桜色の風が咲くのレビュー・感想・評価
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何度も反芻する、心に沁み入る作品
あまり期待せずに観に行ったのですが、大きく期待を裏切られました。もちろん、良い意味で。サトシさんのひょうきんな性格が、次第に動揺をみせるようになり、その心の揺れ動きが苦しく、涙が溢れました。大袈裟に描きすぎず、泣かせようとして描かれた感じもせず、心を包み込むような素晴らしい作品でした。
単純なお涙頂戴映画ではない
ほぼ、予告通り思っていたストーリーでした。
24時間テレビとかは苦手なので、観るかどうか迷いましたが、期間内に映画館のポイント貯める必要があるので鑑賞です。
観てよかったです。
お涙頂戴の映画ではなかったです。
「可哀想」とか「頑張って」とかではとは違う切なさがありました。
余計な味付けしていない料理のように感じました。
とはいえ、ところどころ泣けました。
智さん本人とお母さんにも感動しましたが、他の人にも涙です。お父さんはお父さんなりに、、、というところが良かったです。
とにかく美しい
目が見えない
耳も聞こえない
けど考える事ができる
全盲者で世界初大学教授って
もう「凄い!」の一言です
それは家族や周りの人の
支えがあってですね〜
そう、だって
「人は1人では完結できないように
なっている」
ーーー
喫茶店から飛び出して
「私ってホント母親なのかな」
って言うシーン
自分を責めないで欲しい
と思った
そんな事したら自分まで
潰れちゃうよ…と
ーーー
とにかく映像が美しい
そして小雪さんの
深みのある美しさが
とても良い
吉沢悠さんも
イケメンの殻を破って
男をあげた俳優だと思う
最後のエンドロール
ピアノの音色は
辻井伸行さんだったとは!!
さらに涙が出ました
世界で初めて盲聾者の大学教授となった福島智さんと母・令子さんの実話...
世界で初めて盲聾者の大学教授となった福島智さんと母・令子さんの実話を基に描いたドラマ。
兵庫県で暮らす5人の家族。
夫・福島正美(吉沢悠)は学校教師、妻・令子(小雪)はやんちゃ盛りの3人の男の子を育てるのに忙しい。
幸せな一家だったが、末子・智の目の見え方がどうやらおかしい。
正月休みの間に気になっていたのだが、医者は休み。
休み明けしばらくして、近所の眼科に連れて行ったところ、大病院での検査が必要と告げられ、そのまま入院となってしまう。
県立病院の眼科医がいうことには、珍しい病気で失明の可能性がある、とのこと。
入院して治療を続けるが、幼い智は片目を失明してしまう・・・
といったところからはじまる物語で、片目をうしなった智少年は、周囲からのいじめに遭いながらも、その後も元気に育っていったが、残された目も視力を失ってしまう。
普通なら全盲というハンディキャップを負ったならば、意気消沈、生きていくことが嫌になってもおかしくないのだけれど、智少年は、入院中に仲良くなった年上の全盲青年から点字を習っており、それゆえ点字本を数々読み、またラジオから流れる落語にも喜びを見出す。
高校生にならんとする智(田中偉登)は、東京盲学校へ進学、ひとり暮らしを始めるようになる。
同級生に、「カフカの『変身』読んだか? なんでザムザは、ある朝、突然、虫になったかわかるか?」と問いかける。
答えられない同級生に対して、「理由なんかない。なるときはなるんや。そういうもんなんや」と言う。
彼は盲の中で学んでいるのである。
盲であっても、蒙ではない。
考えることで、蒙を啓いているのである。
しかし、そんな智を次なる試練が襲う。
頼りにしていた耳が聞こえづらくなっている。
想いを寄せる同級生の女の子が弾くピアノの音も、ひずんだり、聴き取れなくなっている・・・
全盲の上に耳まで聞こえなくなったら、いくらどんなに考えても、それを周りに伝えられない。
周りのひとも智に何も伝えられなくなってしまう。
完全な暗闇、完全な孤立がやってくる・・・
「そうなったら、男版ヘレン・ケラーやな」と軽口を言ってはみるものの、気も狂わんばかりの恐怖・・・
その智を恐怖の淵から救うのが、母・令子が咄嗟に思いついた指点字。
左右3本ずつ計6本の指を使って相手の指にタイピングし、点字同様に一音ずつ相手に伝える方法であった。
幸い言葉まで失わなかった智は、相手からのコミュニケーションがあれば、自分の声で思いや考える伝えることができるのである。
蒙を啓くためのコミュニケーション。
コミュニケーションで「つながる」というのはそういうことなんだ。
