「ミュージカル風は良いが現代チックすぎて難点だが、概ね満足!」ベルサイユのばら ゆりさんの映画レビュー(感想・評価)
ミュージカル風は良いが現代チックすぎて難点だが、概ね満足!
私はアントワネットきっかけで歴史好きになりました。史実としてのアントワネットも、ベルばらのアントワネットも大好きです。
宝塚のベルばらも何度か観に行きましたし、原作は幼い頃から繰り返し繰り返し読み込んだし、私が生まれる10年以上前に放送されていたアニメ版も観たことはあります。
今回の劇場版で原作すべてを映像化するのは厳しいのは承知の上でしたし、大部分のストーリーがカットされることは想像ついていました。
とはいえ!マリア・アントニア(原作でもフランス語のアントワネット表記でしたが…)の可憐な幼少期時代がなく、あっという間にフランスへ嫁入りから始まるとは……泣
2007年頃かな?映画『マリー・アントワネット』でラストがヴェルサイユからテュイルリー宮へ移送されるところで終わった作品よりはましですかね。
ですが「エチケット夫人」やデュ・バリー夫人との戦いなど、アントワネットらしさを感じられる部分がすべて歌で終わってしまったのも悲しい。初めてベルばらに触れる人からしたら、デュ・バリー夫人やポリニャック夫人、ロザリーにベルナール・シャトレが誰だか分からないでしょうし、ましてやロベスピエールにナポレオン一世なんて超有名人が出ていたことはわからないでしょう。それくらいの端役でした。実際ベルばら作品内では端役なのですが、すべてチラッと友情出演した程度。むしろ麗しのサン・ジュスト様が出なかったのはなんで??
首飾り事件はアントワネットにとって人生を左右する大事な事件だったのに、首飾りを試着しただけで終わってしまいました。ジャンヌの話はなくても、そこはアントワネット好きとしてカットしないでほしかった。
なんてつらつらと書きましたが、現代チックな歌は色々と違和感あったので、もう少し宝塚のように時代性を感じるような音楽が良かったなと思いますが、内容としては概ね不満はありません。むしろよく2時間に収めたなと感心しました。
ただ、「これってオスカル・アンドレ編だっけ?」と思えるようなエンドだったので、個人的には前後編にして「アントワネット・フェルゼン編」「オスカル・アンドレ編」でそれぞれ作っても良かったんじゃないかなと思います。むしろ作ってください!!