サイレント・ナイトのレビュー・感想・評価
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下品で残念…
作品のストーリー自体はけっこう好きな設定なんですが、言葉が下品でとても残念でした。
もっと品よくしてくれれば楽しめたのに…
特にアナベル・ウォーリス演じる役が酷すぎる。そんなこと夫の前で言うな!(笑)
とかとか思ってましたが、終盤で、この状況になったらこうなってしまうのかな…やり場のない恐怖や怒りを『クソっ』という言葉にこめるしかないのかな…とも感じました。
それにしても皆、ジョニー・デップの娘に冷たくないですか?心配してくれてるのに『うせろ』とか… この娘も最後、ピルを飲んだふりして飲んでなかった…てことにしてほしかったなぁ。
イギリスはピルとかをコーラで飲むのか!?と思ったけど、水道から水が出ないからしょうがなくなんですね(笑)
ラストはどう解釈すればいいのでしょう…
『ミスト』のように謎の霧が晴れれば何もなかったかのようになるのか…
どれだけの人が生き残ったのか…
視聴者のご想像におまかせします的な作品はけっこう好きだけど、これはちょっとモヤモヤしますね。もう少し暗示してほしかったなぁ。
お母さんが、最後に生き残った人が辛く悲しい思いをするから皆でピルを飲むと決めた…みたいな事を言ってたけど、アート君がそうならない事を祈るばかりですね。
最低のクリスマス映画
タイトルから楽しいクリスマス・ファンタジーなどを連想するかもしれませんが正直、観たのを後悔する最低なプロットのクリスマス映画。
クリスマス・パーティに集まる友人たち家族の群像劇、許せないのは聖なる夜に謎の毒ガス蔓延、なんとお手上げの政府は救命どころか安楽死のピルを配布というとんでもない悪魔の聖夜。冒頭、流れる曲はサイレント・ナイトではなくクリスマスにはダサいセーターを着て楽しもうというマイケル・ブーブレのクリスマスセーター、こんな歌クリスマスには不向きと劇中でも言っていたが、これから起こる出来事の暗示にも思えます。12人のパーティは最後の晩餐をなぞったのかしら、理不尽な終幕にサイレント・ナイトが流れます。
監督・脚本のカミラ・グリフィンの実の息子3人が出演し熱演、ギャラの都合だと言っていましたがこんな人殺しパンデミック映画に良くも出したものです、コロナ禍の最中でもあり動揺もあったのかもしれませんが楽しいクリスマスを汚す想定は最低で全く好感が持てません。ただ、帰郷して家族でお正月を迎えようとしてとしていた元旦に起きた能登地震のことを顧みると実社会には理不尽なことが稀にあるので複雑な思いです・・。
キティの林檎
どうにも白けた気分になる映画だった。
クリスマスにギスギスした関係の人々が集まり、表面上は良い人振り、子供達にも適当に誤魔化し、ピルを飲むことが正しいと言い聞かせる。
人生最後の日くらい、愛する人、大切な人としっとりとサイレントナイトすれや!
このへんがお国柄なのかな。
浮気話とかどうでもええがな。
最後は乾杯で誤魔化す誤魔化す。
心の中ではファッキンファッキン!
謎の死のガス
ガスで死ぬのは苦しいので安楽死をしましょう。
安楽死は殺人なのか?って問題もあったよね。
もし、苦しんで苦しんで死ぬのなら…
愛する人が苦しんで殺してくれと懇願するのなら…
なんて真剣に考えてしまうような作品でもなく、大人達は盲目に政府とニュースを信じガスから逃れるためにピルを飲む一択で、どんちゃん騒ぎ。
娘の学費でドレスを新調とか驚きだ
ディアフタートゥモローで大爆笑
ただ1人、アートだけは立ち向かおうと行動した。
遊ぶことのないプレゼント、妊婦のソフィの最後に手を握るとの約束。政府のニュースに「間違い」の違和感持ち、自分がやらねば!的精神で家族と対立。かっこいい。
しかし、ハザードの点灯した車の中で先に死んだ人々を見て激しく動揺してしまう。
そんなこんなでタイムアップ
ピルを準備する家族達
そこでも各自わちゃわちゃするしそれは面白くないので、おとなしく死になさい…ってなった。
感染しピルを飲まずに死亡したと思われたアート
たくさんの人々が安らかな死を遂げた大きな棺桶の家で目をカッ!と開く。
外には白い雪が。
まるで死の灰のように積もる。
白雪姫は林檎を齧り死んだように見えたが目覚めた
彼も死んだように見えたが目覚めた
この先はディストピアサイレント・ナイトの始まりだ!
