エンパイア・オブ・ライトのレビュー・感想・評価
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オリヴィアコールマンの使い捨て映画
彼女の演技のいいとこだけ物語に利用したような映画でした。
開始十分くらいは良かったんだけど
本当に途中ひどかった
てか最後まで酷いんだけど。
何ていうかヒラリーが統合失調症じゃないなら分かる話なんだよ。
ある少年が映画館で過ごした青春、みたいな。
でもこれってヒラリーの話なんでしょ?
彼女の心の内に入り込まずに、
どうしてスティーブのことばかりなわけ?
彼にとって都合のいい存在だっただけでは?
結局、彼女はまた男に愛を持ってかれた訳だよね?
統合失調症にすることで、オリヴィアコールマンの
演技の見せ所だけ持ってって、
他の部分の穴埋めは全然できてないように思えた。
もちろん彼女の演技はもうそれはそれは素晴らしく、
ステージに上がっちゃうシーンも、
舞台ばりに声を張り上げるシーンも、
大きな音に心臓を縮ませるシーンもどれも凄かったし、
彼女の笑顔に何度も恋をしているような気分になる
とにかくもっとオリヴィアコールマンの演技が見たい。。
マギーギレンホールの『ロスト・ドーター』は彼女を
大切に描いているような印象があったんだけど、
今作にはそれが全くなかった。
だからという訳じゃないが、女性の映像作家が描く彼女が見たいよ。
映画技師の使い方も雑だったし、
映画へのリスペクトに欠ける気さえした。
2月も残すところ『アラビアンナイト』と
『逆転のトライアングル』のみ。
こちらに期待!!
メインテーマはどれだ
2023年劇場鑑賞43本目。
中年女性と若い黒人の恋って一本前にも観たな・・・あっちは見た目だけでしたが。
映画館を舞台に「炎のランナー」とか「レイジング・ブル」が公開された頃の時代を描いた作品。
とはいえ「バビロン」ほど映画事情に特化したわけでもなく、黒人差別がメインというわけでもなく、恋の話かと思ったらヒロインがああいう状態になってしまってそれどころでもなく、色んな要素てんこもりと言えば聞こえはいいですが、どれも中途半端になってしまったな、という印象でした。
スクリーンに映る光のその先へ
ため息が出るほどの映画的な映像美とはこのことか。映画館に、劇場に灯りが点る冒頭のシーンで私はすっかり本作の世界に魅了されてしまった。
「理想と現実」これこそがサム·メンデスが一貫して描いているテーマではないだろうか。映画館で映画を観るという行為は暗闇に照らされた光を見つめるというということであり、その光に観客は希望を見出だすことができる。しかし、本作では光を放つ映写機の後ろにも焦点を当てる。
本作で映し出される乾いた世界は理想とは異なる厳しいものがある。差別や偏見、理不尽な世界に身を置きながらも自分が壊れないように擦り合わせていかなければならない。しかし、そんな現実だからこそ、私たちは暗闇に光を求めるのではないだろうか。映画を観る2時間、3時間という限られた時間でも私たちは別の世界に入り込み、現実を見つめ直す。ヒラリーがスクリーンに身を委ねる後半のワンシーンは正に本作のハイライトであろう。
1つの作品に複数のテーマを詰めすぎた印象もあるが、映画が私たちの人生を豊かにするのにいかに大きな役割を担っているのかを本作は静かに物語る。ある人にとっては凡作と思える映画でも、ある人にとっては人生を変えることもある。暗闇に映る光に満足するか、スクリーンの先に光を見出だすか?
