「義眼」アムステルダム ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
義眼
アメリカでの評判・興行共に失敗しており、一体どうなってしまうんだ?と思いつつも鑑賞。
確かに話は複雑ですし、テンポもお世辞にも良いとは言えない作品でしたが、酷評するほど悪い作品には思えませんでした。
まず第一に役者陣は最高でした。クリスチャン・ベール、マーゴット・ロビー、ジョン・デビッド・ワシントンと3人の主演たちのシリアスな場面からコミカルな場面まで幅広い演技合戦を楽しめます。3人の友情を満遍なく味わえるので、ある種青春映画の側面もあったなぁと思いました。アニヤ・テイラー=ジョイやラミ・マレックなどの実力派が脇を固めているという事もあり、コロコロ変わる表情や行動を思う存分堪能できます。随所にある言葉遊びや下ネタもクスッと笑えてよかったです。ヴァレリーのフェチに最初は首を傾げましたが、彼女の生活ぶりや3人での関係性を見ていると段々どうでもよくなってきました笑
戦前のアメリカのセットも精密に再現されており、違和感なくその時代の物語を楽しめたのもまた良かったです。小道具から飲み物食べ物、服まで拘ってるなぁと思いました。
ラストシーンで3人が別れ、パート、ヴァレリーとハロルドのキラキラした感じもゾクゾクっときました。こんな学生チックな青春をほんの数分で味わえたので満足ものです。パートの心の声でのセリフもキザっぽくなく抽象的ではありますが意外とストレートにくるのがまた良かったです。
「人生はタペストリー」
今年観た映画の中でもトップクラスの名言だなと思いました。
気になったというか自分が途中集中力が切れて物語について行けずに少し理解できない場面があったのが惜しかったです。心の声とセリフがごっちゃになっているので複雑ですし、少し間延びしてしまった感も否めないのは残念でした。日本人ウケという意味ではかなり分の悪い作品だったなと思いました。
惜しい作品だと思いますが、嫌いにはなれない、去年の「レミニセンス」のような評価になりました。確かにこれがヒットしないのは向こうにとってはかなりの痛手だなぁ…。
鑑賞日 10/28
鑑賞時間 11:30〜14:00
座席 H-4