大名倒産のレビュー・感想・評価
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押し付けられプリンスの大逆転!
Amazon Prime Videoで鑑賞(レンタル)。
原作は未読(現在積読状態)。
最近流行りの、ライトなつくり且つお金を題材にしている時代劇。コメディーだから観易くて、時代劇を敬遠しがちな若い世代にも楽しんでもらえる作品ではないかなと思いました。
借金まみれの藩を救うため、巻き込まれた小四郎が仲間とあの手この手で奮闘する姿がコミカルでめちゃくちゃ面白い。
セリフが現代風なのが気になったものの、コメディーなんだからいいじゃないかと割り切って観ると楽しめました。
小四郎の頑張りに皆が団結していく様にカタルシスがあったし、前藩主との対決の中で成長していく小四郎も見どころ。
敵の悪事を暴くクライマックス、なんだか「半沢直樹」みたいだなと思ったら、脚本家が同じ方で納得しました。
大借金からの大逆転、教えます
『殿、利息でござる!』や『引っ越し大名!』など従来とは違った類いの時代劇。お金や奇策で藩を救うとか、現代感覚を取り入れ、なかなか面白味ある。
本作もその系統。
最初の10分は別の映画を見ているのかと。
確か若君が財政難の藩を救うという先述の作品と似たような話と思ったのに、塩鮭作りの役人の話…?
勿論これは前置きで、後々“収入源”になる。
越後丹生山藩。鮭役人の息子として平穏に暮らしていた小四郎に、ある日突然驚きの出生。
徳川の血を継ぎ、藩主の跡継ぎである事が分かる。
現藩主の一狐斎が奉公の娘(母・なつ)を孕ませて産まれたのが小四郎。
一狐斎は隠居。息子が三人いるが、長兄は死去、次男はうつけ者、三男は病弱。そこで小四郎が次の藩主に。
つまり、単なる一庶民から殿様に…!
ワォ!大出世!シンデレラ・ストーリー!
…と喜んでいる暇も無かった。
藩には莫大な借金。その額、25万両。現在の額にして、何と100億円…!
オーマイガー…。大借金を抱える極貧藩の殿様になってしもうた…。
勿論何とかしなければいけない。しかし、何の策も思い付かない。頭を抱える小四郎に、一狐斎がある提案を。それは…
“大名倒産”。借金返済当日に、藩主が藩の倒産を宣言し、踏み倒して幕府に肩代わり。
要は自己破産なのだが、それで救われる者もいる。
唯一の策のように思えるが、からくりあり。
救われるのは、藩の一部の者。所謂お偉いさんだけ。
大名倒産は決して幕府に知られてはいけない。もし知られたら、藩主は腹を切って全責任を負う。
実は大名倒産も借金背負った藩の責任も、一狐斎が小四郎に押し付け。
大借金に切腹…。この大ピンチを小四郎はどう切り抜けるのか…?
藩の借金返済大作戦。
武具など不用なものは売る。この時の小四郎の台詞が良かったね。武器など持っているから戦をするんです。
売れるものは何でも売る。殿の“アレ”を肥やしとしてまで。今で言う“リサイクル”。
必要なものは借りる。共有する。今で言う“サブスクリプション”。
別に暮らす異母兄二人と一つの屋敷で暮らす。今で言う“シェアハウス”。
参勤交代。豪勢な宿場に止まるんじゃなく、野宿。テントを張って、食事も自分たちで採って作って、今で言う“キャンプ”。
あの手この手、色々策を巡らしての節約。
我々現代人も見習わなければならないが、やってる事は割とあるある。『殿、利息でござる!』や『引っ越し大名!』のような時代劇×現代感覚の目から鱗となるものにはちと欠けた。
序盤はかなりコメディ調。ドタバタ。ヘンな効果音や漫画チックな説明シーンなどで、何だかまるでただ現代人がやってる時代劇コントにしか見えなかった。
時代劇初となる売れっ子の前田哲監督だが、合わない…?
