少女は卒業しないのレビュー・感想・評価
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青春が詰まった120分
原作未読でしたが、評判が良かった印象だったので鑑賞。ただの「アオハル映画」ではなく、細かい感情変化にも意識した素晴らしい青春映画でした。
青春映画にありがちな「青春してるぜ!」って押し付けがましいものはなく、それぞれが「卒業」というものでひとつの「区切り」を迎えるというそのリアルの表現はなかなか難しいとは思いますが、うまく切り取れていたと思います。
しかし、内容に切り込むとすると、とある2箇所が気になってしまいました。
出演俳優の演技力が高い分(原作にはもしかしたら説明があったか否かは定かではないですが)気になってしまったのでそこが-0.5評価です。
とはいえ先述通り、俳優が「サマーフィルムにのって」の河合優美と「アルプススタンドのはしの方」の小野莉奈という青春映画御用達のキャストで、やっぱりこの2人の演技力たるや目を見張るものがありました。他の2人も初見でしたが上手かった。
しかし、上映が始まったばかりなのに地元の劇場が10人以下…名作なだけに勿体ないと思います。
皆様の「卒業」に思いを馳せながら観るのをオススメします。
恋するマルチバース惑星に慟哭させられた‼️❓
初め、見知らぬ人たちなので、いや、見分けがつかないので、楽しめるだろうか、理解できるだろうか、そんな不安がよぎる。
たちまち引き込まれる。
図書館ガールの淡い先生への恋心が控えめで好感度が高い、いや、恋してしまう。
軽音ガールも何か起こる予感、ミュージカルみたいな予感。
答辞の弁当ガールは幸福そうだが不穏な雰囲気。
心理学行きたいガールは喧嘩中でどうなるのか。
大きな不幸が一つ、でも、マルチバースが化学反応を起こして、感動して、慟哭、涙が止まらない。
紛らわしくて御免なさい、SFでも無く、ミステリーでも無く、日常の一部の切り取りなんだけど、感動して泣く、映画ファンでよかつた、つくづく思う映画でした。
弁当答辞ガールと図書館ガールの最後のシーンが最高でした。
図書館先生の控えめな演技も最高でした、将棋の羽生善治似てる。
最高の感動映画を🎞🎟🎟🎬是非
「卒業しない」は間違い、みな、卒業しています
前半卒業あるあるだとおもっていたら
「そこだけの世界」を味わう
胸の中に置き去りにしてしまっているおもい
そんな時、人知れず揺れ動き続ける心
卒業式を明日に控えた4人の女子高校生もそうだった
それは、大切なひとへの忘れられない愛しさと哀しみだったり、すれ違ったまま離ればなれになる焦りだったり、密かに抱く複雑な感情だったり、静かに慕うおもいだったり…
それぞれのストーリーが桜の花びらのように淡く切なく、そして、どこかしなやかな強さを秘めながら舞う
…………
タイトル「少女は卒業しない」は、迫る時間を区切りにして彼女たちなりにもがき折り合いをつけつつ、自分のなかになにか大切なものをのこしていく(本能的に)ことを示すのだろうか
少女たちにとっての〝今〟は、見た目よりもまだかたくて甘くない果実をかじったときのように不本意だ
途方に暮れじれったさと困惑が積もれば、涙やため息は自然と増し、自分で自分を扱いにくいという不安定さはさらに空回りを起こす
とはいえ、大人になったって実は彼女たちと何ら変わらぬ狭間に漂うことは何度でもあるのだ
たぶんこれにゴールはないのかもしれないともおもう
でも、今だからわかる違いもある
それがどんなに眩しい記憶になる日々だったかを知らずに
そこにしかない果汁を味わうのはその時だけ
