少女は卒業しないのレビュー・感想・評価
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女子高生の繊細さを描く。次はおっさんを主人公に。
4人の女子高生の卒業2日前から描く。原作未読。女の子ってやっぱりおませちゃんだなって思います。男子高生に比べたら、コミュ力めっちゃあるし、恋愛というよりは、男子をあやして、見守る感じ。
不器用な男子とのコミュ力のギャップに悩んでいるようにもみえるけど、4人の中で一番共感できたのは、友達がいない女子高生。わたしは男子ながら、卒業のときって、友達ほとんどいなかったし、卒業式のあとって、この女子高生の先生が言うように、地獄のアディショナルタイムだったので、友達とじゃれ合うこともなく、将来を語るわけでもなく、たださっとひとり、いつものように自転車こいで帰った。自転車置き場まで校内を歩いても、誰に声をかけるのでもなく、声もかけられることもなかった。
これ、トラウマみたく、寂しい光景としてふと思い出される。というか、高校時代を象徴するような思い出って、その日、自転車でひとり校門を出るときの光景。
なので、この4人ともに、結局は、卒業式に絆を語れるひとと過ごせた(ひとりは亡くなってしまった学友の思い出だが)のは、素晴らしい人生の光景なんだなと。こんな絆を語れる思い出ばかりではないので、もっとリアリティを伴ってほしかったと言いたいところですが、原作があるので、そこは踏み外せないところだったんだなと思います。
あと、中川駿監督。「カランコエの花」に続いて女子高生もので、今回もクライマックスに向けて編集が匠みで、また、女子高生の繊細なこころの動きも演出されていて素晴らしかった。
が、いち映画監督としてまだ認めたくない部分は、次、おっさんを主人公に撮ってほしいってのがある。可愛くて若い女子だけを主人公に撮っているだけで終わるなら、守備範囲が狭くて、懐が狭そうなので。おっさんを撮ってみて素晴らしい映画つくってくれたら、監督として存在感増すだろうなって思います。
戻れないからこそ彼女たちが眩しい
原作は読了済み。でも卒業間近の女子高校生の群像劇ということしか覚えていない。
映画はその印象通りの群像劇の作り。4人の女子生徒の物語だ。高校生って大人になる直前なのに、社会的にはまだ無力に近い。これからどんな人生が待ち受けているか全くわからない。卒業するということは大人になるとほぼ同義だ。希望もあれば不安もある。そんなあやふやな存在だからこそ感じる悩みや喜び、悲しみが存分に描かれた物語だった。とても切ないのに希望にも満ちている。自分にはもう戻れない日々だと思うからこそ彼女たちが眩しくて仕方ない。
下手をすると時間の経過がわかりづらくなる物語だが、それをうまく映像として演出していたのもいい。そうだった、原作がその時間軸が変わる小説だったことを思い出した。
4人の女子高校生が登場するが、誰よりも注目なのは河合優実だ。この数年の日本映画でよく見る女優となっていた印象。まぁ、とにかくいろんなタイプの映画に出ているのだが、これが初主演らしい。ちょっと驚きだが、初主演にふさわしい存在感と透明感だった。
この映画の私的に思われる短所と長所
(完全ネタバレですので鑑賞後にお読み下さい)
この映画が俄然面白くなるのは、料理部部長・山城まなみ(河合優実さん)にまつわる真相が明らかになるあたりの、それぞれの生徒(少女)の独白が始まるところからだと思われました。
それぞれの生徒(少女)の独白は、まだ何者でもない卒業間近の高校生の孤独で不安定な感情の揺れを表現していると感じて心が揺さぶられました。
特に森崎剛士(佐藤緋美さん)がアカペラで歌う場面は、卒業生の全員の卒業を祝っているようで、森崎と中学から友人の軽音部部長・神田杏子(小宮山莉渚さん)の誇らしげな表情と合わせて感動しました。
(そのアカペラを聴いた生徒からの森崎の人気を嬉しくも寂しそうに見る神田杏子の表情も合わせて‥)
