「森崎、やるじゃないか!!!」少女は卒業しない サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
森崎、やるじゃないか!!!
え、河合優美の初主演作じゃん!観ないと!
と、思ったのが一週間前。慌ててチェックインして鑑賞することにしたのですが、そんな自分の判断に拍手を送りたい。完全に想定外の傑作でした。良かった〜、見逃さなくて!
河合優美を初めとした素晴らしい若手俳優が揃う本作ですが、中でも今回注目したいのは、森崎役の佐藤緋美。なんか見た事あるなぁ...と思っていたら、2ヶ月前には「ケイコ 目を澄ませて」で主人公の弟役、一ヶ月前には「あつい胸騒ぎ」でサーカスで働くことを夢見る水森崇役と、最近大活躍の俳優でした。特に、「あつい胸騒ぎ」では強烈なインパクトを残し、物語を素晴らしい形で締めくくるキャラを名演していましたが、まさか本作でも出演しているとは。そして、本作でも印象に強く残るキャラを好演。またもや、彼に泣かされそうになりました。そして、またもや傑作。佐藤緋美出演映画はハズレなし!ってのが、定着しそうです。
卒業式が間近に迫った4人の少女の群像劇。
そんな少女たちには、それぞれキーパーソンとなる男性が居る。そんな作りであるため、河合優美の主演作と言うよりも、4人が主演と言った感じ。なんなら、その男性側にもスポットが当たっているため、8人の主演。「それ、結構ごちゃごちゃならない?」と思ってしまうかもしれませんが、これが本作のすごいところ。群像劇としては満点の見応え。一人一人を本当によく丁寧に描けており、全員に感情移入が出来てしまいます。
時系列順になっていない構成・展開がお見事で、一分一秒飽きさせません。卒業してしまう悲しさ、卒業するからできる喜び。流石、朝井リョウ原作。卒業というテーマを奥深く、見応えたっぷりに描いています。小説から映画へと、変わったけど〈小説を見ている〉ような感覚で楽しめました。青春映画の新たなる金字塔、ここにあり。隠れた名作となりそうです。
卒業というのがテーマであるために、それ以降の物語はなし。でも、普遍的だけど未来へと繋がるようなそんなラストにして欲しかったな。最後の最後にちょっと暗い。あと、部長エピソード薄すぎかな笑 だけど、非常に優れた脚本です。こんなに面白いと思えた高校生映画は久しぶり。重厚感のある、ちょっとビターな物語。最高です。
これまた上映館少ないけど、騙されたと思って劇場に足を運んで欲しい。特に、高校生。今の時期に見たら結構刺さるかも。高校生だけど、大人な青春映画。この季節にピッタリの作品です。藤原季節も最高な作品です。今月一オススメかも。ぜひ。
こんにちは。
森崎役、挙げられた2作とも観ているのにまったく気付きませんでした。
それぐらい雰囲気を変えてくる、素晴らしい役者だと思います。
教えてくださりありがとうございます。