実は宝もののような感受性が対峙するその時だけ、ということ
120分の映像を前に、制服の感触や鞄の重み、校舎の匂いや黒板に書くチョークの音、体育館の空気、廊下のざわめき、みんなの表情や声が私の中にも徐々に蘇る
紛れもなく「そこだけの世界」にいたあの頃
そこで4人の少女が「ひとつの自分」を自分で越え少女から〝卒業〟=成長していく姿を母親のような気持ちでみつめるのかと思いきや…すっかり昔の自分を誰かのところどころに投影し、それを遠くからもう1人の私がみている感覚で観ていた
上着を抱きしめる頃には、そこにある温もりと香りを感じながら、少しのさみしさがたくさんの安らぎに包まれそれまでにはない何かに満たされたことに気づく
かなしいね、つらいね、わかりにくいね…でも、悩むことすらをどうか大切にしてみて…
そんなふうな言葉が浮かんできて気持ちはゆっくりと落ち着く
これもひょっとすると何かを置き去りにしてきた自分に対しての言葉だったのかも知れない
オレンジ色にゆっくり明るくなりかけた劇場で椅子がパタンパタンとなる音は、まるで〝私〟に戻る合図だった
朝井リョウさん…
あなたにはやっぱり何も隠せる気がしないよ
作品としては破綻なく秀逸。朝井リョウ原作らしさ。甘酸っぱい青春。だが【千輝くんが甘すぎる】と比して興行的に地味。
コレ、ある程度同年代の高校生、大学生専門学校高卒社会人の支持が欲しい興行。基本女性ね!むさ苦しい男子高校生はアテにできない。
しかし河合優実さんの健闘虚しく、非常に流れるような秀逸な作品なのに結果が追いついていない。高校生の小遣いではせいぜい月一回だろう、映画館に来れるのはねぇ
パンフレットは品がよく装丁も良い。
原作+脚本の妙で【わかる、わかる】的な快適作品。甘酸っぱい恋愛。喪失感。
しかし興行結果に結びついてないような・・
確かに駅から遠い映画館で金曜平日夕方だから仕方ない面もある
しかし、ワシも乗り出した船だ。来週の・・チギラ君 で ワシの爽やかレビュー【本人が思ってるだけという噂も】
で、文筆のみで敵、かたきは取ってやるぞ、本作の死に水も任せとけ・❗️
ペンは剣より✒️強しだ❗️【単に、おっさんジジイの私が「なのに、千輝くんが甘すぎる」単身でお金払って静かに鑑賞。パンフも購入して興行に貢献するだけです。誤解なきようお願いします🥺恥を忍んで・・】
つまり来週公開の【なのに、千輝ちぎら君が甘すぎる】
①イケメン、アイドル なにわ男子の高橋くん主演
②片思いごっこ、とか、【オレ専用のほっぺな❗️】とか現実離れした今風のウキウキ感
が、神々しく輝きすぎてて
対する本作が
①ジャニーズ系の今風イケメン・・有名なイケメン男子タレントを欠いている
②非常に現実的描写、オーソドックスすぎ
て今風の若い女子の心を鷲掴みまでは行っていない。
ワシも、映画館でお喋りに興じる、今風うるさい女子高生集団征伐にメラメラ燃えて🔥
本作に、万全の体制で、説教モードMAXで本作に臨んだのだが、完全に肩透かしであった。
ワシは堂々、定刻を過ぎて予告編後半に、胸を張って入場【虚勢とも言う】
したはずが、・・・なんと・・今年初の、観客ワシ1人だけ。180くらいの器に、ワシ1人
咳をしても独り・・・のリアル地獄・・マスクすらいらない、大声上げようと誰も反応するはずがない
スクリーンの責め苦、たった1人だけ地獄なのであった。
朝井リョウ原作の時系列を直線から平行線に変えて
若手新進気鋭の女優【なぜか主役レベル4人とも2000年生まれ】あっ❗️間違えた。
小宮山さんだけリアル世代2005年生まれ
必ず学園カースト、ヒエラルキーの上位に君臨する
バスケット部🏀、軽音楽部🎸🆚今はかえって希少価値で尊ばれる、図書館女子、料理女子