白雪姫のコスをしてたキティのウザさ爆発はしんどい。
なんで海外のお子様達はあの様なお人形さんを可愛い!!と思うのか…アナベルとかミーガンとかチャッキーとかさぁ。
世界滅亡の日が世紀末みたいな犯罪都市が中心ではなく、郊外にある一軒家での静かな一夜という設定は面白かった。あと、ピルの形がしっかり描かれてなかったので見たかったな。
悔いのない人生にするよう、日々を大切に生きること
ジャケ買いですね。これは。実はもう1枚あるポスターの方がCoolです。
俳優陣が超豪華で、これだけでも楽しめます。
主人公宅で開かれるクリスマスパーティーに
続々と友人&その家族が集まってくる冒頭はふつうにホームコメディ的な
導入なのですが、会話から少しずつ不穏な空気感が出てきます。
それが、人類滅亡まであと・・・日ということで、少しずつ全貌が
明らかにされていきます。
人類最期の日が近づくにつれ、
人間の本性が出まくる展開で、このあたりが非常にブラックユーモア満載。
笑えたり、リアルすぎて笑えなかったり、ですが、
これが人間だよなぁと思うと、妙に納得してしまう展開でした。
どういうオチなのかなというのは、割と中盤あたりから気になっていた
のですが、ある事件をきっかけにラストが読めてしまいました。
そうきたか〜というオチであって欲しかったですが、そうではなかった(笑)
ディカプリオの「ドント・ルックアップ」ほどの衝撃はありませんでしたが
これはこれでちょっとした安心感を得られたので、良かったですね。
命のあり方について色々と考えさせられる作品。
特に最期の日がわかっている場合、どのように時間をつかうのか、を
考えてしまいました。
この映画から得た示唆は、
悔いのない人生にするよう、日々を大切に生きることです。
くよくよしている時間はないなと思いました。
自分で考えることをやめた人のアホさがわかる映画
鑑賞後の気持ち
アホだなーって終始思ってた。
鑑賞後の心の変化
「みんなのため」とか「あなたのため」とか言うセリフは時として凶器になるんだと思った
鑑賞後の行動の変化
本当に相手のことを思うなら相手の選択を尊重するべき。相手は自分の考えを持つ人間だから
好きなシーン
なし
嫌いなシーン
全部
観終わった後、すごく傷付いてた
映画館で観てさえいなければ、多少没頭せずに面白かった!で終わらせられる映画だったはず…
中盤まできちんと「何か来る」系のゾクゾク感が表現されていて、終末とは思えない軽い台詞回しがむしろリアルに感じられました。
予告の段階から「有毒ガスが発生して、政府は自殺を推奨している」という状況は知っていましたが、知らない体での少しずつ風呂敷を広げていく感じも面白かったです。
いろんな角度から、ひとつの問題について丁寧に書かれていて、大人たちの関係性や様々な家族の形があり、疑心暗鬼にさせてくれる映画でした。
終盤の両親が急いで自殺薬を飲むシーンが、とても胸が痛かったです。あえて軽い感じで撮られているのも相俟って、胸糞に持ってこようとしているのだろうかと感じました。
ただ、今後この映画が胸糞映画としてひとまとめにされるとしても、自分はそれ以上のメッセージを見つけられた気がします。ライトで胸糞なタッチにしなければ、表に出せなかったのかもしれない。好きな映画でした。
ブラックが過ぎる🤣
世紀末を思わせ、
ネットやTVなどの報道に翻弄される
まさに現代人を嘲笑したような作品だった。
ロシアがウクライナに侵攻するのを知ってて、
あのセリフを子どもに言わせたのか?と
思うほどのタイミングで怖ってなるわ😨
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先にみた#ザメニュー よりも、こちらの方が
より激しいブラックジョーク感満載に感じた
とはいえ、イギリスのジョークはよくわらかん🤣
Fu*kを連呼する子どもたち🖕
そんな汚い言葉を使うなという親たちも
ガンガンにF*ckの連発、これも何かのジョークですか😅
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人類滅亡の前日、誰とどう過ごすのかって
結構重要な場面で、学生時代の同級生と
酒を飲んで騒いでパーティする🎄🎅
大人はいいよね、酒を飲んで踊って恐怖心を
ほんの少しだけでも緩和させる術があるから。
そこに同じように、いや大人以上に死に
怯える子どもたちの気持ちを考える大人は
ここには誰もいない。これも何かのジョークか🎄🎁🎅🌟