映画は、その後、智の大学受験と合格を描いて終わるが、タイトルどおり、桜色のさわやかな風が吹いたかのような余韻を残します。
前半は母親からの視点、後半は成長した智の視点と変化するあたりの劇作ぶりも好感が持て、要所要所に挟まれる智の視点による映像も効果的です。
すっかり母親ぶりが板についた小雪、頭脳明晰なれど嫌味もなく、時にはユーモアも交えて、ヴィヴィッドに演じた田中偉登ともに好演でした。
見えなくても、聞こえなくても
いやぁ、いい映画だった。
予告がB級感漂っていて、ギリギリまで見るか迷っていたんだけど、見てよかった。とても心が温まりました。
映画としては少々物足りなさがあり、作風は古臭くて薄い感じがしちゃうんだけど、ストーリー展開が上手く、ひとつひとつの掘り下げ方もしっかりしていたため、いい作品に。なんたって、小雪、田中偉登の演技が素晴らしい。もう、この言葉に尽きる。2人あってこその映画でした。
モデルとなった福島家への愛も感じられる。
エピソード、セリフ、心情の変化などなどが、ジーンときて泣かせられる。その上、笑えるシーンもあるんだからこの映画は面白い。優しく包み込むような母の愛。そして、決して諦めない智の強い心。すごく背中を押されました。
短いレビューですが、オススメです。
正直、今放送されている「silent」には色んな点で劣ってしまいますが、本作はあの作品以上に、ろう者についての描きが非常に丁寧です。ぜひごらんください。
桜色の言葉🌸
お母さんのご著書と、智さんのご著書を読んでいたので、ある程度の背景は知っていました。
それでもやはり、愛する我が子が光に続いて音を失うのを、そばで見ていたお母さんの胸中をこうして映像で見ると、胸が痛かったです。
お父さんも愛情を持ってはいるけれど、お母さんよりちょっと冷たい印象でした。男親は、あんな感じなのでしょうか。
息子のために点字を学び、参考書を点訳し、怪しげな民間療法にも、息子がしたいといえば付き合う。お母さんにしかできないことだと思います。
咄嗟に出てきた指点字、本で読んだ時にはわかりにくかったけれど、あんな感じなのかと納得しました。
盲ろうの方は、自由に外出しておられるのでしょうか。指点字は、完璧に点字の仕組みを知っていないとできません。今の技術をなんとか活かして工夫して、盲ろうの方々がもっと気軽に外出できて、点字を知らない人とも会話を楽しめる世の中になるように願ってやみません。
俳優陣の演技はとても素晴らしかったです。
いつも感じのいい人を演じるリリーさんが、感じ悪い医師を演じておられましたが、ものすごく憎たらしくて、この人、演技巧いなあと改めて思いました。
感動する理由のあれこれ
映画館で鑑賞。最初から最後まで、何回涙したか、覚えていない。
単なる涙頂戴ものとは違って、令子(母親)と智の親子関係がしっかり描かれている。
だから、感情移入してしまうのだ。
どのシーンで涙したのかはあり過ぎるのでここでは叙述しないが
とにかく小雪が素晴らしかった。小雪のさりげない表情だけでも、何度も涙した。
効果的なナレーションにカット割りに、気付いたら、どっぷり物語に没入してしまい、あっという間にエンディング。
この映画を見ながら「余命10年」を思い出した。この映画でも何度も涙した。
こういうタイプの映画は感動ポルノという立ち位置で批判する人が必ずいるが
制作者側が事実に対して真摯に向き合っていることが観客側にも伝わってくる。
題材が題材なので、どのように描くか監督の技量も求められる。役者の技量も求められる。
ここをクリア出来ないと、かなりの批判にさらされてしまうという、かなりのリスクが生じる。
このハードルの高さを、松本准平監督も藤井直人監督も、見事に跳び越えている。
これは技量はもちろんのこと、監督の事実に対する真摯な姿勢と表現者としての矜持がそこにあるのだと思う。
松本准平監督がこれからどういう映画を撮っていくのかとても気になる。
映画としての表現を勘違いした露悪的な作品
映画の題材とは関係なく、出来から言うと、最初から最後まで才能のない人たちの撮った作品としか思えなかった。
幼児の泣き苦しむ映像をみせて観客の同情をひく手法を始め、映像表現を知らない人たちが何処かで関与したとしか思えない。
不幸を直接的に描く表現はもっとも拙い表現手法であり、幼児虐待一歩手前の演出に至っては、果たしてこれが許されるんだろうかと言う思いしか浮かんで来なかった。ドキュメンタリーならともかく、映画化する意図の伝わって来ない一作であった。