🆚というほどではないが
廃校寸前の学校の卒業式2日前
という状況ならば・・甘酸っぱい恋愛に💖決まってる。女子は間抜けな男子より優れてるから
恋愛、というか恋愛道も深いのだ❗️
群像劇だが流れるような快適な展開、同じ朝井リョウの【桐島、部活辞めるってよ】ほどの斬新さは無いが
オーソドックスナ快適作品。皆んな見て
森崎、最高だよ。
ここ数年「ここにも河合優実」と気づくほど、作品選びも良く、且つ本人が爪痕残す演技で最早「信頼」のおける彼女。初主演作品となれば観てみたいと思っていたら朝井リョウさん原作とのことで、これまた間違いないだろうと鑑賞を決めました。
ちなみに、中川駿監督は存じ上げなかったので過去作を確認すると、前作『カランコエの花』がAmazon Prime Videoにあり評価も高い。公開1週目のカリテは午前中回がなかったこともあり、公休だった本日、朝一にこの短編を前もって鑑賞しました。で、これが確かに良かった。特に終わり方が最高過ぎですが、うっかり「レコメンド」を有効にしたまま観るとこの演出が台無しなので、まだ観てない方は設定を無効にしてご覧ください(笑)。
話が脱線しましたが、、期待度をさらに上げつつ半年ぶりのシネマカリテへ。
鑑賞してみてまず言えるのは、河合さん主演とありますが「卒業式」という軸に対して、ある役割を担うまなみを演じることで「主演」という見方も出来ますが、基本的にはまなみ、由貴、杏子、詩織という4人の少女たちの群像劇です。「三者三様」(「四者四様」という言葉はありません)エピソードもいいしキャラクターにあった演技も素晴らしく、若者たちの真っすぐで感情の高まっていく様子にオジサンのバカになった涙腺が刺激されます(苦笑)。
勿論、男性陣のことだってちゃんと見てますよ(笑)。
まず、司書教諭・坂口役の藤原季節さん、いいですね。生徒に丁寧に「敬語」で接する感じがとても真摯で慈愛も感じる。詩織(呼称は「作田さん」)からの信頼も当然と思え、またちょっととぼけた感じもむしろ好感を覚えます。
そして、杏子が部長を務める軽音部の部員で杏子と同じ中学出身の森崎を演じる佐藤緋美さん。『ケイコ、目を澄ませて』でもケイコの弟役で存在感あり、とても素晴らしかったことが記憶に新しいですが、今作終盤におけるパフォーマンスは特に最高です。元々HIMI名義で音楽活動をしていますが、兎も角多くは語りません。まさに「映画を観てのお楽しみ」と言って過言のないシーンです。
と言うことで、中川駿監督、チェックインに入れて今後の作品をまた楽しみにしたいと思います。
【”何で卒業式があるのかな、ずっと楽しい世界に居られたのに・・。”人生の節目を迎え、未来への茫漠たる不安や、母校が廃校になる事への複雑な気持ちを抱える高校生男女達の姿を、写実的に描き出した作品。】
- ご存知の通り、中川駿監督は高校生男女が馴染みのなかった"LBGT"の思考を持つ級友の存在に気付き、戸惑いながらもその事実を徐々に受け入れて行く姿を人間性肯定の立場で鮮やかに描いた短編映画「カランコエの花」でデビューを飾った方である。今作品は彼の初長編と言う事で楽しみにしていた。-
◆感想
・今作は、卒業と自らの学び舎が廃校になるという不安定な雰囲気の中、群像劇要素を絡ませながら、写実的に進む。
・級友に溶け込めないまま、卒業を迎えた内向的な作田(中井友望)は、図書室と図書の優しい先生(藤原季節)のお陰で三年間を過ごして来た。
だが、卒業式の日に映画「キャリー」について少しだけ話をし、式が終わった後に、隣の女の子と卒業アルバムにメッセージをお互いに残す。"もっと早くから色々話たかったね!"
