「新しく生まれ変わっても、カワバンガ!なミュータントでニンジャでティーンエイジャーのタートルたち」ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック! 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
新しく生まれ変わっても、カワバンガ!なミュータントでニンジャでティーンエイジャーのタートルたち
これまでに実写映画3本、日本未公開CGアニメ1本、ベイさんプロデュースの実写リブート2本、Netflix配信アニメ映画で1本。
映画で計7回、個人的にはその昔NHK衛星アニメ劇場でのアニメシリーズが懐かしい。
レオナルド、ラファエロ、ミケランジェロ、ドナテロのミュータントでニンジャでティーンエイジャーのタートルたちが再び映画に!
今回もまたアニメ映画。でも過去2作とは違って、アメコミタッチ。これが『スパイダーマン:スパイダーバース』みたいでクール&斬新。
勿論それはセンスがあってこそ。監督は『ミッチェル家とマシンの反乱』のジェフ・ロウ。あ~、納得!
ただの何度目かの映画化ではなく、本当に新たに生まれ変わったタートルたち。
そしてその面白さは、歴代タートルズ映画ベスト級!
まあ一応タートルズの誕生の経緯は知ってるつもりだが、改めて。
ミュータントに成功したマッド・サイエンティストの秘密研究所を、雇い主の企業TCRIのCEO兼科学者シンシアが部隊を送って襲撃。研究所は爆破され、科学者も死亡。その時、謎のドロドロ液体=ミュータンジェンが下水道に流れ、それを浴びたネズミと4匹の子ガメがミュータントに。以来、家族として暮らす。
ある時子供たちにせがまれ、義父=スプリンターは地上の人間の世界へ。そこで人間たちから受けたのは…。
この事を機にスプリンターは人間を嫌い、下水道から出てはならぬ!
身を守る為、忍術を子供たちに叩き込む。(その修行シーンの映画、忍術なのにほとんどカンフー映画ばかりだけど…)
こうしてタートルたちは、“ミュータント・ニンジャ”に。
でも彼らは“ティーンエイジャー”。人間の世界に憧れている。パパに内緒で人間カルチャーに触れている。
そんなある日、同じくティーンの女の子、エイプリルを助けた事から…。
今回の新たな映画化の特色は斬新なアメコミタッチもそれだが、もう一つ。
タートルズが“ティーンエイジャー”である事が強調されている。
その喋り出したら止まらないお喋り、軽口全開のやり取り。
趣味嗜好も。ピザやチーズやお菓子好きは変わらないが、スマホやSNSはお手の物。
アメリカや世界中のサブカルも好き。ビヨンセにアデルにK-POPに『進撃の巨人』!
タートルズの声をティーンの役者だけで起用されているのも初めてだとか。
パパからの教え。絶対人間たちと関わってならない。
が、初めて出来た人間の友達=エイプリルにウハウハ!
エイプリルはジャーナリスト志望。校内ニュースで大ニュースを報道したい。今巷を騒がす大犯罪。それから、ある日緊張からやっちまった校内ニュースでの汚名返上…いや、汚物返上。
タートルズは人間たちに受け入れられたい。ヒーローになりたい。『アベンジャーズ』のハルクみたいに。それには…。今巷を騒がす犯罪者たちを取っ捕まえたら、ヒーローになれる!
エイプリルをそれを取材し、ニュースで。
タートルズは犯罪者たちを捕まえる所を撮って貰う。
お互いの利害が一致。
さあ、その犯罪者どもを捕まえてやろう!
“スーパーフライ”とらやを。
犯罪者グループの下っ端を捕まえて聞き出した、スーパーフライの取引現場。
御用だ!
ギャ~ッ!
スーパーフライはハエのミュータントだった。
他にも、イノシシ、サイ、マンタ、ヤモリ、ワニ、コウモリ、カエル、ゴキブリ…。
スーパーフライをリーダーとするミュータント軍団だった…!