作田詩織(中井友望さん)が坂口先生(藤原季節さん)から、代わりに同じ新しい本を買って来たのに、その同じ新しい本の方を学校に返却するように言われ、作田詩織がずっと借りて持っていた本の方を渡された場面。
東京の大学に行くバスケ部部長・後藤由貴(小野莉奈さん)が地元に残る寺田賢介(宇佐卓真さん)と花火をした後に寺田と別れる場面。
山城まなみが佐藤駿(窪塚愛流さん)に対して上着を掛け、最後、彼に対して卒業生への答辞を読む場面。
それぞれに素晴らしい感動があったと思われます。
しかし、これは残念ながらなのですが、私的にはこの少女(生徒)たちの独白が始まるまでのシーンは、正直に言うと若干退屈だなとは思われていました。
その理由は、
1.それぞれの独白
2.(1とはまた別の)<周りの人物との関係性>
での、(1それぞれの独白とはまた別の)2<周りの人物との関係性>が、この映画では曖昧ぼんやりにしか表現されていないところにあると思われました。
この映画の長所は、1それぞれの独白がしっかりと感動的に描かれている点だと思われます。
しかし短所が、2(独白とはまた別の)<周りの人物との関係性>をしっかりと捕まえられていない所にあると思われました。
この映画は1の独白が始まるまでは、彼女たちの内面は描かれず、2<周りの人物との関係性>が主に描かれて進行して行きます。
しかし例えば私達は、自分が日頃、様々なことを独白的に思っていたとしても、周りの人物と出会った時は(自分の内面(独白)とは別の)2<周りの人物との関係性>を踏まえた会話をすると思われます。
この時の2<周りの人物との関係性>は、例えば職場の上司や部下や、最近の友人や幼馴染、家族などで、微妙にそれぞれで関係性は変わって行きます。
そこには上下関係や距離感、感情の起伏、話題の選択など、様々な要素が出現すると思われます。
私達は、1独白内面と2<周りの人物との関係性>とで、いつもズレていて、その点をしっかり意識して映画(作品)は描く必要があると思われるのです。
そして2<周りの人物との関係性>は、対面している人物によってもズレが違ってくると思われます。
この<周りの人物との関係性>である2.(独白とはまた別の)他の人物との関係性がきちんとこの映画では意識されて描かれていないのではないかと思われました。
例えば、内向的でクラスの生徒と話せない作田詩織が、図書館担当の坂口先生には思わず自分の想いを語ってしまう場面で、なぜ彼女は坂口先生にその時にポロリと(他の生徒とは違って)話すことが出来たのか?
(独白内面とは別の)2<周りの人物との関係性>(つまり作田詩織と坂口先生との関係性がどういうものなのか)が意識されてその場面が描かれていない(つまり作田詩織の独白が明らかになる以前はこちらに伝わって来ない)のが気になりました。
つまりこの映画は、それぞれの独白が始まるまでは、一体何をこの映画は描いているのか?が、2<周りの人物との関係性>においてそれぞれで曖昧にしか描かれていないのでずっと不明のままなのです。
それがこの映画が、独白が始まるまでは退屈さがあった理由だと思われました。
この映画の欠点は、1独白の明確さと、2<周りの人物との関係性>が曖昧でぼんやりしている、両極端なところにあると思われました。
もちろん2<周りの人との関係性>が曖昧ぼんやりなのは、まだ何者でもない卒業間近の高校生の不安を表現しているのだとの評価もあるとも思われます。
しかし私的には、2<周りの人との関係性>をしっかり意識し繊細に深く表現した上で、卒業間近の高校生の内面の不安を描くことは可能だったと思われます。
(曖昧ぼんやりと、繊細に深くとは、似ているようで全く違うと思われるのです)
そうすればこの映画は、前半は2<周りの人との関係性>の面白さ、後半は1内面の不安の独白の感銘、が描かれた傑作になっていたように思われました。
その点が本当に惜しいと思われ、今回の点数となりました。
2回目。 1回目は彼女たちのストーリーを追いかけるだけでも、観てい...
