劇場公開日 2022年10月7日

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「SFアクションかと思ったらトラジコメディだったのでビックリしました」デュアル よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0SFアクションかと思ったらトラジコメディだったのでビックリしました

2022年10月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

まずビックリしたのはこれがSFサスペンスではなくてSFトラジコメディだったこと。仕事にかまけて出張先からなかなか帰ってこない彼氏に不満タラタラで毎日酒浸りの日々を送っていたサラはある朝目覚めると吐血していてシートが血塗れ。医師に致死率96%の不治の病に冒されて余命僅かと知らされたサラは死期が迫った人だけが利用出来るクローン作成プログラム“リプレイスメント”に応募して作成した自分のクローン自分が死んだ後の人生を引き継こうとするが、あっさり自分の病気が治ってしまって諦めていた自身の人生に対する未練が爆発する・・・という星新一のショートショートのような話。

唾液の摂取だけでクローン作成が1時間で出来てしまうというバカみたいな設定の上に、瞳の色以外は本人とほぼ同じはずのクローンの方が母親や彼氏に気に入られてしまい、サラはオリジナルなのに邪魔者扱いされるという滑稽だけどちっとも笑えないカットが延々と続きます。クローンとの共存は禁止されているので決闘でどっちが生きるかを決めなきゃいけないし、その決闘はTV中継されるほどのエンタメにもなっているという設定なので『デスレース2000年』、『ローラーボール」、『バトルランナー』、『アリータ バトル・エンジェル』みたいなB級SFの香りを嗅いだのも束の間、全然あさってのオチで終了・・・これはやられました。決闘の話なのになぜタイトルが『デュエル』じゃないのか?と思いましたが、このオチなら納得です。

個人的にはクローンとの対決を決意したサラと彼女を鍛え上げるトレーナー、トレントとの特訓のすっとぼけたやりとりが面白かったです。

よね