聞けば、誕生の経緯は同じ。
じゃあ俺たち、従兄弟じゃん! 初めて出来たミュータントの従兄弟。
スーパーフライが長兄で、義兄弟。そんな擬似家族も同じ。
人間たちに嫌われている所も…。
じゃあ、目的は…? 俺たちは人間たちに受け入れられてヒーローになりたいけど…。
スーパーフライの目的。ロケットを飛ばし、気化させたミュータンジェンを世界中にばらまき、他の生物たちをミュータントにし、人間たちを殺す。ミュータントが地球を支配する…。
…そこだけ考えは違うね。
タートルズは仲間に引き入れられるが…、断る。
自分たちを嫌う人間たちを守る為、同じミュータントのスーパーフライたちと戦う…!
そう思うと、何と皮肉。
嫌う者たちの為に戦う。守る。
それで人間たちが考えを改めて受け入れてくれる保証はナシ。人間ってそういうもん。
じゃあ、何の為に…?
殺しは良くない。間違っている。
確かに人間は酷い連中だが、いい人間だっている。実際、そんな人間に会った。
スーパーフライの言い分も分かる。
人間たちは自分たちと違う者を忌み嫌う。
差別、偏見。やがてそれが排除や殺傷となり、戦争にも…。
人間の本質はそんなもん。周囲へ怪訝と敵意剥き出し。
我々人間たちよ、虐げられる者たちの心の声を聞け!
戦いの中で、心境の変化が二つ。
スーパーフライの軍団たち。
他に方法なく、一応スーパーフライに従ってきたが、実は内心、人間たちを殺すのは…。
タートルズと暮らし、人間たちに受け入れて貰う。そんな方法があった!
このミュータント軍団も一人一人、個性的でイケてる奴らばかり。
スーパーフライは怒り心頭。黙って俺に従え!言う通りにしろ!
これにハッとさせられたのは、スプリンター。
子供たちから自由を奪い、あれこれ禁じる。やってる事はスーパーフライと同じ。強いては、傲慢な人間たちと同じ。
何よりも子供たちの幸せが大事だというのに…。
思わぬ加勢と形勢逆転。タートルズ、エイプリル、スプリンター、ミュータント軍団で、スーパーフライの野望を阻止せよ!
倒したかと思ったスーパーフライだが、ミュータンジェンをさらに浴び、他の生物たちと融合し、巨大化!
もはやモンスター。ゴジラ級。台詞でも何度も“ゴジラ”って言ってるし。
ゴジラ級のモンスターに、“タートル”が挑む。これってある意味、“ゴジラ対ガメラ”…?!
さすがに苦戦。が、唯一の突破口。何とそれは、『進撃の巨人』作戦だった…!
随所に日本カルチャーが織り込まれて嬉しい限り。
アニメーションならではのスピーディーなアクション最高!
ノリノリ音楽最高!
タートルズだからこそのユーモアを決して忘れず、ラストのNY街中バトルもなかなかの迫力とスケール。
苦戦する中、タートルズたちに手を貸したのは…。
分かり合えない事はない。
文句ナシのカワバンガ・エンターテイメント!
強いて言うなら…
ファミリーで楽しめるが、巨大化したスーパーフライの造型や他にも少々グロい。ここは好き嫌い分かれるかな…。
昨今お決まりの改変。エイプリルって黒人だったっけ?…なんて言ったら劇中の偏見と同じになるけど、『リトル・マーメイド』でも言ったけど、オリジナル尊重を。
興行的にもヒットし、批評は大絶賛。
続編は期待。いやもう、勝手に決定! だって、
今回はスーパーフライを倒して終わり。
まだTCRIの野望が砕かれていない。
シンシアはある人物に連絡。
次はいよいよ“奴”が…!
近大さん、コメントありがとうございます♪今年もよろしくお願い致します🙇
石丸さんの件、やはりそうだったのですね😢好きな声優さんの声が聞けなくなるのはやはり悲しいです…。