2回目。
1回目は彼女たちのストーリーを追いかけるだけでも、観ていてすごいすごいと思いながら観て‥
2回目の今日は、もう、最初からラストまで泣き崩れながら観た。
卒業式を迎える通学風景、教室のざわめき、空気…
みんな本当の卒業生だった。先生だった。
俳優さん達が秀逸。
せつなくて、やさしくて、折れそうで…
そんなあの時の空気や空間がこの映画にはあった。
自分にとって、かけがえのない映画の一本。
……今気がついたけど(鈍感…)、4つの淡い恋の物語でもあったのですね。この映画。
「少女は卒業しない」けど、大丈夫、女子は(ファイルは保存せず)上書きしていくから。大丈夫。
だからこそ、あの切なく儚いひとときをキラキラと切り取ってみせてくれた映画なんだなと、かけがいない瞬間をみせてくれた映画。
卒業とは、新しい世界への旅立ちでもあります。この作品の女子高校生たちは皆輝いて見えました。きっと素敵な将来を引き寄せるのだろうと想い描いています。
河合実優さん初主演作ということで
とても気になっていた作品。
原作の小説があるようですが未読です。。
さあ鑑賞。
廃校が決まった地方の高校が舞台。
4人の女子高校生を中心に描かれる群像劇です。
卒業に向けたそれぞれの想いが編み込まれたお話が
ラスト2日間の中で丁寧に描かれていきます。
原作はオムニバス形式との事。
その形式ではお話が1人分ずつ進むことになるので、
「Aさんのお話 ⇒ Bさんのお話 ⇒ Cさんの…」
という感じになるのですが、
この作品では4人分のストーリーが同時進行でした。
時系列が未来に向けて進むので
ストーリー全体は分かりやすい。 という反面、
お話の視点が4人の行動を行ったり来たりするので、
最初のうちは 「この子誰だっけ ?」
と、理解にやや苦労して観てました。
4人のキャラクターの識別がついて
それぞれの立場と 「想う相手」 が分かってからは
彼女らのセリフにも行動にも
ごく自然なものが感じられて共感しながら観てました。
オムニバス形式のままにせず、
1本のシナリオにまとめる事が映画にする上で必要 と
監督が判断し、それがこの作品では上手くいった
そんな風に感じました。
ストーリーの構成力が良いだけではなく
登場する4人の女子高校生の描写も、また秀逸。
4人ともとても魅力的で、とても良いです。
・山城まなみ(河合優実) 料理部の部長
交際中の彼氏あり。
お弁当を時々作ってあげているようだ。
調理室で一緒にお弁当(まなみが作っている)を食べる日々。
弁当箱に入れる 「国旗」 を調理室の棚に張り付けて
それが次第に増えていくのも楽しんでいる様子。
雰囲気が普通のカップルっぽい二人なのだが…。
・後藤由貴 (小野莉奈) バスケ部の部長
バスケ部の男子と交際中…なのだが
卒業後の進路のことでギクシャク中。
自分は東京に進学し、彼は地元の大学へ。 あら遠距離~
一緒に居たい人は地元にいる。 …しかし
将来のため学びたい事のためには、東京に行かなければ…
気持ちを伝えるきっかけも掴めずに悶々としている。
時間だけが過ぎていく事がもどかしい…。
・神田杏子 (小宮山莉渚) 軽音部の部長
卒業式後の会場でライブ演奏の予定。が控えている。
トリのバンドをどこにするかで揉めている。
校内の生徒からトリの投票を募ってみたら、なんと
「演奏は録音、歌も口パクの色モノバンド」 が1位。
実力派の2位のバンドからは猛反発を食らうが (…分かる)
1位バンドのヴォーカルに思い入れがあるようで…
・作田詩織 (中井友望) 図書室の子
3年間、友達が出来なかった。
落ち着く居場所は図書室。
そこは静かな空間で、落ち着く。 …それに
図書室には、坂口先生がいる。
「教室には居場所が無い」と想いを口にするのだが…
主役4人の友人達が、これまた生き生きと描かれていて
ここで高校生活を送ってきたという事が伝わってきました。
原作者そして監督の、登場人物へ向ける眼差しに
優しくさと暖かさを感じました。
卒業グラフィティとして秀逸な作品と想います。
観て良かった。
満足です。
◇あれこれ
■河合優実さん
主役を演じた河合優実さん。 好演です。
ラストの体育館でのシーンに心撃たれました。 うん
「彼」の止まった時間。 それを先に進め
そして 「自分」 も先に進むための
二人だけの卒業式 …でしたね。
彼(=夏の格好で寒そう)に着せた上着
最後にそれを抱きしめての慟哭は、
”先に進むね” との決意の現れなのでしょうか。
印象に残る、ラストシーンです。
■バスケ部の二人
12月に付き合い始めたらしい二人。
その時点で、互いの進路は既に決まっていたのでは?
