「もうすでに遅かったこと。」イニシェリン島の精霊 redirさんの映画レビュー(感想・評価)
もうすでに遅かったこと。
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美しいが、どんよりと雲の下で、そして閉鎖的でとても退屈なイニシェリン島。
突然付き合いを断れれた男、付き合いを断った方はとてもかたくなで友だちと口を聞かないために多大な犠牲を生み出し続ける。
対岸のイギリス本島では戦争、内戦。
雰囲気は伝播して、なにかに加担させられる。
退屈な日常、ずっと単調で退屈だったが急に音楽を、曲を残そうとする男。彼はそこに留まりなにかを成し遂げることを口実に友達をかたくなにこばむ。
これまでの自分の人生を否定するために友達を拒むように見える。
純朴で2時にパブに行く以外さして用事もない毎日に疑いも不満もなく朗らかに暮らす男。友達に拒まれはてと考えたりするがそこには問題は見られない。
島で最下層のバカ扱いされてる若い男も親父に虐げられているが二人の男の諍いに自我や自意識が生まれてくる。
ファンタジーなのか。大きな世界の縮図を小さな島に小さなサークルに置き換えるとこのくらい馬鹿馬鹿しいということか。
妹は本を読み本から外界、島の外、海を渡ったその先と繋がりを持っており、この流血の事態の中兄をおいて爽やかに毅然と島を出る。船を見送る兄も迷いもなく淡々と。ちょっと寂しいけど。
自由も未来も自分で行動し勝ち取るもの。妹は誰も非難せずに我が道を行く。
そしてこれからも男たちはパブに集まり善意も悪意もない噂話をするだろう。
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