しかし、見ていく内に持ち直してきた。
目から鱗の財政立て直し物語というより、これもれっきとした人情時代劇。
ピンチを乗り越えるのはやはり、庶民ならではの知恵、仲間の存在、上に立つ者の良心。
庶民から殿様になって、てんやわんや。
大借金にええ~っ…。切腹にええ~っ!
家臣たちにも敬語やさん付けで話し、藩主としての威厳はまるでナシ。
だけど、人の心が分かる。思いやる。
当初は嫌々だったかもしれないが、次第に藩を救う為、必死になる。実父と対立してまで。
育ての父の塩鮭の味を忘れない。価値観は庶民目線。
生きていれば誰かの役に立つ。亡くなった母の教え。
そんな心優しい庶民派殿様。応援したくなってくるし、こんな上司に付いていきたくなる。
時々オーバーリアクションが目立つが、神木隆之介が好演。
そんな殿様を支えるは、仲間や家臣たち。小四郎も彼らを信頼する。
節約術や庶民の知恵。“能なし侍”に食って掛かり、あらゆる場面で小四郎を叱咤激励して支える幼馴染み。杉咲花に萌える。
次男・松ケンのおバカ演技、石橋蓮司の安定の黒幕、梶原善の大・中・少…。周りもユニーク。じんわりする小日向父と宮﨑母。中でも印象残ったのは、
小四郎の世話役。忠誠尽くすように常に控えるが、実は一狐斎ら側の監視役。が、小四郎の側にいる内に、板挟み…。切腹バカでもあるけど、忠義深い平八郎を、浅野忠信が好助演。
で、今回の一件に深く関わっている前藩主の一狐斎。腹黒さ、憎々しさ見せつつも、若い頃は小四郎のように理想に燃えていたが、いつしか見失い…。何処か悲哀も滲ませ、終盤思わぬ見せ場。ただの嫌な役所だけではない佐藤浩市のいつもながらの存在感。
必死に藩立て直しに奔走する小四郎。
その姿を見て、当初は見放していた家臣たちも協力。
異母兄たちもいい兄で良かった。
皆で藩を救う。いいね、この一体感。
参勤交代で育った丹生山藩へ。村や家は荒廃していた。
育ての父も塩鮭作りを辞めていた。収入になどならぬと幕府からお達しで、力仕事に従事させられていた。
またこの父の日本一の塩鮭を。丹生山のみならず、江戸にまで味わって貰いたい。
それが藩を救う事になる。民を救う事になる。
でも、どうすれば…?
こちらも板挟みの勘定方が持っていた帳簿を調べ、藩の大借金の原因を掴む。
藩の借金の大半を貸し付けている“天元屋”。橋工事の費用500両を5000両と偽り、その“中抜き”を着服。そうして膨れに膨れ上がった借金。
全ては、一狐斎と幕府の老中首座と天元屋の癒着。
これを暴露。後は証拠を掴むだけ。が、その証拠が無い。
遂に借金返済当日。若き藩主が藩を救う、絶対に負けられない“戦”に挑む…!
証拠が突然“投げ込まれた”。それを知らせたのは…。
思わぬ裏切り。こちらにとって絶体絶命ではなく、まさかの協力。小四郎の真っ直ぐな姿が“父”を動かした。
証拠品、節約金、一狐斎の老後の資金(←ここ、痛快!)で、占めて25万両。借金返済!
これにて一件落着…とはならず。借金が無くなっただけで、これからの藩の収入源は…?
そう、お察しの通り。
あの塩鮭、食べてみたい。
節約や強いてはSDGs。時代劇から学べる現代を生きるヒント。
人情時代劇であり、勧善懲悪時代劇。
最後は晴れ晴れと。
若き藩主と仲間たちの大逆転。見事ハッピーエンド…いや、
これにて一件落着!
