理があるとか、歌が多くてミュージカル調だとか。
どうなんだと思っていたら、冒頭から歌で始まって、オープニング曲なのかと思ったらそうでは無かった。ちょっとミュージカルというより、ストーリーの途中にミュージックビデオが挟まってる感じ。テレビアニメだったら、止め絵でナレーションとか入れて進行するところを歌にしている感じか。仮面舞踏会の曲はちょっとクラシック風だったので、他もそうかと思ったら、殆どの曲調がふつうのJポップって言うのはどうも話に合わなくて、浮いてる感じがしてしまう。フランス語にしろとか、フランス人に歌わせろとは言わないけど(オープニング・エンディングをフランス人に歌わせた、『ラ・セーヌの星』ってアニメもあったけどね)。
クラシック風の作曲が出来る人もいるはずだが、若者受けを狙ったのか、エイベックスが入っているからか。
映像は美麗だが、ちょっと止め絵が変なところも無くは無かった。テュイルリー宮の攻防戦は群衆も良く動いていて、臨場感もあった。ちょっと棒立ちな兵士とかもいたけど。こういうところは、MAPPAが作っているという感じだ。
見た感じでは、原作やテレビアニメのファンから批判がもっと出そうな気がするのだが、意外と好評なのが、ちょっと不思議な気もする。21世紀、令和という時代になって、半世紀前の漫画原作のアニメが作られる、という、滅多にないようなことに、皆批判は控えているのだろうか。