という気もするのですが
交際開始後に 「私は東京に行くの」 と言われたら
それはモヤモヤするのは当然 …かと。
そこは「彼」に同情。 …うん
けれど、この二人。
4年後には、また付き合い始めるのでは …?
そんな予感がします。 …なんとなく
※ しかし「屋上で花火」はまずいっしょ
いくら廃校予定の校舎とはいえ… ねぇ
■図書館の少女
勇気を出して声をかけたのは大きな一歩。
無駄にならなくて良かった。
寄せ書きページには7名分のサイン。
「びっしり」ではないところがリアル感あり。
「魔法の本」ともども、大切にしよう。
※ 図書館の先生、いい先生でした。
この人はどうやって結婚相手見つけたのだろう なんて
そんな事が気になってたり…
◇最後に
メインヒロインは「山城まなみ」と思うのですが
影の主役は「神田杏子」かも と
そんな風に思えてなりません。
「まなみの彼」 が時折口ずさんでいた曲。
時折どこかから聞こえてくる… と言っていた曲は
誰がどこで歌っているのか それが分からないままでした…。
その曲を調理室で耳にした「まなみ」。
体育館まで確かめに行って、歌声の主が
「森崎剛士」 と知るワケなのですが…
彼がその曲を 「ソロで歌う流れ」
を作ったのも…良く考えると 「神田杏子」 だし
さらにさらに
衣装を隠しただけでなく、もしかしたら
投票1位になるように仕向けたのも実は…。
# 彼の歌が上手い事は自分だけが知っていたい けど
# 彼の歌声の素敵さををみんなに知ってほしい あああ
うーん。
複雑な乙女心の現れなのでしょうか。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
それでも、それでも、進んでく
原作は未読ですが、今作が公開決定した時からかなり期待していました。河合優実さん初主演というのも一ファンとして嬉しいばかりです。
4人の女子高生のそれぞれの恋や葛藤にまつわるオムニバス的な作品で、美しくもほろ苦い青春譚に仕上がっていました。
恋人との不意な別れ、先生への憧れ、彼氏との小さな葛藤…どれも体験したことはありませんが、青春だなぁと感じるシーンがたくさんありました。教室にこっそり入って食べる給食、先生との秘密の放課後、地元を離れるか否かでの喧嘩、軽音部の笑い物がその殻を破る瞬間、どれも成長へと繋がっていくのが上手い演出だなと思いました。
河合優実さん演じる山城まなみは超真面目な優等生、卒業式の答辞もやるという立派な生徒、彼氏との普段も楽しそうですし、とても順風満帆だなと思っていましたが、途中で暗雲が。彼氏が落下なのか自殺なのか…死んでしまい、まなみは深い傷を負ってしまいます。途中で作田さんが「山城さんも頑張ってるんだから、私も頑張らなきゃ」というセリフはここに繋がっていたなと感心しました。国連にするための弁当に刺す国旗もまだまだ足りず、幸せそうな2人を襲う悲劇には胸が痛みました。