人情喜劇
原作読者です。
原作とは別物です。原因も結末も違います。
ただ、上下巻にわたる原作を2時間にまとめるなら仕方ないかなとも思います。
比留間伝蔵好きだったので少し残念です。三石研さんとかで出て欲しかったな
あと、老中の若妻達の蔵入り金差し出しもできれば映像で見たかった。
水売りの要素を無理矢理残したところで、出ないことと、最低限原作要素を残したいところを感じました。
ハリーポッターで無理やり縮めることに慣れ、原作と別物として楽しむ様に心がけているので、始まって数分で別物として見ました。
勧善懲悪がしっかりしていて、2時間にまとめるのにちょうどいい登場人物数で、十分楽しめました。
役者は豪華と言っていいのでは?ただ、大御所が悪役感だして出てくると黒幕だなとすぐ察してしまいますね。
つまらん
決して「つくり」は悪くない。
他のレビュアー諸氏も指摘するとおり、本作は決して「魂を打ち震わせる感動巨編」という訳ではありませんが、数多く公開される映画の中には、本作のように「安心して観ていられる」作品も、何本かは含まれていてほしいものです。個人的にも、こういう作品も、決して嫌いではありません。評論子は。
(公開される映画の全部が全部「魂を打ち震わせるような感動巨編」だったりしたら、疲れて疲れて、とても映画なんか観ていられない。)
そういうことでは、決して「下らない」とか「駄作」とかの評価が当たる一本ではなかったと思います。
まず、キャストの面でも、梶原善の演技が光っていたように思います。
むろん、石橋蓮司や佐藤浩市の「悪さ」は堂に入ったものであることは言うまでもないところですが、それに添えられた「小悪役」とでもいうべきなのか。
彼の色彩なくしては、本作は語れないようにも思います。いい味を出していたと思います。映画は、決して主役だけで成り立っているものでないことを、改めて実感します。
次に、「単なる綺麗事だ」と言われてしまえばそれまでなのかも知れませんが、それでも、為政者としては、「小の虫を殺して大の虫を活かす」ということではなくて、「大の虫を活かすだけでなく、小の虫も活かす」という方策を探ってもらいたいところです、本作のように。
そういう点では、小四郎のリーダーシップは、刮目すべきではないかと思います。
現実の世界では、こうは、なかなかコトが運ばないからこそ(?)、映画の世界くらいは、こうあって欲しいものだという見方にも、一理はあると思います。
そんな、あれやこれやで、娯楽映画ということでは、決して「つくり」の悪い一本ではなかったと思います。評論子は。
(追記)
そこまでの製作意図があったかどうかは、作品からは直接には窺うことができませんでしたけれども。
「お気楽に観ることのできる」(失礼!)本作は、実は「逆境にあっても、ユーモアを忘れてはいけない」ということを教えてくれているのだとすれば、それはそれで、とても素晴らしいことだと思いました。
放屁三昧ってなんだよ・・・
2023年映画館鑑賞38作品目
7月17日(月)イオンシネマ新利府
ハッピーマンデー1100円
原作は『鉄道員(ぽっぽや)』『壬生義士伝』『憑神』『柘榴坂の仇討』『王妃の館』の浅田次郎
監督は『パコダテ人』『パローレ』『ブタがいた教室』『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』『老後の資金がありません!』『そして、バトンは渡された』『ロストケア』『水は海に向かって流れる』の前田哲
脚本は『陽気なギャングが地球を回す』『七つの会議』の丑尾健太郎と『僕らの七日間戦争』の稲葉一広
鮭役人の息子として育った主人公がいきなり藩主になる話
藩は莫大な借金を抱え改易のピンチ
先代の方針で藩を倒産させることなったが考えを改めた藩主小四郎は借金返済に邁進する
節約も俺たちの戦だ
どこかで聞いた話だ
最近の時代劇で似たような話がよくある
時代のニーズで求められているんだろう
片岡千恵蔵や中村錦之助や大川橋蔵がそんな役をやっているのを観たことがない
浅田次郎原作で前田哲監督なら面白くないわけがない
少なくとも星3以上は確定
