劇場公開日 2023年2月23日

「救い・救われ、ヒトは再生するものなのだなぁ」エンパイア・オブ・ライト ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0救い・救われ、ヒトは再生するものなのだなぁ

2023年2月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

鑑賞中は「この作品、何をテーマに描いているのだ?」と???マークが点灯し続け、頭の中に浮かぶのは映写技師の姿が最近観た「エンドロールのつづき」同様だったので、映画愛に溢れる作品なのだな、程度の感慨だった。
しかし、見終えてからしばし考えるに、これはオリビア・コールマン演じるヒラリーとマイケル・ウォード演じるスティーブンが互いに鬱屈とした現状に救いの手を差し伸べてもらいながら再生して行く壮大な人間ドラマを見せられたのではないかとの結論に思い至ったのでした。
生きていれば色々と理不尽なこと、自分の思い描く通りの道は歩めないものだろう、でもそれを打破するような強烈な出会いがあれば人間いくつになっても異なる道に一歩踏み出すことはできるのだよ。
そんなことを教えてもらえるような作品でした。エキセントリックなヒラリー、それと対象的に抑えた表情のスティーブン、そして脇を支えるコリン・ファースとトビー・ジョーンズ。
重厚で良い作品に巡り会えたのだと、終わってから気づくあたりが、私はまだまだヒヨッコなのだなぁと思わされてしまったのでした。
それにしても人種の壁の厚さ、偏見の怖さというのは恐ろしい・・・

ニコラス
talismanさんのコメント
2023年2月25日

人種、偏見、なかなかなくならないです。

talisman