小野莉奈さん演じる後藤由貴は彼氏と少し揉め事。地元に残る選択をした彼氏と、東京で心理学を学びたい由貴、これだけなら仕方ないで済むけれど、学校の取り壊し跡地の意見で揉めてしまい、その後もちょっとギスギス。話し合いをしようにもうまく言葉がまとまらず。何度「寺田ぁ!」と喝を入れたくなったことか笑
でも卒業式後、屋上で無事に和解、そこで花火を2人でする、あぁなんて青春なんだろうと何故かウルッときてしまいました。
中井友望さん演じる作田詩織は図書室にいる先生に憧れるぼっちちゃん。1人が好きというか仲間の輪に入るのが苦手で、図書室での先生との会話を楽しむ子。そんな子が一歩踏み出すためにクラスメイトと話したりするも、どうにも上手くいかず。それでも卒業式の日、気にかけてくれてた子やその友達から卒業アルバムにメッセージがたくさん書き込まれており、満面の笑顔が映って、こちらも幸せを感じる一幕になっていました。
個人的にクリーンヒットだったのは神田杏子を演じた小宮山莉緒さん。今作で初めて拝見しましたが、17歳!?映画初出演!?とは思えないくらいの安定感と存在感を放っていて心を奪われました。学生時代に彼女みたいな人がいたら絶対に惚れていました。さりげなくの行動一つ一つが優しいですし、2人乗りなんてまぁ///となってしまうほど魅力的なキャラクターでした。
高校の卒業式、もう何年も前になってだいぶ色褪せてきてはいますが、あの時しか体験できなかった事って沢山あったなとしみじみと思いました。学校帰りの買い食いにカラオケ、ちょっとだけ遠出したり、ささやかな恋をしたり、そんな思い出を全部総括してくれたのが卒業式で、何か無いかなと地味に最後の方まで学校に残っていた記憶があります。映画を通して思い出が蘇るってのも中々に乙だなぁと思いました。素敵な映画をどうもありがとうございます。
鑑賞日 2/28
鑑賞時間 20:40〜22:45
座席 F-12
河合優実のえくぼ
河合優実初主演作ということでずっと楽しみにしてたのに知らない間に公開されていた。県内の劇場にはかかっていないから危うく見逃すところだった。
初主演作って、これ主演? これがずっと続くのかなぁて思ってたら、最後に見せ場がありました。
少女たちみんなキラキラしてたけどやっぱり河合優実は別格。
声もいいね。
森崎くんのオーダニーボーイ、シュンに聴かせたかったって、シュンと森崎くんてなんかつながりあった? 見逃してたのかな。
(森崎くんの歌良かったけど感動するほど上手くはなかったかな)
森崎くんって見たことあるなて思ったら、「舐めんなよ」のター坊じゃん。
高校生の時って、たしかに学校が世界のすべてだったかも知れない。そこに居場所がないって辛いな。
作田さんはいい先生に会えて良かったね。
(藤原季節わかんなかったや。全然今までのイメージと違った。上手いんだろうな)
ミッドランドシネマ・ドーナツってダルさんが作ってるんだ😀 ダルさんなつかしかったな。こんなとこにいたんだ。
このまま大人になっていいのか?