ー そして、嬉しそうに、多数の級友のメッセージを作田が図書の先生に見せるシーン。そして、彼女が生きる支えにしていた長年借りていた本を返した時に、先生が新たに彼女が買った本と、図書室の本を入れ替えて”これは、貴女が持っていてください。”とニッコリと笑うシーン。沁みたなあ。-
・東京に進学する後藤(小野莉奈)も付き合っていた男子学生が地元の小学校で先生になる夢があり、別れる事になった事に悩んでいる。
ー だが式の後、二人は軋轢を乗り越え、学校の校舎の屋上で花火を挙げるのである。-
・軽音楽部長の神田(小宮山莉渚)は、その歌声が好きだった森崎(佐藤緋美)への恋慕があるが、それを抑えて高校三年間を終えようとしている。だが、式の後の演奏会で、森崎のゴシックロックのエアーバンドがトリを務める事になり、彼女は一計を案じる。
ー そして、森崎は皆が見つめる中、独りでステージで伸びやかで、美しい声で”Danny Boy"を歌うのである。万雷の拍手。神田はその風景を見て、嬉しそうだ。そして、彼女は誰にも聞こえないように、けれど誇らしげに呟くのである。"漸く、分かったか!"-
・山城(河合優実)は、生徒会長でもないのに、答辞の大役を任される。そして、彼女と付き合っていた駿(窪塚愛流)との調理室での、山城が作って来たお弁当を食べるシーン。お弁当の中には、万国旗が入っていて、駿は食べ終わった後に、それを楽し気にロッカーの上に掲げる。
ー そして、卒業式。彼女は名前を呼ばれても、立ち上がらない。何故なら入場の際に駿の母が彼の写真を胸に抱いて涙している所を見てしまったから・・。
漸く登壇し、涙ながらに答辞を述べる。
その後、彼女はシャツ一枚の亡き駿に”見ているだけで寒そうだから・・。”と言い自らの服を着せる。駿は夏のある日、不慮の事故で学校内で転落死していたのだ・・。
此処も、作品構成として巧くて、観ていて心に響くシーンである。彼女が答辞を任されたのは、悲しみを抱えながら高校生活の最後半を過ごした彼女への先生方の配慮ではなかったか、と私は思った。-
<今作は未来への茫漠たる不安や、廃校になる母校への未練を残しつつ、卒業して行く女子高生4人の姿を中心に、彼女達の恋人達の姿を絡めて描いた青春映画の秀作である。又、邦画界に中川駿と言う俊英が現れた事実を素直に喜びたい。>
卒業アルバムのあのひとは・・・・
卒業式の前日から始まり当日に終わる、
ごく短い期間の物語りは
邦画ではあまり描かれることのなかった題材との記憶。
海外には「プロム」との圧倒的なイベントがあり、
その分、扱い易いのだろう。
劇中でもふれられる〔キャリー (1976年)〕や、
結構好みの〔ウォールフラワー (2012年)〕。
とは言え本作を観れば、
どうしてなかなかドラマチックな展開を創れるものだな、との感慨。
実は自分は、高校の卒業式には出ていない。
大学受験のため上京し、
一ヶ月間、親戚の家にやっかいになっており
出席が叶わなかった。
今でこそ結果はWebでも確認できるし、
共通試験の結果を以っての受験も可能も、
往時はそんな便利なシステムにはなっておらず。
叔父叔母にそこまで迷惑を掛けるわけにも行かず、
大学生のアルバイトによる「合格電報」はあったものの、
信頼性には欠け、やはり自分の目で合否は確かめたいとの強い思い。
まぁ結果、全滅し、浪人となったのだが。
卒業証書とアルバムは重い気持ちを鼓舞しながら個人で高校に取りに行き、
担任からは「捲土重来」との有り難いお言葉を頂戴するオマケ付きで(笑)。
とは言え、その当時は、結構な人数が出席していなかった、とも漏れ聞く。
が、今回観たような、
わくわく
どきどき
もやもや
むふむふ
うるうる
のドラマが繰り広げられると知っていれば、
多少の無理をしてでも帰ったのにと、後悔しきり。
今となっては取り戻すことなどできはしないものの。
三年間、ほぼほぼ友達もできず
図書室で時間を過ごした『作田(中井友望)』。
自分は演奏はしないものの、
卒コンを仕切らねばならぬ『神田(小宮山莉渚)』。
式での答辞を読むことになった『山城(河合優実)』。
東京の大学への進学が決まったため、
地元に残る彼氏の『寺田』との仲が気まずくなってしまった『後藤(小野莉奈)』。
何れも男子の陰がチラつきながら、
四者四様の悲喜こもごもは、
実は三年間の集大成がぎゅっと濃縮された時間と言え。
自分達の学び舎が、今年を最後に取り壊され、
新しい校舎に移るとの設定も
エピソードを膨らませるスパイスとして上々に機能している。
技量的にはいまだしも、
後ろ髪を引かれつつ旅立とうとする少女たちを
四人の女優さんが瑞々しく好演。
葛藤と闘いながら、一段の成長を遂げる姿は
観ていて清々しい。
女性陣の皆さん全ての演技にメッチャ引き込まれた邦画。 本年度ベスト!
