「見下しているのは誰だ」イニシェリン島の精霊 shinさんの映画レビュー(感想・評価)
見下しているのは誰だ
イニシェリン島の精霊を観た。
島の景色は美しく、期待が高まる。
その美しい島に住む男は家畜の乳を売って生計をたてている。妹と二人で暮らし、小さな美しい島で生きている。
隣にある本土では内戦が行われており、砲弾の音が時折り聞こえるが、その島までは何の被害もない。
何もない島に住む男。
唯一の趣味はビアホールに友人と行くこと。
毎日決まった時間に彼の家を訪れる。
いつものように飲もうと誘うが、いつものように行かない。彼は深く考え込んでいる。
そんな彼に突如、お前とは飲まないと言われるー。
序盤のこの始まりにやられた。続きが気になる。二人はこの後どうなるのだろう。
次第に自分がこの“退屈な男”なのではないかと重ねてしまう。
自分にとって大切なものは何だろうか。
登場人物の誰もが“誰かを見下している”。理由は違えど、島の人間は皆そうだった。
価値観を考えさせられる良い映画だった。
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