なお、この感想は福島家の立派なご家族を毀損する内容では全くありません。別の表現方法があったであろうという感想です。
自分なら死んでいた😱
智が【「その人が、乗り越えられる逆境しか与えない」なんて言うのはウソだ】って言ったシーンが、強烈すぎた❗️❗️❗️
ただ、それを本当に克服した智は、もっと強烈だった❗️❗️❗️❗️
できれば現在活躍中のところまで、少しでもやってほしかった😅
コミュニケーション手段が奪わていく、壮絶。
一言で言えば、「壮絶(そうぜつ)」な映画でした。僕は、「泣ける映画」というよりその境遇の理不尽さ・壮絶さに絶句せざるを得ませんでした。
僕はこの映画を見て、小雪さんが演じるところの智(さとし)さんの母の愛情、そして家族愛に「ハートウォーミングに心が温まった」というよりも、誰もが思うであろうともいますが「もし、智さんの立場に自分がたったらどうなるか」。そのことに戦慄せざるを得なかったです。
映画でも描かれていましたが、闇の世界へ落ちる恐怖。孤独への恐怖。その境遇の理不尽さへの葛藤。
聖句が出てきます。「神は耐えられない試練を与えられない※」。耐え難いギリギリの試練というものも現実に存在することもまた、事実です。
※「・・・神は真実な方です。あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、試練と共に、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えていてくださいます。」
(1コリント10:13・新共同訳)
確かに智さんには「指点字」という「逃れ道」がありました。絶望の果てに、一筋の希望がありました。
原作となった智さんの母の著作のタイトルにもなっている「さとし わかるか」。もう、この一言に尽きる。その一言に、母の万感の思いと愛情が込められていると思いました。
人間を人間たるものにするのは、他者とのコミュニケーションです。その手段を奪われかけたところに、一筋の光。他人が軽々に語ることの出来きない、心を揺さぶる圧倒的な現実(リアリティ)がありました。
素晴らしい人がいたものだ。
自分に置き換えると、自暴自棄になるのは明らかで、このような人生を淡々と歩んでいる(本当は淡々では無いとは思うが)人には恐れ入る。
勿論、家族愛が一助(いやになったのは最もだが。
米タイムズ誌が絶賛したのも至極当然だろう。
PG12が理解できん。12歳以下にも観てもらいたいのだが。
青少年の若者に、是非とも観て頂きたい作品です。
実話を題材にした映画作品は、とかく誇張された表現が目立つものですが、この作品は、そのようなことが無く、視力、聴力を失うことに対する恐怖、そして、恐怖を克服しようと病気と闘う過程での苦悩や葛藤について、素直に伝わって来ました。
幼少期の子役の俳優さん、、青年期の田中偉登さん、そして、母親役の小雪さんの、障害者の方をもつ家庭の苦悩、そして、それを克服しようと頑張り続ける生きる力を、スクリーンを通して伝えようとする、気迫に満ちた迫真の姿に、心から感銘を受けました。
是非とも、将来を担う青少年の若い人たちに観ていただき、生きる力が伝わって欲しいと思いました。
実話だからこその映画です。
主役である福島智さん役を演じた田中偉登さんの舞台挨拶付きで見て来ました。
今日は来ていない小雪さんの話が興味深く、小雪さんはスケジュールの都合で(予算の都合で)別の人にしようとしていたところ本人が「この役は自分がしたいから何とかします」となったって話が良かったです。
指点字も実際に覚えて役に取り組んでいたそうで、良い感じでお母ちゃんになってましたね。
さて映画ですが、割と淡々と話が進んで行きます。
もうちょっと盛り上がるところが欲しかったですね。
泣くことは泣いたけど、号泣はしませんでした。
たとえ目が見えなくとも、たとえ耳が聞こえなくても、人の愛情は肌で感じ取ることが出来る。
福島智さんの自伝的作品。氏が幼少期の頃から視力、聴力を失ってゆく様を見せられるので見ているほうもかなり辛い内容。
氏自身の自伝は過去にも漫画化などされたらしいが、その中では聴力まで失われてゆく際には我を忘れて取り乱したりした描写があった。しかしご本人によると逆に取り乱したり、周りに不満をぶちまけたりすることはなかったようだ。ご本人曰く、そんな次元ではないほどのどん底だったということらしい。あまりの絶望から外へではなく、内に向かって行ったのだと。
彼の友人の「思索は君のためにある」という言葉通り、その性格が彼を救ったとも言える。
