「今までに見たことない復讐エンターテインメント!」イニシェリン島の精霊 めありさんの映画レビュー(感想・評価)
今までに見たことない復讐エンターテインメント!
クリックして本文を読む
東京国際映画祭にて鑑賞。
やられたらやり返すのではなく
やられても、相手にぶつけない
今まで見た復讐エンターテインメントを
大きく外してくる、
報復について深く考えさせられる映画でした。
ウクライナ情勢が叫ばれた2022年の公開に
相応しい時代を象徴する映画だったと思います。
アイルランドのイニシェリン島という
田舎や離島ならではの人間関係の煩わしさ
狭いコミュニティで起こる悪意と連鎖が、
非常によく描かれていました。
この鬱屈とした状況に辟易して島を出る
主人公の妹の気持ちが痛いほどわかります。
日本でも共感する人は多いのではないでしょうか。
日々の鬱憤を他人にぶつけてしまった
自分の中で消化できない
そんな自分と映画の人物を対比させてしまい、
エンドロールのタイミングで、自然と涙が出ました。
アイルランドでは大変評価が高いとのことですが、
派手な演出がなく淡々と展開されるため、
日本では賛否が分かれると思います。
1923年のアイルランド内戦時代を描いたとのことで、
100周年という意味でも今作られるべき映画だと思いました。
コメントする