河合優実&中井友望さん目当て。
この二人の演技を観ているだけでも満足度は高め(笑)
高校の卒業式前日と当日の2日間の出来事を切り取った感じの作品。
家庭科室で自分が作ったお弁当を男子と二人で食べる山城。
友達との交流を避け図書室で先生に悩みを打ち明ける作田。
地元に残る彼氏を差し置いて東京の大学に行く後藤。
これらの女子学生の2日間をオムニバス的に進んで行くストーリー。
序盤は何も起こらずぶっちゃけ暇で退屈な感じ。
その後、?と思うシーンからの展開に意表を突かれた感じ(笑)
やっぱり山城を演じた河合優実さんが良かった。
卒業式で答辞を述べるシーン。
指名されてもなかなか立たなかったり、なかなか喋らないシーンが不思議。
答辞の場面は何故かカットされていたけどその後に答辞を述べるシーンに泣ける。
中井友望さん演じる作田。
図書室で先生に悩みを打ち明け、自分の殻を破ろうとする感じが良い。
軽音楽部の口パクバンド。
ヘブンズドアのヴォーカル。
彼を思う軽音の部長の卒業式後の演奏会での素敵な演出も良かった。
地元に残る彼と東京の大学に行く二人のやり取りも何だかリアル。
かなり期待していた作品だったけど、満足度はそれほどでも無かったのは残念。
卒アルにコメント書く儀式。
自分の世代にはありませんでした( ´∀`)
俺もまだ卒業してない
わが河合優実の初主演作と銘打たれ、東京国際映画祭でみのがしていた本作遂に鑑賞。確かに重い比率ではあるものの、緩やかなつながりを持った複数主人公の話であったことが個人的には残念だった。他の3人もしっかり演じられており好感がもてるが、とにかく河合優実をもっともっと見たいと思った。シュンの母親を見てしまい普通でいられなくなる、その先も見てしまいたかったのだ。映画全体でも最もエモーショナルなパート、俺ならここ7割であとの3話をも少し強めにここに絡めるかな(笑)。
軽音の話は、「あつい胸騒ぎ」のター坊、「ケイコ」の弟、佐藤緋美なかなかヤルな、なんだけど、もっと一般客を唸らせるほど歌と英語が巧かったらなあと。それと小宮山莉渚部長、道具や衣装全部隠すのは、小説はどうかわからないけど映像ではやり過ぎでしょ。
小野莉奈は日常生活の演技はうまいんだけどバスケ部部長には見えないんで役柄変えても良かったかと。
今までになく普通っぽい藤原季節は、なぜか「途中で変態教師にならないでくれ!」と拝んだ甲斐もあり?最後までいい先生で安心した。
僕も卒業していない
朝井リョウさんの本は沢山読みましたが、少年だった私には少女の物語はピンと来ないかも・・ということで原作未読だったので、先入観なしで観れました。やっぱり朝井さんの物語は好きだなと感じました。
朝井さんの他の学園系と比較し、汗くさいバイタリティやぬめりをおさえて、か細くキラキラさせた物語という印象でした。
のどかな田舎に、飾らなくて幼くてキラキラしている複数の登場人物たちが似合っていました。自分の学生時代が生々しく蘇ってきてしまう懐かしい気持ちや風景、いつの時代も変わらぬ学園あるあるがたくさん散りばめられていて、キュンキュンさせられて、卒業式の日への気持ちが高まっていきました。主人公以外のそれぞれの奥行きみたいなものも、卒業式に向けて感じることができました。面白い小ネタのセンスもツボでした。
ありふれた通学路、家庭科室や図書室のにおい、階段の踊り場でのひそひそ話、ほこりっぽい体育館、いつか必ず訪れる卒業の日、、なんてこと無い風景に朝井さんのセリフがのると、当時の気持ちが込み上げてきてしまって、登場人物達の気持ちが生々しく感じられてしまいました。
そんなこんなで油断しており、やられました。個人的には、主人公に関わる展開はありがちにも思えるし、反則ぎみに感じました。それは勘弁して~って叫びそうになりました。とはいえ、この展開があるからこの小説が映画化されたのかな~なんて、無駄に勘繰り、複雑な気持ちになりました。最後の答辞にだいぶ救われました。投げっ放さない真面目さはさすがだなと思いました。定型にも思える答辞の言葉なのに、その重みにぎゅっと胸をつかまれて震えました。