もう30過ぎだが神木隆之介がかわいい
敵を欺くにはまず味方から
先代はとんだ狸だ
2人の兄も仮病とみて間違いない
小手は気の弱い役がよく似合っている
大膳に中膳と小膳というそっくりな弟がいる
おそらく映画オリジナルの設定だと思うが完全にすべっていた
勝村とキムラはキャラが立っていた
キムラが演じた役は豪商だがあれじゃどう見ても花魁だ
わりと天然なところがあるからなキムラ緑子さん
高田延彦は見てられない
俳優業はやめた方がいい
ヒコロヒーは時代劇だとますます薄くなる
左平次の妻を演じたのがヒコロヒーだとわからなかった
本編が始まる前にエンドロールのあとにラストシーンがあるというお知らせがあった
これが当たり前になってくれると助かる
配役
先代藩主一狐斎の四男で鮭役人の息子から越後丹生山藩の藩主になった松平小四郎に神木隆之介
小四郎の幼馴染で江戸で再会したのちは藩主になった小四郎を助けるさよに杉咲花
一狐斎の次男でうつけだが庭づくりが得意な松平新次郎に松山ケンイチ
鮭役人で小四郎の育ての親の間垣作兵衛に小日向文世
丹生山藩勘定方の橋爪左平次に小手伸也
一狐斎の三男で病弱な松平喜三郎に桜田通
農家から城に奉公し藩主の子を身籠り間垣と結婚し流行病で夭折する小四郎の母のなつに宮﨑あおい
大阪の豪商・天元屋の女主人タツにキムラ緑子
丹生山藩家老の天野大膳に梶原善
江戸幕府老中の板倉周防守に勝村政信
江戸幕府老中の仁科摂津守に石橋蓮司
お初の父で幕府旗本大番頭の小池越中守に髙田延彦
新次郎と結婚するお初に藤間爽子
小四郎の家臣の白田新左エ門にカトウシンスケ
小四郎の家臣の黒田市ノ進に秋谷郁甫
火付盗賊改方長官として江戸を守る長谷川式部に近藤良平
左平次の妻の橋爪しのにヒコロヒー
藩主小四郎の教育係を務める磯貝平八郎に浅野忠信
丹生山藩先代藩主で隠居の身となり多趣味の生活を楽しむ一狐斎に佐藤浩市
あと日本海側の越後から船で海を渡って江戸ってちょっと大変な気がするが
京都の舞鶴なら比較的行きやすいが
越後から江戸に川が流れてるわけではなくわりと違和感を感じる
現代版にリメイクしても面白くなりそうな邦画。 本年度ベスト!
鑑賞中、何故か現代版にしたらメッチャ面白くなりそうと思いながらの鑑賞(笑)
やってる悪事は今の時代と同じ。
本作はコメディ仕上げだったけど、シリアスな現代版にリメイクしたら、更に面白くなりそうなりそうな作品だった印象。
神木隆之介さん演じる小四郎が突然、主藩になり100億円の借金がある事が発覚。
借金100億円を工面するストーリーと思いきや、借金の原因を究明して行感じ。
計画倒産により藩の借金を帳消しにする思惑の中、小四郎がある理由により倒産を免れる為、奮闘して行く展開。
藩主となった小四郎が最初は弱気な感じが可笑しくも情けない。
神木さんの顔の演技が上手い(笑)
周りの仲間の協力もあり徐々に頼もしくなって行く感じ。
色々と先が読める展開の連続なんだけど、思った以上に面白い!
杉咲花さん目当てもあったけど、本作のダークホースは松山ケンイチさん。
彼のファンの方には本作の鑑賞はお勧め出来ません(笑)
上映時間は2時間。
この手の作品としては長目な感じもしたけど飽きる事無く鑑賞出来た。
上映直後「本作のラストはエンドロール後に」みたいな字幕に期待値上がる。
終わってみれば消化不良感が少し残念でした( ´∀`)
現下の朝ドラと似た組み合わせと、自殺回避への願い
テンポ悪く盛り上がりに欠ける
江戸時代とは言わないが
かなりライトだった。
時代設定は江戸時代後期なんだけど、登場人物全てがコメディ作品を作ることを真面目に取り組んだ作品。
予告編からもコメディ感はすごく感じられたんだけど、そのままのテイストで作られてた。けどかなり時代背景などこじつけが強く引っかかると言えばその感は否めない。
登場人物もかなりクセが強く演じてるので、もう少し突き抜けた笑いがあっても良かったんじゃないかと。なので江戸時代とは言わないが昔の笑いの様に感じた。
時代劇風味のエンタメ映画
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