「音楽をもう少し頑張ってほしかったミュージカル」ベルサイユのばら p27さんの映画レビュー(感想・評価)
音楽をもう少し頑張ってほしかったミュージカル
大前提としてこの物語を映画1本に詰め込むこと自体に無理があるものの、ミュージカル仕立てにしたことでなんとか1つの作品として仕上げたこと自体は評価できます。
ターゲットを原作やアニメあるいはフランス革命をある程度知っているファン層として想定して絞り込んでいるのなら、ある程度端折っても脳内補完できるのでストーリー的には問題はなかったと感じました。
ただ、映画としての不満はいくつかあります。
・テーマを絞った方がよかった
「女として生きる辛さと喜び」「男女の恋の行方」「オスカルの一生」など、何かテーマを絞って展開した方が、ストーリーに厚みが出たように感じました。ダイジェスト感があるので、キャラクターそれぞれの脳内補完が出来ないとかなり薄っぺらいダイジェストになるのでは。
・音楽が頭に残らない
ミュージカル仕立てなのは良いとして、肝心の音楽が全く頭に残りませんでした。舞台や映画のミュージカルは鑑賞後にワンフレーズくらいは何かしら頭に残るものですが、何回か繰り返し見たところで歌えるようになるかと言うと微妙です。音楽のミスマッチもですが歌詞も薄っぺらいというか…そして歌唱力はあっても歌詞が聞き取れない/歌詞で伝えたいことがぼやけているため、雰囲気と脳内補完で理解している感じでした。
・時代考証や衣装などへのこだわり
民衆の服装や言動などもう少しこだわってくれても良かったのでは…身なりが綺麗で困窮しているように見えず説得力が欠けてしまったのが残念です。
ベルばらを好きな人にとっては見て損はなく、新しい切り口を楽しめる作品となっていると思いますが、友人などに薦めるかというと微妙です。
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