劇場公開日 2023年1月27日

「なんだか分からないけどクセになる」イニシェリン島の精霊 越後屋さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0なんだか分からないけどクセになる

2023年2月10日
PCから投稿

大正時代のアイルランドの孤島のお話なので、どう考えても明るいとは思えませんでしたが予想通りでした。

精神分裂症の男に振り回された友人が自分も精神分裂症になってしまう、というのがまっとうな理解ですが、カッコつけた評価をすれば、孤島の閉鎖性、そこで生活する人の孤独、都会では通用しない非常識な島の慣習、正気と狂気の紙一重、みたいな雑多な要素が荒涼とした孤島の風土を背景に陰鬱に展開する、といったところですかね?

大体この作品を観ようなんていう人間はマニア寄りの人が多いだろうから、平均点は上げ底ですが、お話として何も収拾されないので、退屈と感じる方が正常です。
お話の展開よりもどんよりした映像感覚が好きな人にはウケるんでしょう。

しかし内容をブラックと捉えれば、コーエン選手なんかに演出させたら全然違う味わいになるでしょう。

越後屋