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誰からも連絡してもらえなかった「リジー」
あのシーンは必要だったのかね🤔
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ラストは、予想通り。
なんのひねりもない、つまらん。
さくっと観られる終末映画
気が向いたときだけ、ぼちぼちメモしておこうかな。
あまり見てこなかったタイプの映画だったけど、「世にも奇妙な物語」でも観ているみたいに、誰かに感情移入することもなく、この映画のコンセプトを楽しめた。
もうすぐ毒ガスで全滅する運命が分かっている英国が舞台。一つの家に友人家族が何組が集まって、わいわいがやがや、クリスマスの晩餐をする。パーティーの後は、ガスで苦しむ前にピルを使って自害する予定、というストーリー。この家族たちが非常識だったり強欲だったり臆病だったり自己中心的だったり、普通に一長一短というか長より短が目立つ人々で、そこがこの映画にはいいんだなあと思った。ヒロイックにならないところが。
普通の人たちなので、ピルを飲む準備が上手にできなかったり、今さらそんなこともういいじゃないというレベルのケンカをしたりする。だからこそ、最後の最後には、折り合いが悪そうだった母の亡きがらを抱いて死ぬ娘の姿とかに、ちょっとぐっとくるのかな。逆に、自分が死ぬことの怖さで頭がいっぱいのお父さんとかがいるのも真実味がある。
『ジョジョ・ラビット』のジョジョ役のローマン・グリフィン・デイヴィスくん、お芝居めちゃくちゃ上手。この子と双子くん、3人とも監督の息子さんなのだそうな。リリー=ローズ・デップも今回はいい役をもらっている。
ただ、女性同士のカップルの描かれ方はかなり微妙。アレックス(黒人女性)が優しくておおらかだけど軽度の知的障害者みたいに見える。会話における反応という反応が鈍い。おまけに最後はアルコールを摂取し過ぎてピルを吐きもどしてしまい、パートナーの手をわずらわせる。この映画、どのキャラクターのことも突き放したように描いてはいるけど、この二人は特に冷遇されている気がして、そうするぐらいなら登場させないほうがいいよと思った。
タイトルなし(ネタバレ)
【良かった点】
ありそうでなかったシチュエーションで、話自体は楽しめた。言葉の端々に今日が最後の一日感が感じられ不穏な雰囲気を醸し出す演出は面白い。ニュースや国の言うことを鵜呑みにし、もしそれが間違っていたら?という当たり前の疑問を忘れている社会に対するカウンターも孕んでいて、ラストカットは唸った。
【良くなかった点】
基本ワンシチュエーションで話が展開していくので、同じことの繰り返しを何度も見せられているように感じてしまった。中盤の中弛みは不可避で若干の睡魔にうなされた。
なかなか難解です
なぜ、最期の時に大して仲良くなさそうな友達を呼んだのか?そのパートナーが来るのも理解に苦しむ。案の定パーティーは微妙な空気だし。
そもそも核シェルターみたいなところでやり過ごすことはできなかったのか?また、海外に避難するとか。ピルを飲む行為一択で全員洗脳されてるように服用しようとするところが、同意できない。もう少し解釈の鍵や伏線を張って欲しかった。それと、魅力的で感情移入出来るキャラがいないのも残念なところです。
結局世界は貧困層と移民が生き残り新しい秩序が生まれたのかもしれません。
さすがにトマトのオーディエンス支持も46%と低めです。
さいでんな~、ほーでんな~♪一人きりじゃないクリスマス
アイリーン・キャラ(63歳)の訃報を聞いたばかりの日曜日の朝。まさか『フェーム』のテーマ曲が聴けるとは思わなかった。しかも、みんなでダンスしてるし・・・まぁ、フラッシュダンスもあることだし、追悼にもなるのかな。しかし、公開時期が悪かったのか、ロシアが毒ガスを放出しただとか、シェルターに避難した女王が「死んだ?」とか無邪気な質問があったり・・・タイミングが悪くて笑うに笑えず困ってしまった。
毒ガスが世界中に蔓延し、今にも彼らのいるイギリスにも到達しようという勢いだったという設定で、苦痛なく死ぬことができるという「EXIT」というピルが広まっていて、集まった12人の仲間たちも騒いだあとに静かに最期を迎えようとしていたのだ。『E.T.』のアーカイブが流れるというのもEXITからきているのだろうか?他にも終末映画のリスペクトも感じ取れる。でも、さすがに『デイ・アフター・トゥモロー』のジェスチャーはわかんないって!
