「愛した原作の新しい表現」ベルサイユのばら しゃみさんの映画レビュー(感想・評価)
愛した原作の新しい表現
昭和アニメ版を観た人が批判しているのをよく見かけますが、平成生まれの私にはこれが初めての映像版「ベルばら」であり、とても美しく「2時間でまとめる」条件では最高の出来だと思います。これ以上は削れず、これ以上盛り込みようもない。
祖母が持つ原作を何度も読み、沢山涙しました。あの激動の時代と変わりゆく価値観の中で「自分を貫く」ことを決めた2人の主人公、オスカルとアントワネット王妃。
彼女たちの強さ、譲れなさ、煌びやかさ、それを映像で見ることができて本当に幸せでした。
冒頭のパリの様子ったら、あの希望に満ちた感じといったら!
昭和アニメ版は何度か試みましたが、水が合わなかったのだと思います。それはそれ、これはこれ。
原作を「劇画」だと思っていたらアニメ版のしっかりした演出がいいのかもしれません。
私は「少女漫画」だと思っていたので、この煌びやかさがとてもしっくりきました。
あと!フランス語じゃないことについては、日本語喋ってるんだからそんなもんだと思います。
それより全パートを通じたアントワネット王妃の、日本語だけどフランスという舞台から浮かないよう調整された絶妙な発音と演技をお楽しみください。可憐で高く、高貴で、踊るよう。
個人的には1番大好きなのがシャルロットのエピソードなので観たい気持ちもありつつ、ちょいエピすぎるのでまあ2時間には入らないよな!と納得しています。
それより国民的清楚系声優の早見沙織を本当に1シーンしか使わなかった贅沢ぶり。笑うしかない。流石です。
これ以上は削れず、これ以上盛り込みようもない、まったくそのとおりだと思います。
若い人や外国の人にも、こんな素晴らしいコンテンツがあることを知ってもらいたいと思います。