「少女であった頃の自分をそこに残して、人は大人になってゆく。」少女は卒業しない レントさんの映画レビュー(感想・評価)
少女であった頃の自分をそこに残して、人は大人になってゆく。
卒業式を直前に迎えた四人の少女の青春群像劇。それぞれの二日間が描かれる。
進学を機に恋人と離れ離れになる由貴、中学からの同級生だった彼への淡い思いを抱く杏子、卒業を機に自分の殻を破ろうとする詩織、そして失った恋人への気持ちに踏ん切りをつけ前に進もうとするまなみ、それぞれの少女たちの心の揺れ動きが丁寧に描かれる。
全編通して若手女優さんたちの演技が少女期特有の揺れ動く気持ちを見事に表現していたし、演出も自然でまったく違和感がなかった。監督の演出力は確かなもので本作は青春映画の佳作といえる。
ちなみに個人的には終盤、森崎君のアカペラ歌いだしがちょっと微妙で、杏子が言う思い知ったかには程遠かった。これは大丈夫かいなと思ったが後半は持ち直したという感じ。でも掴みの歌いだしでグイっと心をつかんでほしかったかな。
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