フェイスレス　顔のないボス

映画の初めに警告が出てくるのでオチは90%分かっている。社長(それもそれなりに大きな会社)の息子なのに大学の先輩に誘われてヤクザになってしまうとか、オフィシャルに組長をやりながら社長業を続けるとか、リアリティに欠ける所も多いのだが、主人公とその周辺人物(一の子分、奥さん、お母さんなど)がとにかく皆善人で面倒見が良いので、あり得ないのについついハッピーエンドを期待してしまった。戦闘場面が殆ど無い珍しいヤクザ映画なので、物足りない人が多いかもしれないが、僕はこういう作品は嫌いではない。

　冒頭の青少年に向けたメッセージ。それを思えばこの程度の内容が妥当だろうか？それにしてもヤクザの危うさや残酷さの描き方が緩いのでは？
　大学生のサンゴン、先輩に誘われたからといえ、後輩引き連れてヤクザになる？
　服役中に父親が亡くなり、出所後その父の会社を継いで社長に。ヤクザ家業もやりながら、そんなこと無理でしょう。
　となにかと現実味がなさすぎる。
　青少年に訴えるための映画なら、もう少しリアルに恐怖を感じるくらいのモノの方がいいのでは？

大学を卒業してからヤクザの世界に入った主人公は、義理を欠く先輩を追い出し、自ら親分になる。
暴力事件で捕まり、務所暮らしをしている間に、建設会社をやっている父が亡くなる。
出所して父の会社の跡を継ぐが・・・。
ちょっとノスタルジックな思いに駆られた。