劇場公開日 2023年2月23日

「意外だったり、さもありなんと思ったり、」エンパイア・オブ・ライト TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0意外だったり、さもありなんと思ったり、

2023年2月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

さて、アカデミー賞の発表も近づいてきましたが、本作も「ノミネートされている作品」として鑑賞に臨み、観終わって感じたのは「あぁ、サム・メンデスに監督賞獲ってほしい」と言う想い。映画のレビューもそこをとっかかりに書き始めようと思いながら帰宅し、改めてノミネーションをチェックしたところ、なんと該当は「撮影賞」だけ。「そんなアホな」と思ったので結局レビューのとっかかりはこうなりましたw
まぁそうですよね、サーチライト・ピクチャーズは『イニシェリン島の精霊』があるわけで、そちらに比重が大きくなるのは納得しますが、でもはっきり言いますが『エンパイア・オブ・ライト』素晴らしいです。ディズニープラスでの配信を待つという判断に異は唱えませんが、押さざる得ない気持ちも捨てきれません。
特に近年において「この人が出演なら取り敢えず観ておかなきゃ」と思わせるオリビア・コールマンは今回も間違いありません。お決まりの「何とも言えない表情」はヒラリーと言う役が最早「オリビアに当て書されたとしか思えない」と思い、「あれ?まさか??」と思って念のため調べたらなんとサム・メンデス、オリビアに当て書きしたらしいw要するに、私も自分で思っている以上にオリビアが好きなのでしょう。今作でも素晴らしいです。
そして、そのオリビアにも引けを取らないほどの素晴らしい演技で魅了してくれたのが、スティーヴン役のマイケル・ウォード。彼の出演作品は初めてでしたが「よくぞキャスティングしてくれた」と思える説得力ある演技。ヒラリーという先進的で鋭く、そして正しく当たり前であるべき感受性の持ち主が停滞しそうになるのを、常にけん引しつつ、そしてお互いが素直になれる相手として大事に思い合う姿はグッときます。
コロナの反動や時代感を意識している感の強いアカデミー賞ノミネーション、という印象がありますが、むしろ実力があるのに取りこぼされたと思えるほど、大切に思える作品でした。

TWDera