答辞にある言葉を大人になって聞くと深いことを言ってたなと思います。高校生まではある一定時間の集団生活と叱ってくれる先生がいました。しかし、高校を卒業すると一気に選択の自由が増えます。このまま私は卒業していいのか(=大人になっていいのか)と悩みを抱える4人の物語。みんな克服をしなければならない課題はそれぞれだが、みんな残り2日間という時間を使って克服することができ無事卒業できました。振り返ってみると、卒業前に高校生という難しい年齢で誰しも自分と戦っていたと思います。青春を振り返りながら頑張れと心の中で年を取った気分(人生の先輩として)応援しながら鑑賞できる作品です。
湯川潮音は凄かった
『テロルンとルンルン』『アルプススタンドのはしの方』の小野莉奈、『愛なのに』『サマーフィルムにのって』の河合優実。
この二人の共演というだけで、鑑賞決定。
今作もこの二人のリアルな芝居がアタマ二つ抜けていました。
しかし、中身としてはメイン4人の重なりが薄すぎて一本の映画としては微妙。
小説で連作短編としてそれぞれを描くならアリだが。
特に前半は知らない学校の日常を見せられているようで入り込めなかった。
忍ばされていた過去描写は騙し討ち感が強く、あそこだけカーディガン着てないとか、何かしら匂わせがあってほしい。
カーディガンといえば、卒業生代表が着たまま登壇は違和感あり。
作田のエピソードは、最後が腑に落ちず。
(同じ本は買ったが)お守りを手放すという成長を描いていたのに、返してしまうのはどうなのか。
杏子の話は良かったが、森崎の歌の説得力が今一歩で、ビブラートや強弱は上手いが、高校生があれで沸くかと言われると。。
『リンダリンダリンダ』の湯川潮音レベルを連れてくるか、せめてぜりぃふぃっしゅはもっと下手にしないと。
由貴の話はビターながら爽やかで最も破綻なく見られた。
誰一人幸せにならないのは好みが別れるかな。
色々書きましたが、お目当て2人はじめ演技はよかったし雰囲気も好みではありました。
高校生の、卒業間近の空気感もよく出てます。
何より、ショート・ボブ好きには脇も含めて画面が華やかでよかったです。笑
「少女は卒業したくない」では?
誰もが必ず経験する「卒業」だが、「ずっとこのままでいたい」と思えるようなかけがえのない時間を無理やり終わらせてしまうエンド・ポイントであり、その一方で、「早く忘れたい」と思えるような辛く悲しい出来事に区切りを付け、それを乗り越えていくためのスタート・ラインにもなるということを、改めて思い起こすことができた。
4組の男女の卒業までの2日間の物語だが、最終的に、すべてが「恋」の話に収束していって、いずれも、切ない「別れ」に胸を締め付けられる。
ただし、答辞を読む少女のエピソードについては、物語の中核を成すはずなのに、よく分からないことが多くて、やや戸惑う。
悲しい出来事は、はたして事故だったのか、事件だったのか?もしかしたら、答辞を読む席上で、事件の黒幕を暴露して糾弾するみたいな展開になるのかもとも思ったが、そうではなかったところを見ると、単なる事故だったのだろうか?
それ以前に、そもそも、少女は、卒業式で答辞を読むことができたのだろうか?もし読めなかったのであれば、そんな彼女に答辞を読ませようとした教師の責任が問われるのではないだろうか?教師は、なぜ、心に大きな傷を負っている彼女に、卒業式での大役を任せようとしたのだろうか?
それから、4組のオムニバスなのはいいとして、それぞれのエピソードが、クライマックスのコンサートで一つに結び付くみたいな工夫があっても良かったのではないかと思う。
屋上で花火をしていた少女と、図書室の少女のエピソードが、そのまま終わってしまったのは、少し寂しかった。
桐島、部活やめるってよ
「桐島、部活やめるってよ」と同じ匂いがしたので調べてみたら、原作者が同じだった。
監督の演出が下手くそで、役者の演技や台詞、カット割りに不自然なシーンが多い。「演技してます」「撮影してます」感が強く出てるというか、各シーンのこちら側に撮影スタッフがたくさんいるんだろーな感が出てる。
つまり、不自然でぎこちない。
ここら辺は、是枝作品を見ると一切感じないから、やっぱ是枝はうまいんだなーと思う。
それに撮影がテレビレベル。映画的な美しさや広がりがない。
それでも脚本と役者の演技が良くて、作品として面白い。
高校生のヒリヒリする感じとか、もどかしい恋愛とか、とてもリアルでグッとくる。
思春期特有の「自意識過剰のめんどくさい感じ」が良く出てた。
メインの数人の女の子の役者は、とてもうまい。
脚本も良く練り込んであった。
とおくで叱って
『桜の園』や『桐島、部活やめるってよ』のような、高校生群像劇の最新版。卒業式の前日と当日の二日間の、それぞれの少女たちの物語。原作ものなので、大筋に文句を言っても仕方はないが、やや陰キャだらけな登場人物たちは<今だから>なのか?
