「ボヘミアン・ラプソディー的フォーマット」ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
ボヘミアン・ラプソディー的フォーマット
ホイットニーのファーストアルバム『Whitney Houston(邦題:そよ風の贈りもの)』がリリースされた1985年、当時の私は中2の頃です。中学に入学して友人の聴く洋楽に目覚め、そして陶酔し始めた時期。ベストヒットUSAで初めて聴いた『Saving All My Love for You(邦題:すべてをあなたに)』に衝撃を受けつつも、彼女のもてはやされ方と彼女自身の若さに「アイドル」を見るようなナメたところがあり、連続1位の記録にもあまり興味を持ちませんでした。
その2年後の87年にセカンドアルバム『Whitney(邦題:ホイットニーII〜すてきなSomebody)』がリリースされた頃、私は洋楽への興味が半減して邦楽への揺り戻しが起きており、ホイットニーへの興味など何処へやら。
ただ、そんなミーハーなだけの私にも、ビッグスターになったホイットニーについてのニュースは時折届いておりました。勿論、今回の伝記映画で語られるエピソードの諸々もありましたし、スターにはプライベートがない時代だったような印象があります。
そんな彼女に興味を惹かれたのは、彼女の死後から数年後。よく聴くラジオ番組で西寺郷太氏が解説するホイットニー特集で流れる楽曲の素晴らしさ、秀でた歌声、そして当時聞いた覚えのあるエピソードの数々。その後、楽曲を聞き直し、西寺氏の著作も読み、更にホイットニー出演映画や、彼女の死後に制作された主にドラッグの話が中心のドキュメンタリー数本。そして、やや久しぶりに出会うホイットニー関連がこの伝記映画でした。
で、前置きも長くなったのでいきなり結論ですが、ちょっと欲張って詰め込み過ぎで「ダイジェスト感否めない」というのが率直なところです。。また、アンソニー・マッカーテンの脚本、頑張ってると思いつつもついつい「ボヘミアン・ラプソディー的フォーマット」に見えてしまうマイナスイメージも。まぁそもそも144分じゃ収まらないよなと思いつつ、若干期待外れは否めません。
それでも、主演でホイットニー役のナオミ・アッキー、素晴らしいと思います。メイクなどで似せることはしていませんが、雰囲気もあり、喜怒哀楽の表情豊かに演じる姿はホイットニーに重なり、完全にナオミの「生声(吹替なく)」で歌われるちょっとしたシーンでは、ちょいちょいゾッとするような驚きを感じるくらいです。
本作では94年のAmerican Music Awardsでのライブが一番の見せ場ですが、やはりミーハーな私は91年のSuper Bowl XXVにおける国歌斉唱。本人によるオリジナルは(違法アップロードなので誤魔化しますが)某動画投稿サイトで見つけられるかもしれません。(必見w)