「基礎が緩すぎて共感できる部分があまりない。」メイクアガール Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)
基礎が緩すぎて共感できる部分があまりない。
ベルばらと封切り日が同じでしたが、イロイロあってようやく鑑賞できました。
満を持して鑑賞したわけですが、イメージしていた内容と全く違い、コリャいかんという思いが冒頭から出てしまいました。こんなにも『生者(なまもの)』をアッサリと製造して良いのか?と言う疑問と、超一流の機械科学の研究が出来る頭脳なのに、ナゼ中学生みたいなロジック?という錯綜が冒頭から中盤までずっと頭の中に居座っていました。
ところが、そこから後のクラスメートとのアレコレや日常シーンを観てると、あ、そう言うことなのか?と気づきました。つまり『頭が良い≠賢い』と言うところから、中二ロジックだからこそ倫理観皆無で女の子造りましたー♪ 的な前半の展開なのかな?と。
あの『0号』ちゃんはロボじゃないですよね? 細胞から造ってるんですよね? そしてその元々はどっから入手? 生物の脳をAIみたくプログラムできるの? みたいな根本的なところが気になってしょうがなくて、そんな0号ちゃんもワリとイタい思考ロジックで‥‥
この辺り、ひょっとすると、何か重大な勘違いしてる? もしそうであればご勘弁を‥‥😂
そんな訳で、中盤以降は生身であるがゆえに当然のごとく自我があり、彼氏という設定の生みの親を束縛したかと思えば、拒否られてヘソを曲げてからの、終いニャ大暴走。そしてロボコップの頃からのお馴染みの展開が‥‥ この辺はイヤに人間っぽい?
ビジュアルも精密で綺麗だし、展開自体は画面を見る限り違和感がないので、何となく観てはいられるものの、後々になってドンドン疑問が湧いてきて、振り返ってみれば結構穴だらけな脚本だったなぁと。説明が足りないと言うか、結論ありきでソコに向かって強引に突っ走る展開が観ていて薄いし浅い。細かーいところにも粗があって、お話の創り方・シーンの設計があまり上手とは言えません。
黒幕の登場にはソコソコ意外性はあったものの、その根拠が科学者としてどうかと思うし、だからと言ってその暴挙に出る意味はあるのかと。そもそも一連の行為というか展開が、何の目的なのかも解らずじまい。ついでに母親との関係も何だか曇って見えにくかったし、義手の理由も不明で、イロイロ勘違いや見落としが懸念される程までに、全てに於いて中途半端な感が否めませんでした。90分という尺の制限があったせいかも知れませんが。
そう言えば、自分は最高のパフォーマンスを発揮した事がなく、せいぜい60点止まりで、平凡とも言えないレベルに小さく纏まってこの年齢に。人生を良くする努力は何もしなかったなぁと反省しても時既に遅しです。
当然の評価かな?
元々短編のMVみたいなアニメを作っていた人が全部ひとりでこさえた作品らしいので他者視点からの推考がなされてないから、勢いで作ったアラが大量にあるんですな。
作ったこと自体は素直にスゴイと思う。
同じくライブ感覚(勢い)で作られたエヴァンゲリオンでも大量のスタッフが関わっているにもかかわらず、矛盾やアラはいくつも有りましたから一人でやったならいわんや、と言うことでしょう。
「小説家になろう」によくある、突っ込みどころ満載の作品(でもなぜか大人気)みたいなものかと。
新海誠監督が絶賛してるらしいけどあの人の作品も結合アレなところがいっぱいあるからな(笑)。