まなみちゃん、立派な答辞でした
淡い青春時代の群像劇を柔らかく描いた秀作。若手女優陣目当てで観る事にした作品でしたが、とても好きな内容でした。登場人物の関係性や背景の描き方が薄いので想像力を働かせて観る必要はありますが思春期の心情がよく表現されていたと思います。
部活・お弁当・図書室・卒アル・・・
「ずっと高校生のままがいい」その気持ちが懐かしい。
是非映画館で🎦
30
若手女優4人、それぞれ個性あって良かった
廃校を控え、校舎の取り壊しが決まっている山梨県立島田高校。進学のため上京するバスケ部長・後藤由貴(小野莉奈)は、地元に残る恋人・寺田と気まずくなっていた。軽音楽部長の神田杏子(小宮山莉渚)は、幼なじみの森崎に思いを寄せているが、変な口パクバンドをやってる事をよく思っていなかった。クラスになじめず図書室に通う作田詩織(中井友望)は、図書室の管理をする坂口先生に恋心を抱いていた。卒業生代表で答辞を読む山城まなみ(河合優実)は、恋人に弁当を作って一緒に食べていた。そんな4人の卒業間際の話。
河合優実、小野莉奈、小宮山莉渚、中井友望の4人の高校3年生とも、みんなそれぞれ抱えているもの、恋してる相手への想い、など見所があった。
河合優実の恋人への想い、涙が出そうになった。
中井友望の潤んだ瞳は引き込まれる。
小宮山莉緒の森崎を想う気持ちも痛いほどわかる。
小野莉奈、なぜ東京、って思うが、やはり存在感抜群だった。
今を大切にして欲しい、特に若い人たちに観て感じて欲しい作品です。
夜明け前の光のなかで
はい。良く私のやんちゃレビューを覗きに来て頂きました。
妙典のイオンシネマに行ったんですが、同時に「銀平町シネマブルース」も上映してるんですね。「少女は卒業しない」も小規模公開なんですが「銀平町シネマブルース」はさらに小規模。17都道府県だけです。
共通点は小野莉奈。そういえば「アルプススタンドのはしのほう」もここで観ました。多分ここの支配人がご親戚。推し過ぎ。
小野莉奈にお乗りなさい‼️(韻踏んでる)
まあいいかと・・・私は河合優実推し。「喜劇 愛妻物語」の高速うどん打ち少女からです。良く観るよねー
沢山観るよねー うまそげだよねー
Here,There And Everywhere
卒業についてのエピソードを脳内検索したんですが、ないんですよ。なんか皆んなで今生の別れみたいに泣いたりが苦手でとっとと帰ってました。
一個だけあるのが中学の時。いたずらで前の人の背中に大量のシールを貼った奴がいたんです。
そしてそのまま登壇。
笑いました。しかし厳粛な式は台無し。
簡単にストーリーを紹介します。卒業式の2日前から話しは始まります。舞台は山梨県。群像劇なんですが主役は山城まなみ(河合優実) なんと卒業生代表として答辞を読みます。彼氏にお弁当を作るのが日課です。食べ物作るよねー
後藤由貴(小野莉奈)はバスケ部、卒業して東京に行くのでウキウキしてます。しかし彼氏は山梨に残ります。
東京と山梨、近いよね・・・いいえ高尾山の山頂から眺めれば東は東京、西は奥多摩の山また山、深山幽谷の趣き。その向こうに山梨。やまなしだけどやまあるし!ありすぎだし!
神田杏子(小宮山莉渚)は軽音楽部の部長。卒業式の後の音楽会の順番に頭を悩ませています。
作田詩織(中井友望)はクラスに馴染んでいません。図書室がセーフティネット。管理する国語教師、坂口優斗(藤原季節)に仄かに憧れています。
うん。作田は私だよ。小学6年の時に新設の学校に移動になったんだけどね、図書室の本が全部新しいんですよ。当たり前なんだけど。雪を見てはしゃぐ芝犬状態。
少なくても年間、200冊は読んだ。天沢聖司くんみたいなもん。
ただ友達は少ない・・・しょぼん。
この4人が少し影響を及ぼしあうんです。そして卒業式当日、小さな奇跡が・・・
ありがちな惹句を言ってみました。小さな奇跡って良く聞くよね。そして切ないエンディング。タイトル。
少女は卒業しない。
いや!しろよ!
