「ジェネリックあるいはまとめサイト」ベルサイユのばら だぽんさんの映画レビュー(感想・評価)
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絵は綺麗、まさに池田理代子先生そのもの!
ベルサイユ宮殿の鏡の間も素晴らしいし、ドレスなんかも子供の時に憧れたのと同じ!
だけどね、なんか話を端折りすぎてアントワネットはわがままで贅沢三昧のお姫さまにしか見えないし、オスカルは世間知らずな夢見る夢子ちゃん?でアンドレはひたすら耐える片想いの平民という感じだし。
ストーリーがひたすらフランス革命に向かって展開されるから人間味らしい場面(オスカルに軽口をきいて怒られるアンドレとか)メルシー伯にどやされて国王とマリーアントワネットがおいおい泣く場面とかカットしてるから、感情移入しにくいのよね。。
暗い中でもクスッとなる場面、あったのに。
そこに至る経緯や登場人物の思いや行動が描かれてないから、???なんで??なんでそうなるの??と。
その説明をBGMで歌い上げてイラストで流すから、完全に置いてけぼり。
やはりあの大作を2時間で!ってのが無理過ぎ。
起、転、転、結、もしくは、起→結くらいの展開だった。
2時間の尺ならもっとまとを絞り、オスカル視点だけで別にアントワネットとフェルゼンの恋は描かんくてよかったのにな。
なんで、今映画化したんやろ?この映画は何をテーマに描きたかったんやろ?
それが全然見えてこなかった。
オスカルの生き様を描くなら私はオスカルを描くならロザリーとベルナールとの出会いは描くべきだったと思う。
ロザリーこそ普通の平民の女性(半分は貴族の血が流れてるけど)の暮らしの象徴で彼女の生活に触れたことでオスカルはそれまで当たり前としてきた自分の生活を省みて恥じて、民衆と共に戦う決意をしたのだから。
彼女の人生の決意はロザリーなくしては無かった気がするのよ…
ポリニャック伯夫人の「文句があるならベルサイユにいらっしゃい」も貴族のいやらしさを描くには欠かせんかった。
プラス、アントワネットがロザリーに優しく接することでまたアントワネットの人物像も浮き上がってきたし(大切な人の大切な人に対して好意を惜しまないとこ)あとベルナールとロザリーがいたことで基準の恋人像が出来て、オスカルとアンドレの悲恋がさらに際立つし。
あのミュージカルみたいな場面がなかったら、ちょっとくらいエピソード入れれたんじゃないのー?
自分はあの歌入りのBGMが、効果的に使われたとは思えなかった。
描き足りない部分を補っていたらしいがアニメならアニメで描いてほしかった。
池田理代子先生が描いたベルサイユのばらの、表面的なものをなぞっただけに思えてならないー。
根幹の骨太の部分が見えてこないー。
ちなみに、声優さんはみな原作通りのベルサイユのばらを意識されて吹き込まれていたのかな?
それとも、このアニメ映画の脚本通りのキャラクターとして吹き込まれたのかな?
なんか前者か後者かで、全然キャラクターへの意識や思いが変わるだろうなぁと。
なんか、まとめ動画を見たけど、綺麗だったー
で終わった。
目の保養にはなりますが、彼氏とかと観に行くものではないかもです。
私的には、今回の映画はもったいなかった、だけどこれだけ編集されても鑑賞に耐える池田理代子先生がいかにすごいのか、が分かった映画です。
だけど2時間はやはりもったいなかった…。