美しいラストシーンも見事だが、映写技師を演じるトビー·ジョーンズの存在感が実に素晴らしい。理想と現実を否定も肯定もせず、それでいて、物語を前に進めるサム·メンデスの手腕は本作でも健在だ。
オリヴィアさんの圧倒的演技と美しい映像が素晴らしい作品
ストーリー自体はテーマが定まっておらず、欲張りすぎてとっ散らかってしまったという印象
サム・メンデス監督が初めて単独で脚本を挙げたものだから、上手く纏めきれず、こんな出来上がりになってしまったんだと思います
でも、
オリヴィア・コールマンさん演じる主人公ヒラリーの演技は圧倒的、
メンタルでヤられ職場復帰、上司から強要される性的関係に耐える不毛な日々が、マイケル・ウォードさん演じる青年スティーヴンとの出会いによって大きく変わり、心救われていくが・・・という繊細で複雑、時に鬱積を爆発させる見事な演技でした
そして映像も素晴らしかったです
1980年代初頭、イギリスの海辺に佇むクラシックな映画館"エンパイア劇場"が主な舞台、真っ赤な絨毯と広々としたエントランス、劇場内も古くから伝わるオペラ劇場の様に天井が高く、広くてものすごい数の客席、内装はエントランスと同様に赤が基調でとてもゴージャス、こんな劇場で観る映画はまた格別でしょうね、一度でいいから経験してみたいものです
劇中、「炎のランナー」のプレミア上映会があったり、「チャンプ」が上映されたり、壁には「エレファントマン」のポスターが貼ってあったり、
さらに「ニューシネマ・パラダイス」を思い出させる映写室でのくだりもよかった
と、作り手の映画愛で溢れた雰囲気抜群のシーンが全編にちりばめてられています
一番印象に残ったのは前半、ヒラリーとスティーヴンがエンパイア劇場の屋上に上がって見るニューイヤー花火のシーン、また心に残る美しい名シーンが誕生しました
と、これらを観るだけでも一見の価値がある作品には仕上がってます
が、冒頭で記載したとおり、
・世代や人種を超えた切ないラブストーリー
・当時のイギリスでの深刻な人種差別問題
・古きよき時代への懐古
のぶっ混み鍋じゃなくて、いづれかを深掘りして向き合った方がより良い作品になったんじゃないかと思います
ところで‼️❓肝心の心の闇はなんだろう‼️❓
イギリスの黒人差別であるとか、地元の実情だとか、映画愛なんかは痛いほどわかる。
でも、ヒロインの心の闇がとんと響いてこない。
統合なんたらとか言われてたけど明らかに違うし、鬱でも無さそうだし、原因が良くわからない、とゆうか描かれてない、これほど名演技なのに。
五十過ぎの女がじじいだけで無く、若いイケメンの黒人と性交する魅力と必然性を表現出来なければ、意味がないただのエログロシーンの連続でしかない。
脚本、演出が最低。
主人公の演技と撮影が最高。
それが痛いほどわかる映画🎞🎟🎬🎦
映画好きなら、映画中の映画の使われ方、チャンスのピーターセラーズが絶妙。
眺める映画、を、どうぞ。
ヤるか、ヤられるか
話題作多めの23日公開の中で今作は尺的にも短いですし、映画館を舞台にした作品は面白いだろうという感じでざっくりとしたあらすじだけ読んで鑑賞。
まぁ…面白くはなかったです…。心に来る人には来るんだろうなと思いましたが、1から10まで乗れない映画は久しぶりでした。
80年代のイギリスを舞台にして、人種差別が色濃く残っている背景のもとに物語は進行していきますが、どうにも人種を大々的にテーマに押し出す作品は苦手で、暴動で殴る蹴るされますが、現代ではある程度解消されている問題をわざわざ映画で焚き付けなくても…と思ってしまいました。それを除いても映画館の良さがあるようには思えず、日本とは微妙に違うスタイルの映画館だったのも地味に共感できなかったです。クソみたいな常連が面倒というのはめちゃくちゃ共感しましたが笑
性行為のシーンも無駄に多かったのがノイズになっていました。支配人のすけべジジイがしょっちゅうそういう行為に事を運びますし、ヒラリーがスティーヴンにそういう行為を持ちかけるシーンも結構な頻度で挟まれるので観ていて気持ちの良いものではありませんでした。