12人という数字と最後の晩餐といった内容のため、イエス・キリストと十二使徒が関係しているのかと気になりながらの鑑賞。それぞれの家族が人生最期を楽しみながら懐かしい話で盛り上がる。子供たちもいる中、浮気話といった大人の事情まで暴露している。そんなの墓場まで持っていけよ!と言いたくもなった。そして、「死にたくない」と主張する、ネルとサイモンの息子アートくん(『ジョジョ・ラビット』でお馴染みのローマン・グリフィン・デイビス)。彼の達観した意見には大人もたじたじ。
12時を過ぎ、それぞれが家族とともにピルを飲もうとするも、色んなハプニングが起こってしまい失笑してしまいました。ブラックコメディとも言える。さらにアートくんは血を噴き出してしまい、薬を飲む前に絶命?と思わせておいてラストでは目がパチリと開いてしまう。賛否両論あるようですが、これはこれで皮肉っぽくて面白い。だが、見方を変えたら、、これは見事なレザレクション!!彼こそがイエス・キリストのような存在だったんじゃなかろうかともとれるのです。
Fxxk off
終末世界での最後の1日を過ごす作品で、やけに明るそうだなと思ったのとブラックジョークが好物なので少し期待して鑑賞しました。
ん?これがブラックジョーク?と思わざるを得ないジョークのレベルの低さと間延びした展開はキツかったです。
ブラックジョークと銘打っていますが、基本はfxxkまみれなので面白くもないですし、登場人物たちが中々に煩いので耳障りでした。人を罵倒する際にfxxkと言い放つだけなのもバリエーションが少なすぎて残念です。「ザ・メニュー」が豊富な皮肉を言い放ちまくっていたので、そこと比較してしまったら完成度に差があるなと思いました。
終盤にピルを飲まずに生還したアートのその後を描かないのにもモヤモヤしました。「ドヤっ!生きとったで!」みたいな思惑を感じ取ってしまいました。ピルを飲んで死ぬならまだしも、ナイフで刺されて死んだ人もいるし、飲まなかったら生還したっていうのも複雑な気がしました。
役者陣の演技は文句無いですし、映像はとても綺麗でしたし、高揚からの悲壮感はしっかりと伝わってきましたが、もう一捻り、もしくはブラックもブラックなジョークを堪能したかったと思いました。
鑑賞日 11/22
鑑賞時間 17:05〜18:50
座席 K-13
確率の問題?
世界終末ラストナイトもの。集った仲間や家族の仮面が剥がれていくドラマなのは、想像どおり。劇場で観るスケール感もなく、バットエンドとしつつ『キャリー』なワンカットも想像どおり。『ラ・ジュテ』には勝てない。
ノイジーナイト
正直、会話のほとんどを理解できてないと思う。
イギリスに限らず、他国の文化や常識を知らないから。
しかも今作はブラックジョークが飛び交う半密室会話劇。
タイトルの出てきた映画もほぼ観ていない。
でも、色々と考えさせられ、非常に重苦しいものが残った。
呼ばれなかったリジー(だっけ?)が絡むこともなく、家族でなく(不仲な人もいる)友人で過ごした理由も明かされない。
そもそも登場人物たちの過去や関係性も、わずかな台詞から推察するしかない。
世界の惨状の描写もなく、本当に人類が死滅しているかも明示されず。
そして、ラストカット。
コロナやワクチンの問題が想起され、他国や政府への批判が混じり、愛憎渦巻く中で、尊厳死を選ぶかどうか。
目覚めたアートが幸せだとも思えず、すべてを委ねられたよう。
何を考え、なにを是として、何を選ぶか。
結局は自分で決めるしかない。
「面白い」といえる内容ではないが、備えるための一助にはなる作品でした。
そんなこったろうと思った。
ロシアのガスって…名指しなうえに暗にワルモンにしてしまってるプロパガンダか(^~^;)ゞ
そんだけの殺傷力ならロシアもただでは済むまいが?
