劇場公開日 2022年11月18日

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「無責任な嘲笑」サイレント・ナイト 昭和ヒヨコッコ砲さんの映画レビュー(感想・評価)

1.5無責任な嘲笑

2024年12月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

この映画を観終わった感想は、「無責任だなー」ということ。
登場人物たちではなく、制作陣に対して。
この作品を観て、コロナを思い出さない人はいないはず。
誰もが体験したが、様々な情報が錯綜し、沢山の噂話が蔓延し、政治家への不信感が募っていた。
この映画で問われる「潔く正しい行動」はどうやって導き出せたのだろうか。
あの段階で正しい情報を得られる手段は無い。
情報に踊らされないとかまぁその通りなんだけど、専門家でもない人間が出来るのはせいぜい「論理的に考えてありえないこと」を除外する程度で、作中の状況だってコロナ禍だって打開のしようがなかった。
アート少年が政府や研究所のサーバーにハッキングして情報を引き出すとかならまだしも、死の忌避感から見出した根拠のない希望じゃどうしようもないんじゃない?という感想。

コメディ部分はブラックで、最後の晩餐を迎えてもなお滑稽に取り繕い、欺き合い、潔くない滑稽さをおもしろおかしく描いているっぽいんだけど、爽快感とかマヌケ感が弱くて、前述の嘲笑感も相まってイマイチ笑いにくい。
一番面白かったのは「How dare you!」のとこ。(環境活動家グレタの話題がある)

昭和ヒヨコッコ砲