脇役?達も素敵でした。特別な人物ではないし、そこまでドラマティックな展開があるわけじゃないけど、じゃないのに感動させられちゃうのは、やっぱりすごいと思いました。桐島の時と同様、脇役達にも血が通ってるのが朝井さんのすごいところだと思います。
相変わらず、取って付けたようなハッピー/アンハッピーエンドで括らせない点も好みでした。誰もが登場人物たちの未来に向けて、心の底から『卒業おめでとう』と声をかけたくなるような映画だったと思います。
図書室のシーンが好きでした。少しダブるような気がした個人的な思い出が蘇りました。そんな意味でも観て良かったです。
(高校時代の司書の方との出会いが無かったら、きっと読書が好きではなかった。授業をさぼった時も図書室に居させてくれて、好きそうな本も教えてもらったし、何より読書の魅力を教えてもらいました。間違えて2冊買ってしまったということで、絶対に内緒で!という約束でいただいた本を今でも持ってます。あの日当たりが良くてあたたかい図書室で過ごした時間はかけがえのない思い出です、、)
なぜ、「しない」?
それぞれの卒業式
好き嫌いははっきり分かれるタイプかな…。
今年58本目(合計710本目/今月(2023年2月度)24本目)。
ここの紹介や公式ホームページ等にも紹介はあり、学校(高校)を卒業する(卒業式)の2日前からスタートし、卒業式の日やそのあと(少しだけ)に「高校でやり直したいこと」「後悔していること」に焦点をあてた内容です。
このため、主人公(誰を主人公にとるかはいろいろな立場があると思います)の移動範囲は実質的に高校以外のシーンはないので(高校以外のシーンが写る方が少ない?)、「何がなんだかわからない」ということはまず起きえないと思える一方、「そのために、映画のストーリーの範囲がどうしても読めてしまう」という考え方もあります。
私も(性別は違っても)同じような経験はしたし、人それぞれ少しずつ違っても同じようなことを考えている方は多いのではないか、あるいは、いるいないが半々くらいに分かれそうで、「そういう経験もあったなぁ」だと共感度は高いですが、そうでない場合、特定の俳優さん(出演者さん)の応援枠になりそうです。
一部、高校内で民法上怪しい行動(不法行為ほか)の描写がありますが、一部にとどまりますし、ストーリー上必要といいうるし法律を論じる映画でもないので減点なしの扱いにしています。
高校の(卒業の)とき「あのときこうしておけば…」という「悔い」がある方はぜひぜひ。
映画館という閉ざされた空間で感じて欲しい
原作と映画は別もの。
とはいうものの、いつもの癖で、監督(脚本)は原作をどう料理したのか、やはり気になります。
原作は『桐島、部活辞めるってよ』と同じように直接の絡みはない群像劇で、7つの掌編から出来ています。今回の映画は、このうちの4篇をベースに監督なりの改変を加えたものとなっていました。
私の場合、原作の中の『在校生代表』の送辞の再現を見たかったので、アレ?と思ったのは事実ですが、監督の憎いところは、ラストの方で河合優実さんにその役割をほんの一部とはいえ、転嫁したところです。
ちゃんと原作ファンにも配慮してるな⁈と単純な私などは納得してしまいました。
この映画の中では、河合優実さんの実力についてはもう別格❗️
ということで、個人的な萌えポイントをひとつだけ。
中学時代バレーボール部だった軽音部長‼️
こんな素敵な女子がいたら、私だったら一生着いていきます。
でも、男って本当にバカなんです。