ヒラリーが情緒不安定な行動を取るのも痛々しかったです。突然キレ散らかしたり、あやふやな行動をしたり、プレミア上映の挨拶を勝手に行ったり、助けに来たスティーヴンを邪険に扱ったり、また発狂したり、発言もぶっきらぼうなものが多かったりと、彼女が登場する後半のシーンは観ていてキツいものがありました。
良いところはロケーションの美しさ。海岸だったり年越しの瞬間の花火だったり、映像の美しさが滲み出ていました。
イニシェリン島が個人的にヒットしたので、今年のアカデミー関連作品とは相性が良いなと思っていましたが、エブエブと今作が見事に空振ったので不安は増していくばかりです。なんとか期待通りの面白さがある作品を…。
鑑賞日 2/24
鑑賞時間 12:20〜14:30
座席 H-4
重苦しくて胃もたれする物語も、最後にはスッキリ消化
コリン・ファース演じる劇場支配人にムカムカするやら、精神が不安定な状態に陥ったヒラリーにヤキモキするというかハラハラしたりして相当なカロリーが要求される。
暴徒化した白人の若者が劇場になだれ込んで、黒人であるスティーブンを襲いだすシーンに至っては、目を背けたくなる。
ヒラリーとスティーブンのロマンスには、明らかな障壁が立ちはだかる。黒人男性と白人女性という組み合わせだけでも、ケント州の港町では目立ってしまうし、親子ほども年が違う青年と中年女性という属性も加わって、誰もが違和感を感じてしまう。この違和感が、終盤への伏線になる。
オリヴィア・コールマンの存在感は圧倒的で、迷惑なお客も笑顔で上手くあしらう劇場主任を演じたかと思えば、スティーブンの前で少女のように恥じらってみせる。
胸がすくような堂々とした態度を見せた後には、自己嫌悪に陥って自暴自棄で、虚な表情になる。
重苦しくて胃もたれがする物語ではあるが、スッキリと消化できるラストが待ってますよ。
映画館が舞台なんですから。
おばちゃんを癒したものは
傷心のおばちゃんを癒したものは、仲間との交流だったり映画を見ることだったりしたんだよね。もぅさ、特別出演のキングスゲス不倫マンもいなくなったことだし、スティーブンが帰郷するまでみんなでドンチャン騒ぎして、こっそり上映会でもやればいいよ
温かい眼差し
とても素晴らしかった。
サムメンデス×ロジャーディーキンスという組み合わせでワクワクしないわけがない。
という観に行かない理由がない。
ド派手な事は何も起きないが大きなスクリーンを映えさせる撮影。本当にすごい。
そして何より、温かい。作品もキャストも演技も。
病気、性別、人種、年齢全ての壁を壊して平らに描く作り手の視線が優しく温かい。
暖色の光も印象的で意図を感じた。
何度でもやり直せる。再生をテーマにした名作だと思いました。
命が宿る幻影
1980年イギリスはマーゲイトという町の映画館「エンパイアシアター」で働く従業員の苦悩と過去の話。
どうやら精神的に病んでいる様子の統括マネージャーのヒラリーと、新しくやって来た建築家になりたかった黒人青年スティーブンが交流を深めていくストーリー。
クソ支配人や気配りが出来る優男、パンキッシュなお姉さんに映画を愛する映写技師等々に囲まれつつも、ほぼほぼ2人のエピソードを展開していくけれど、う~ん…親子程も年の差がある2人ですからねぇ。
多様性を強調するというよりも、所謂恋愛映画になるのを嫌ってのこの設定なんでしょうかねぇ。ルビーの存在もあることだし。
この時代では弱者であり、虐げられたり蔑視されたり同情という名の哀れみの目でみられたりする立場の2人が、途中ちょっと近くなり過ぎた感は否めないしどうなっちゃうのかと思ったけれど、ちょっと寂しく前向きで爽やかな物語になっていてなかなか面白かった。
オリビアコールマンはさすがに圧巻。
炎のランナーや未知との遭遇の時代にはまだこんなにも強烈な人種差別とかの問題があったんだなー、と。平等とかまだまだ叫びは必要だけど…。ほんの少しの思いやりがあるだけでかわるのにねー。
懐かしいあの時代のイギリス ストーリーとしては もう一捻りはっきり...
懐かしいあの時代のイギリス
ストーリーとしては
もう一捻りはっきりしたものが欲しいが
このくらいの感じがより現実っぽいのかもしれない
あの頃、どこのケーキ屋さんでも
サッチャーって名前の
チョコレートコーティングのケーキがあったけど、
今もあるのかな?
サム・メンデスが監督、ロジャー・ディーキンス先生が撮影監督というこ...
