「たぶん僕らは日本の伝統を舐めている」湯道 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
たぶん僕らは日本の伝統を舐めている
『道』の話をやるなら、野球道やサッカー道でやった方が良かったかもね。
オープニングで厳かに『湯道』の説明が入るのね。「そうだ 京都、行こう。」ばりの映像で仕上げたかったんだと思うんだけど、クオリティが低いんだよね。
「バカバカしいことを真面目にやってる」ところで面白さを出そうとしてるんだけど、クオリティが低いからのれないの。「どう? これ、面白いでしょ」って演じてる方が笑ってる感じになっちゃって、観てる方は笑えないな。
ここでノレなかったので、ほぼ、この作品は終わりなの。
窪田正孝がやる湯道のシーンも、今ひとつなんだよね。
茶道や華道のように湯道もあるんだって描きたかったんだと思うけど、厚みが違いすぎた。
茶道や華道は何百年も生き残ったものだからね。バカバカしいようなしきたりにも、それなりの何かがあるんだよ。「『湯道』、面白いでしょ」ってちょっと考えてやったような作法じゃ太刀打ちできないんだよ。「日本の伝統を舐めてんじゃないの?」と思っちゃった。
小山薫堂さんは色んなことをやってる人だから、当然、茶道や華道も僕よりは良く知ってると思うの。でも、この薄さになっちゃう。僕らは、日本の伝統を舐めてんじゃないかなって思って、ちょっと勉強してみようって思ったな。
本編のストーリーは「あれが、こうして、こうなった」っていうエピソードの羅列なのね。
シーンの面白さとか、なんとなく良い話風にしてまとめあげるところとかは「力があるな」と思ったよ。
俳優は豪華だった。「小山薫堂さんが脚本なので」っていう企画だと、これだけ集められるんだな。
でも、こんな企画に俳優集めるなら、もっと他の駆け出しの人達がやってる企画に分散して出してあげた方がみんながハッピーになるね。