「退屈という普遍的現象」イニシェリン島の精霊 リプリーさんの映画レビュー(感想・評価)
退屈という普遍的現象
息苦しい閉鎖的な村社会をよく表している。最近でも「都心部から来た人は都会風を吹かすな」と余計な発言をした地方自治体がありました。けどこれは家族や恋人、あらゆるコミュニティ(特に政治的空間)に当てはまる普遍的な出来事だと思います。
個人的感想としては島全体を包む不穏な空気が終始続き、正直退屈でした。途中で席を立つ人も居ましたし、エンドロールではその時を待っていたかのようにお客さんが次々と映画館を後にして行きました(要するにこの映画が示唆している現象が目の前で起こっていたということです)。
レビューを読んでると「劇中で起こることがわからない」っていう意見が目につきますが、逆に登場人物が想定内の動きばかり取る映画に魅力があるでしょうか?よくわからない行動がどのような意思表示なのか、それを想像するのが鑑賞の醍醐味ではないでしょうか?現実での生活はいつも想定内に収まっているでしょうか?
ロケーションの素晴らしさ(特に妹と別れる際の断崖絶壁のショット)には一見の価値有りですが、それ以外で強烈に感じるモノはなかったです。見て見ぬフリをして済ましてきた罪悪感を突きつけてくる映画より、自分の想像を超えてくる刺激的な映画と出会いたいです。
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