サム・メンデスが監督、ロジャー・ディーキンス先生が撮影監督ということ以外情報あまり入れていかなかったので、映画館を舞台にした映画愛映画かと思ってたらラブストーリーかと思ったら精神疾患を扱い人種差別も扱う社会的なところもと、よくいえば一筋縄でいかない、悪くいえばどれも中途半端に終わってしまったような印象。
ロジャー・ディーキンス先生はいつも通り素晴らしいのですが、流石にアカデミー賞ノミネートし過ぎではないでしょうか。今回はノミニーの座はクラウディオ・ミランダに譲っても良かったのではないでしょうか(『トップガン マーヴェリック』の撮影監督、受賞経験あるけど)。
自分的にはとてもハマる作品でした。が‥
これはもう、僕と同じ世代で、
ある程度映画をご存知な方にはとても共感できる作品ではないでしょうか。
裏を返せば、どなたにもおすすめできる作品ではない‥とも思います。
映画、映画館、差別、心の闇、職場の仲間を扱っている作品です。
派手な見せ場は全くなく、地味なヒューマンドラマです。
差別の問題も性差別は少しは分かるつもりでいますが、
日本で生まれ育ってそのまま日本で一生を終わろうとしている自分には
肌の色の差別は本当に知識だけしかなくて。
実感としては全く無いので共感することは不可能です。
想像の域を出ません。
日本人でも海外での生活体験があれば違った印象になってくると思います。
幸か不幸か‥
戦争経験がない時代、人種差別も自分の周りには無かった。
高度経済成長期に生まれ育ち、
もはや、現役を引退して終活期に差し掛かった自分は
映画を通して人生を学ぶことが多かったと思います。
とても幸せなことだったと思います。
それ故にこの作品は自分にはとても心にしみる作品です。
縁があって劇場で観れて良かったです。
たまたまポップコーン食べながら観て
とても良かったです。
映画が好き
映画館で観るのが好き
80年前後の作品がある程度は分かる
ある程度人生経験を重ねた
そういう方には
心に響くものがある作品です。
素敵な作品です。
ベテラン勢が人生を振り返って
しみじみするような作品です。
NOと言える人生を!
人の弱さ切なささらに下心が乱気流のように入り乱れ簡単には割りきれない心情が伝わってくる。
ほんの癒しや僅かな希望が訪れたり去っていったり、そんな人生や映画に何を見いだすかで素晴らしさはいくらでも倍増する。
海とブルドッグ
絵画のように緻密な構図。俳優たちの見事な演技。完璧すぎて睡魔が襲いました(←褒めてます)。サム・メンデス監督、「007」以降はダメになっちゃうのかと思っていましたが、「海」の映像に懐かしの「ロード・トゥ・パーディション」を想い起こすことが出来て嬉しかったです。ブルドッグに似ている映写技師役の俳優さんが良い味を出していました。映画の味の決め手は脇役ですね。
思ってたより社会派
始めはゆったりと劇場のお仕事を観せて、懐かしくて良い劇場だなぁ、学生時代に東銀座の松竹セントラルが好きだったなぁと思い出していたのも束の間、支配人登場で、そんな映画じゃない事を悟る。
コリン・ファースはずっと善サイドのイメージだったから、新たな一面を見た感じ。
80年代初頭のファッションやカルチャーなどを盛り込みつつ、人種問題や心の問題など雲行きが変わっていく。なるほど支配人との事も合点がいった。
しかしながら、ピアノのみの穏やかな音楽のおかげか、さほどヘビーさは感じない。
この音楽好き。
後半は映画館を舞台にした映画にはありがちなベタ演出にちょっとホッとした。
なんか面白い映画だったなぁと思っていたら、エンドクレジットで、そうだった、監督はサム・メンデスだった。
そりゃただの良い映画ではないはずだ。
オリビア・コールマンとマイケル・ウォードが良かった
映画は光と闇の繰り返しだけど人間の目には闇が見えない。だから光の連続で映画を見ることができる。映画館以外の世界も本当はそうかも知れない。光を十分に楽しまずに闇を引っ張り出して、分ける、線を引く、区別する、上と下を決める。それが人間の無知によって憎悪にまでなる。男と女、黒と白、若いと若くない、健康と健康でない、全部あれかこれかでなくてグラデーションでしかないのに。
美しい映像とカメラアングルと海とオリビア・コールマンの豊かな表情と笑顔と台詞が共生の美しさと優しさと幸福感を味あわせてくれた。ヘアメイクも凝ってた。プレミア上映の時にいきなりステージに駆け上がったヒラリー(コールマン)、ブルーのドレスの後ろのファスナーが開いていたり、スピーチする彼女の歯に赤いルージュがついていて、ハイになってる様子が手に取るようにわかる。
マイケル・ウォード、品があって可愛らしくて良かった。これから楽しみ。
80年代が今、流行ってるのかな。
おまけ
こういう映画を見ると、もう死んでしまった年上の友達とこういった映画についてお喋りできないのが堪らなく悲しい
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