「ポップPSYCHO-PASSの完成形」劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE Achillesさんの映画レビュー(感想・評価)
ポップPSYCHO-PASSの完成形
二期以降大衆ウケするような要素を徐々に増やし続けたシリーズの新作映画。
ただ、中途半端に難しいことをやろうとしていた今までとは打って変わって、今回はポップカルチャーに振り切った様子。(2期以降の作品が今作にクオリティにおいて劣後すると言いたい訳ではない)
今作の魅力は3点ある。「書籍のエモい引用」、「カッコいいアクション」、「目まぐるしく展開する衝撃続きのストーリー」だ。
・書籍のエモい引用
登場人物が要所要所で書籍の引用を行う。これがエモーショナルなのは、"カッコいい"或いは"オシャレ"と感じられるシーンに決まってそれを配置するからだ。
・カッコいいアクション
躍動感ある戦闘シーンはやはり特徴的。登場人物が繰り広げるアクロバティックな戦闘は、迫力満点。おまけに今作は登場人物間での交戦シーンが多い。そういう意味で、この要素が今作の魅力の大部分を占めるといっても良い。
・目まぐるしく展開する衝撃続きのストーリー
展開の緩急を操作することで飽きさせない作りにしているのは勿論、緩急を操作するタイミングでは必ず「衝撃的な展開」を用意している。
しかし、今作の最大の特徴は、ストーリーを「軽さ」に振り切ったところにある。これは二期以降のみならず全シリーズを通して、今までになかった試みだろう。
一見難しそうなことをやっているように見せて、因果を追えばストーリーが楽しめるようになっている今作の作りは、謎解きパズルに似て考察者を適度に楽しませてくれること請け合いだ。
ただ、このようなコンセプトにするのであれば、古参しか見れないようなコンテクスト依存の作りにするのはどうかと思う。
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