「豪華すぎるキャスティング」アムステルダム せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
豪華すぎるキャスティング
第一次世界大戦の戦地で知り合い深い絆で結ばれた3人が、再会し、自らの冤罪を晴らそうと奔走する話。
主役3人だけでもお腹いっぱいなのに、脇を固めるのもラミ・マレック、アニャ・テーラー・ジョイ、ロバート・デ・ニーロなどなど超豪華。ハリウッドのお祭り映画っぽいけど、今作は意外とこの豪華な配役がうまく機能してるように感じた。
今作は、ナチスのような独裁政権を企む勢力とそれに乗っかって金儲けをたくらむ富裕層や権力に、太刀打ちしていこうとするっていう話。この陰謀に立ち向か歌めに集まる人達が豪華なハリウッドの面々。まるで時代は繰り返せど映画はいつだって独裁政権を許さないし、私達がいつでも立ち向かうという宣言に見えた。
1番わかりやすいのが、戦友会中に企業のトップと面会するシーン。企業側のちょー平凡そうなオジ達と無駄に美しくてイケメンで派手なハリウッドの面々がほぼ同じカットに入らない。さらにヴァレリーはしっかりとビデオを回しているので、映画!って感じ。
芸術は愛を表現する(ヴァレリーが馬鹿っぽく言ってたのはわざとそういう演出だったんかなぁ)だけじゃなくて政治的な主張も大切、という意気込みを感じた。だから、最近政治的発言が多くなったテイラーがキャスティングされてるのも納得。
まぁ、難しいこと考えなくても全員主役級が次々に現れて演技合戦を繰り広げるから見てて飽きない。クリスチャン・ベイルとラミ・マレックもうクセ強ですごい楽しそうだったもんね。
あと、復員兵達が戦争の後遺症を薬で紛らわしていると言う描写が、良いことと悪いことは繰り返すという今作で何度も言われるテーマと被って見えた。薬で一時痛みを和らげてもまた苦しみはやってきて、それの繰り返しで根本の原因は治癒してないよってことかな。