まあ「最期の1日をどう過ごすか」がテーマなので理由はなんでもいいのだろう。
序盤の登場人物の関係性がごちゃごちゃしてて話に入りにくい。
中盤で少年が
「EXITピル(自決薬)を飲めといった政府や科学者が間違ってたら?」
というセリフで、こいつは生き延びるフラグかと直感。(ゾンビかどうか状態はともかく)予想通りであった。
果たして少年が正しかったのか?
コレは客に丸投げ。
最後のシーンは不要な気もする…でも死体で終わっても映画としてはスパイス足りないかとも思う。
脅威にどう立ち向かうかでなく、みんな覚悟キメちゃってるから、盲目的にお上を信じたビビり大人たちがばか騒ぎしてるだけの話。ココを皮肉る話なんか?
イギリスの風土風習がド日本人の私にはイマイチ伝わらず。
ガスはニワトリには効かない模様。
いや、生きてたんかい。
終末が訪れることを前もって知った時、どうするのか?
というのを考えさせられました。
怖いですね。。。
自ら死を選ぶのか、あの少年のように希望をもつのか?
色々な考えが生まれるのだと思います。
あの家が世界の縮図のように感じました。
【”例え明日世界が滅亡しようとも、今日僕は林檎の木を植える。”世界の滅亡を眼前にした”未来を諦めた”人々の姿をブラックシュールに描く。どんな状況下でも”未来を諦めてはいけない。”と思った作品である。】
■”例え明日世界が滅亡しようとも、今日僕は林檎の木を植える。”
ご存じの通り、マルティン・ルターの名言であり、私の好きな故、開高健が好んで、色紙に記した言葉である。
決して、未来を諦めないというメッセージが色濃く表された言葉である事は、異論がないであろう。
ー 毒ガスにより、世界の破滅が近づいている事を大人たちは、政府のアナウンスで信じ切っている。
但し、その理由は”ロシアによるもの・・。””環境破壊の結果”と、判然としない。
更に、被害を写した光景も一切でない。
映されるのは、”毒ガスにより、世界が破滅する。”と信じ切っているサイモン(マシュー・グード)と、ネル(キーラ・ナイトレイ)夫妻と、親友たちである。
それと、政府が配布した”苦しまずに死ねる”と言う、赤い箱に入ったピルである。-
◆感想<個人的な想いが可なり入っています。>
・今作には、世界が破綻して行く様が、一切描かれない。
只、クリスマスイブに、サイモン家に集った子供を含めた男女が、最期の時間を楽しもうとする姿が描かれる。
皆、政府から配布された自殺用のピルを偲ばせて・・。
大人達は、世界の滅亡を信じており、哀しみを抱えながらパーティーの席に着く。
ー 毒ガスが発生した理由にも、一切言及されない・・。
本当に毒ガスなのか・・、と勝手に推測する。
思い込みなのか・・。
だが、大人達は世界の破滅を盲目的に信じている。
子供のサイモンの息子、アートを除いて・・。-
・お腹に子供を身籠っているソフィ(リリー=ローズ・デップ)も、自死に逡巡している。
■只独り、ピルを飲むことを拒否するサイモンとネルの息子、アート(ローマン・グリフィン・デイヴィス)の姿が、”未来を諦めない”姿として描かれる。
・不法入国者と、路上生活者には、ピルが配られないという設定もシニカルである。
・更に言えば、女王は”死を選ばずに”シェルターに籠る”という事も、語られる。
■逃げ出したニワトリを追いかけた、アートがガスが近づいてきた森の中の車で観たモノ。
それは、一台のハザードランプを付けた車。
車内には、ピルを飲んで死んだ人々の死体が・・。
中には、幼子もいる・・。
<混乱するアート。
家に戻った彼は、”毒ガス”を吸ったからか吐血し、それを見たサイモンは愛する妻、ネルと双子にピルを飲ませ、ベッドに横になる。
だが、翌朝、サイモン家の上空には、ガスはなく、白い雪が降り積もっている。
ホワイトクリスマスである。
これは、私の勝手な推測だが、あの黒い雲は、本当に毒ガスだったのか・・。
それは、死んだと思われたアートが、ベッドの上で一人、目をカッと見開いて目覚めるラストショットから観る側が、判断する事だろう。
現況下を鑑みても、今作はブラックシュール且つ、シニカルな作品であると私は思った作品である。>
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