彼は言う。何故に自分はこんな目に合うのか、これはこんな境遇になった自分にしか出来ないことをやれということなのではと。これは物凄いポジティブシンキングだと思う。ある意味通常では耐えられない試練を逆転の発想でモチベーションとし、難関と言われる大学受験を成功させ、ついには全盲聾者で初の大学教授にまで上り詰めてしまう。米国タイムズ誌がアジアの英雄と讃えるのも至極当然。まさにピンチをチャンスに変えるとはこのことだろう。もちろん生半可な努力ではなしえないことではあるが。
そして本人の持ち前の性格に加えて何よりも彼を最後まで支援し続けた母の愛情、家族の絆、これらのどれか一つでも欠けたなら現在の氏の存在はなかったであろう。
命はそれのみでは完結しえない。花が受粉するには風や虫の介在無くしてはなしえないように。
桜の花が咲く頃、母とともに入学式へ向かう智。彼は間違いなく桜の美しさを風で感じ、海の潮の流れを感じている。そして、母の愛情も。
けして宇宙に一人放り出されたのではない。視力聴力を失ったからこそ得ることができたものもあったのではないだろうか。
いまやALSの国会議員が活躍するほどにまで一見バリアフリー化した日本ではあるが、反面まだまだネットによる心ない誹謗中傷も後を絶たないし、国会議員でさえ先頭切ってそのようなことを行っている現実がある。目が見えない、耳が聞こえない、それよりも深刻なのは心がないという障害ではなかろうか。
智を演じた田中偉登が福島さんのもとに通い、役作りに専念しただけあって素晴らしいものであり、他の役者陣も子役を含めて素晴らしかった。少々説明台詞が多いのはノイズだったが、総じて万人に見てもらいたい作品だった。
ちなみにPG12なのは何故だろう?
健康健常に心から感謝です🙏
年に一回くらい、期待を遥かに超える佳作に出会う事がある❤️
桜色の風が咲く、心が熱くなる本当に素晴らしい映画でした🙂
この作品を映画館で楽しめた事、平穏な日常、そして自分と家族の健康健常に、心から感謝感謝です🙏
勇気をもらえた、今年一番の映画!
勇気をもらえた、今年一番の映画でした。
目が見えない。
耳も聴こえない。
主人公の言葉を借りると、
「男版ヘレン・ケラー」の物語。
視覚と聴覚がまるっきり失われる恐怖。
世界にひとりぼっちでポツンと放り出された孤独。
その辛さは、想像するにあまりある。
けれど、父も母も優しい。
劇中では小雪演じる母親に目を奪われがちだが、吉沢悠演じる父親もステキだった。
息子が失明する直前、少しでも景色を目に焼き付けておこうと、家族5人で旅行に出かける。
主人公の智と同じように、サングラスを掛ける父。
なんでお父ちゃん、サングラスかけてん?
と無邪気に尋ねた智に、
なんでやろなーと優しく返す父。
息子の辛さを少しでも思いやろうととしたのだろう。
個人的に好きなシーンです。
母から指点字を教わり、
大学に進学し、
少しずつ変わっていく智の人生。
目が見えないとは、どういうことか。
耳が聞こえないとは、どういうことか。
先輩のアドバイスで内省を深め、
もう聾者になった自分にしかできない使命がある、という境地にたどり着く。
これが、ラストの吉野弘氏の「生命は」という詩に繋がる。
ぼくたちは足りないことに対して、いつも不平不満ばかりを言う。
けれど足りないことがあるから、お互いに補い合い、助け合って生きていける。
だから、足りないことを恥じたり、引け目を感じたりする必要もない。
世界の奥深さ、生きることの味わい深さを、
改めて教えてもらいました。
他人事?
劇中の「試練に耐えられる人に災難が降りかかる」というような趣旨のセリフは、確かによく聞く話だし、自分も誰かに使ったことがあるかも知れない…。
でも、それって、あくまでも第三者(他人)の意見なんだなぁ…と改めて認識したかも…。
軽々しく使ってはいけませんね。
色々な見方はあると思うけど、本人の努力や苦悩という言葉で片づけられないことがあり、家族はもちろん、周囲の協力があったんだろうなぁ…と思ったけど、正直、どこにも焦点が合っていないように感じた。
そして、そういう試練がない分、自分は幸せだ…と思ってしまい、結局は他人事なんだなぁ…と思った…。
ただただ、すごいなー、と。
実在の人物ゆえ現実離れしたお話はなし。と、いうか、眼も耳も不自由になり光も音もなくなったのに自分を奮いたたせる姿が自分だったら絶対無理、なうえに感動。家族あっての世界なんだろうな。泣けるけど幸せ感満杯。
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