「速攻やられる自分のようなモブは無視して映画館に突入し革命の炎を絶やさないようにして欲しい」ベルサイユのばら 弁明発射記録さんの映画レビュー(感想・評価)
速攻やられる自分のようなモブは無視して映画館に突入し革命の炎を絶やさないようにして欲しい
いや、めちゃくちゃダイジェスト感つええ。
しかも歌を何個も挟むから、余計ダイジェスト感が増す。
余裕なかったんだろうというのが、カットの出来のばらつきで想像できる。
ばらって、ばらつきのことかと思うレベルで、おそらく完全ミュージカル案や二部作、三部作とか色々案はあったのだろう。
ただ、予算や時間の関係でこの形に落ち着いたのだと思う。
ただ、数々のツッコミどころを持ってしても、今作を作った意義はあったと思う。
今作から、原作漫画や旧アニメ、宝塚舞台に興味持ってくれる若い世代もきっといると思うし、フランス革命に関心を抱いてくれる人もいるだろう。
でも、ほんと申し訳ないが、笑い堪えポイントが幾つもある。
[笑い堪え1]
前半沢山出てくる貴族のモブが全く動かない。
背景そのもので「モブの貴族は動かぬ背景になってろ」というかのごとき止まり方に笑い堪える。
[笑い堪え2]
真正面と真横のカットが多く「あの豪華絢爛な衣装をアニメで描くの、やっぱりクソ大変なんか」とアニメーターの苦労を思いながら笑いをこらえる自分を必死にパンチする。
[笑い堪え3]
上映前のミニアニメで白目になるのギャグで使うから、本編でも白目がギャグに見えて笑いを堪えた。
そもそも、あのミニアニメ結構面白かった。
今どきなかなか見ない顔の額縦筋でも笑いを堪えた。
[笑い堪え4]
やたら入る歌でも「そんなに何曲も作ったんかよ!これやっぱりミュージカルにするつもりだったろ、多分」と笑い堪えて、歌場面のダサいMV感、特に後半の双子座のセリフで青と白の人がかけっこしてる両脇にバラエフェクトで笑い堪えて。
[笑い堪え5]
どうしても感情が動く場面をピックアップして入れることになるから、どのキャラもやたら泣く場面が多くて皆泣き上戸?なダイジェスト感に笑い堪えて。
俺の中の笑い堪えきれないバスティーユが陥落しないように必死で抵抗していた。
日比谷の初日の観客は皆真剣に観て、泣いてくれる人もいたから、皆初日に来るレベルの革命の戦士だったから、観客から暴動が起きないように、声をたてないよう笑いを堪えるしかなかった。
その緊張感はたまらなかった。
俺はベルばらのあの世界にいたら、きっとバスティーユの中で砲撃を受けて速攻で死んでるクソモブになるような人間だから、ここに書いてある事は気にしなくていい。
けれど、ちょっとでも今作に興味を持った人は今作を観て欲しい。
このベルばらという革命の炎を絶やさないでほしい。
ベルばらと言うのは、やっぱり日本の漫画のアニメの革命だったはずだし、今回のこのツッコミだらけの作品でもその魂は確実に受け継がれているから。