「苦手な監督…」イニシェリン島の精霊 キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
苦手な監督…
本作を観賞後、何だかモヤモヤしながら帰宅し、あらためてこの監督の過去作である「スリー・ビルボード」を観た自分のレビューを読んでみたら、「脚本に翻弄されて、何を軸に観たらいいか分からない」といったことが書いてあった。
そう、それ!
さすが自分。
アイルランドの内戦がメタファーになっている、というくらいは分かったつもりになっても、結局私はこの映画を観て何かを摂取したかというと…。
それでも最後まで物語を追ってしまうのは、俳優たちの演技と監督の手腕ってことなんだろう。
ウソみたいに美しい風景の中、その小さな集落で繰り広げられる、抗うほどに深く深く沈み込んで行く「今ここにある地獄」。
「無垢」で「無知」な「田舎者」の主人公って、本来観客が感情移入する様な正義の側にいるべき人でしょ?
それが最後までこんなにイライラさせられるとか、反則だし。
かといって、コルムに心を寄せようとすると、完全に私の理解を越えていたり。
あと、バリー・コーガンって「エターナルズ」でも気になったけど、ナニあの役者、あの演技。
なんかすごくない?
正直、同性愛とかのフリだけあって最終的に謎にしてある部分も多くて、いろいろと飲み込めていないので、役者達の存在感はすごいけど、映画としては解ったフリして誉めるってワケにもいかない。
観た後ずっとモヤモヤさせるっていうのも、作品の力なのかも。
ただ、他人に勧めるタイプの感じでもないので、★は3つ。
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