神田さんがお膳立てしてくれたことには、きっと森崎は気が付かないんだろうなぁ。思い余って後輩の女子がそのことを伝えても、ふーん、とかしか反応しない。歌唱力をちやほやされて、気持ちがそっちに行ってしまったりする。そして、何年か経って、初めてその有り難さに気がつく…
みたいなことが、多いような気がします。
作田さんや後藤さんについても語りたくなりますが、やめておきます。余計な先入観なく映画からでも、原作からでも、是非感じて欲しい。そういう映画です。
大人になってしまうと、焦れったくてイライラするような時間が、どれほど宝石のように輝いていたのか、それを思い出す、とても愛おしい時間でした。
少女は「高校」を卒業するが、少女は「少女」を卒業しない。マル【追記】「カランコエの花」(2018、製作は2016)、今年最も衝撃を受けた作品。ぜひ鑑賞してほしい。【再追記】「桐島」再上映に感謝
【再追記】コレまた公開記念で、朝井リョウ原作「桐島」を上映してくれる立川シネマシティさんに感謝します。3/4(土)から1週間
【追記】「少女は卒業しない」は感動・共感したが、「カランコエの花」は感動ではなく問題提起の衝撃度がすごかった
LGBTに関する理解や社会の状況は変っていないように思える。だが「カランコエの花」を見ると製作された7年前(2016、公開2018)より確かに変化していることがわかる。
今なら生徒や先生も、もっと穏やかで落ち着いた対応になっただろう。7年前ならあれだけ浮き足だった対応だったかもしれない。LGBTが話題になることも今よりはるかに少なかった。だいたい私もLGBTという言葉を知っていたかどうかさえも怪しい
映画館と地上波でしか映画を見れない私としては、「少女は卒業しない」公開記念で上映してくれた立川シネマシティさんには非常に感謝している。(以上 追記)
名作あるいは傑作。
レビュータイトルは私の偏見に基づくバイアスのかかった見方だけど、思った通りの秀作だったので満足だ。
ひとりひとり見る人によって刺さるところが色々あると思われる。私も1つあげたかったけど、有りすぎて困ってしまったのでパス(ちょっと卑怯)
この後もう1本見るつもりだったが、いい映画を見た後の余韻にひたっていたかったので見るのをやめた。
「桐島」がつまんなかった人は絶対みない方がイイよ。人によってはヨク寝られる。zzz
ちなみに見るつもりだったもう1本は「湯道」か「逆転のトライアングル」。
2023/2/23(木) city1
祝、初主演河合優美!4人それぞれの卒業
とても後味の良い青春映画でした。
それでいて、ところどころ「なぜ?」「なんか今の変だな」という引っ掛かりがあるのですが、それが見事に回収されて、とても後味が良い。
また、セリフの無い微妙な表現や間、カット割りしないで手持ちカメラの等身大の目線が、2時間で4人の少女に感情移入させられて、それぞれの卒業に涙してしまった。
始まりは、ヤバい、たくさん人が出てくるけど、見分けがつかないかも、、、どの人が主役なのか迷いました。正確には、河合優美さんは知っていたので、残りの3人が分からなかったです。4人という数字くらいは知っていたほうが見やすいかと。
2時間でそれ4人、オムニバスのようで、それぞれが繋がっている。とても良いストーリーでした。さすが、直木賞作家です。
同時に、4人の卒業後を応援したくなる、感情移入させてくれた監督にも感謝です。
ここから、将来の「神木隆之介」や「橋本愛」のような名優が生まれるのだろうな、と。各俳優陣と応援したいです。4人の女優さんと、あの歌、、、
あらすじだけを文章に書くと、ありきたりなよくある話なのかもしれませんが、画面に食い入る映画であれば、絶妙な間とか心情が滲み出て泣けてきます。
やっぱり映画館で観る映画は良い!
そう思わせてくれた良い映画でした。
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