「生涯の映画と出会った」エンパイア・オブ・ライト エロくそチキン2さんの映画レビュー(感想・評価)
生涯の映画と出会った
大切な作品になった。
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パワハラ、セクハラ、人種差別、暴力、、失業、貧困、移民排斥、、クソのような社会で、クソのような人生をやり過ごす。
たとえ束の間でも触れ合える人がいたら、別の世界に誘ってくれる映画があったなら、、
そう、ここに在るのは一縷の希望、そして映画、、
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1980年代初頭、イギリスの南東部に位置する海辺の町・マーゲイト、そして浜辺に面した映画館・エンパイア劇場。
「ブルース・ブラザース」、「エレファント・マン」、「9時から5時まで」、「レイジング・ブル」、、そして「炎のランナー」。
自分にとっては東京時代の後半戦に入った頃かな。
間違いなく人生で一番映画を観ていた。
今思えば映画の中で生きていたような。
映画に生かされていたような。
ハル・アシュビーの「チャンス(Being There)」に嗚咽を漏らした。主人公のヒラリーが映画で救われるのではとマジで思った。
何にもないクソのような毎日だったけど何とか生きられた自分と重ねた。これは自分の映画だった。
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イギリスと日本、こんなに遠く離れているのに、サム・メンデスと同じ時に同じ映画を観ていたことを知った。これも映画の奇跡。
そしてオリビア・コールマン。
激情があった。
自分との境い目が分からなくなった。
忘れられない人になった。
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