夜明けは近い。例えば5年後、この映画に出演した俳優さんが大ブレイクをしているかも知れませんよ。
人々がみんな 立ち去っても 私 ここにいるわ。
いや!校舎を取り壊すんだよ!
いいことばかりじゃない
この先の僕らの毎日に
これだけはずっと言える
本当にありがとう
友よ
そして・・・
私は忘れない 晴れた日の 想い出の木の下を
さらに・・・
過ぎ去った時 しゃくだけど 今より眩しい
お付き合い頂きありがとうございました。後半昭和歌謡ネタが多くてごめんなさい。
森崎、やるじゃないか!!!
え、河合優美の初主演作じゃん!観ないと!
と、思ったのが一週間前。慌ててチェックインして鑑賞することにしたのですが、そんな自分の判断に拍手を送りたい。完全に想定外の傑作でした。良かった〜、見逃さなくて!
河合優美を初めとした素晴らしい若手俳優が揃う本作ですが、中でも今回注目したいのは、森崎役の佐藤緋美。なんか見た事あるなぁ...と思っていたら、2ヶ月前には「ケイコ 目を澄ませて」で主人公の弟役、一ヶ月前には「あつい胸騒ぎ」でサーカスで働くことを夢見る水森崇役と、最近大活躍の俳優でした。特に、「あつい胸騒ぎ」では強烈なインパクトを残し、物語を素晴らしい形で締めくくるキャラを名演していましたが、まさか本作でも出演しているとは。そして、本作でも印象に強く残るキャラを好演。またもや、彼に泣かされそうになりました。そして、またもや傑作。佐藤緋美出演映画はハズレなし!ってのが、定着しそうです。
卒業式が間近に迫った4人の少女の群像劇。
そんな少女たちには、それぞれキーパーソンとなる男性が居る。そんな作りであるため、河合優美の主演作と言うよりも、4人が主演と言った感じ。なんなら、その男性側にもスポットが当たっているため、8人の主演。「それ、結構ごちゃごちゃならない?」と思ってしまうかもしれませんが、これが本作のすごいところ。群像劇としては満点の見応え。一人一人を本当によく丁寧に描けており、全員に感情移入が出来てしまいます。
時系列順になっていない構成・展開がお見事で、一分一秒飽きさせません。卒業してしまう悲しさ、卒業するからできる喜び。流石、朝井リョウ原作。卒業というテーマを奥深く、見応えたっぷりに描いています。小説から映画へと、変わったけど〈小説を見ている〉ような感覚で楽しめました。青春映画の新たなる金字塔、ここにあり。隠れた名作となりそうです。
卒業というのがテーマであるために、それ以降の物語はなし。でも、普遍的だけど未来へと繋がるようなそんなラストにして欲しかったな。最後の最後にちょっと暗い。あと、部長エピソード薄すぎかな笑 だけど、非常に優れた脚本です。こんなに面白いと思えた高校生映画は久しぶり。重厚感のある、ちょっとビターな物語。最高です。
これまた上映館少ないけど、騙されたと思って劇場に足を運んで欲しい。特に、高校生。今の時期に見たら結構刺さるかも。高校生だけど、大人な青春映画。この季節にピッタリの作品です。藤原季節も最高な作品です。今月一オススメかも。ぜひ。
心に響かない退屈な映画
卒業式の1日前をドキュメンタリータッチで描いています。
内容は痴話程度で、終始退屈でした。私は、心に響くかどうかを重要視しているのですが、心に響いてくるものがありません。
唯一、河合優実さんに存在感があり、惹きつけられました。素晴らしい女優さんです。
ただ、河合優美さんを映画で活かしきれていません。バンドの話や男女の恋愛も中途半端に感じました。
今回を機に、このようなマイナー映画は、観るのを止める決意をしました。
但し、河合優実さんは、これからも応援したいと思います。
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