「2時間以内にするとなるとこうなるよねという。」ベルサイユのばら だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
2時間以内にするとなるとこうなるよねという。
わたしは1981年生まれなので、ベルばらはオンタイムでは知りません。
アニメは映画公開前にYouTubeで限定公開されていたけど、古さに慄き、一話も見続けられなかったです。ジャック・ドゥミ監督の映画版は数年前に見ています。
漫画は、高校生の時に誰かに借りて読んでいて、大人になってから自分で買って持っているという感じの人です。
ベルばらの好きな部分は、オスカルが近衛兵?をやめて、平民の軍?に入り、平民の兵士たちに認められてゆき、貴族であることを捨てて平民とともに蜂起する部分と、アンドレとの身分違いの恋の成就と、オスカル・アンドレ死後のロザリーが獄中のアントワネットを世話するところです。
つうか、ロザリー(早見沙織さん)とベルナール(入野自由さん)、ほとんど出番無かったですね。声優が豪華だったから出番そこそこあるのかなと期待していたけれども、2人とも一言二言しかしゃべってなかった…。なんならオスカルの死後は、エンドロールで終わってしまった…。なので、ロザリーは直接オスカルとしゃべりもせずよ。
まあ、2時間以内にしたいとすると、大胆に脚色しないといけないので、オスカル、アントワネット、フェルゼン、アンドレの心情に注力したという選択は、正しいと思うので、仕方がないですね。ジャック・ドゥミ版でもロザリーは割愛されまくってたものね。
アントワネットの結婚後の少女時代の出来事(ベルサイユは大変な人ですこと、など)は、にミュージカルナンバーの背景として描かれておりました。たぶんジャンヌの首飾りとかもそういう扱い。ロザリーの母とか(ポリニャック夫人だっけ?)。
でも恋愛模様は結構ちゃんと書いていて、ジェローデルなんて5人目の重要人物級だったので、まあそこは満足。
あと、泣くとは思ってなかったけど、軍の銃とかを売った部下を罰さないのは…的にオスカルが苦悩しながらなくシーンで、なんでか泣いていました。あと、部下の暮らしが追い詰められているとか、女なのにアントワネットの気持ちが想像できなかったとか、オスカルの世間知らず感を、なんだか先輩の気持ちで見てしまいました。
よく考えれば、2025年現在のわたしの年齢は、オスカルの享年より上だと思うので、さもありなんですね。ジャック・ドゥミ監督の映画版を見てからでも8年?
観ているわたしの成長?汚れ?老い?諦め?共感性の高さ?が、同じ事柄から別の視点を浮かび上がらせているのでしょう。
平日のサービスデーでもない昼間に見ましたが、中高年女性ばっかりでした。老女さえたくさんいました。皆さん、何を見出していたのでしょうね。