「コリンファレルの眉毛芸に酔う。」イニシェリン島の精霊 masayasamaさんの映画レビュー(感想・評価)
コリンファレルの眉毛芸に酔う。
のどかな北の島に暮らす男2人の仲違いの話。まあ、なんかじんわり収束するのかと思ってたら違った。素直で素朴で純粋故に傷はどんどん深く広くなっていく。
仲違いの理由もうやむやになり、なんだったのか誰も思い出せない。真ん中くらいまで見て「あれ、これアイルランドの内戦のメタファーやんけ」とようやく気づいた。そういえば劇中でも本土の戦禍が遠くに見えるし。
なんでしょうね、うっかりしたら血が繋がっている様な隣人や、幼馴染がちょっとした考えの違いで反目し、求め合い、傷つけ合い、、、見てても止めようがない。
墓まで持っていくと言ってるし、、、、。
で、見終わってからレビュー読んだり、監督調べたらやはりその辺出身の方で、どんな思いで作っていたのか、指切る必要があるのか、、作ってる本人が一番辛かったかもしれないなどと想像した。
去年「ベルファースト」にも書いたけど、この辺の揉め事はリアルタイムたけど自分の事で精一杯のガキだったからよくわからず、、、、。
ウクライナもだけど地続きの国じゃなくて、島国日本に産まれて本当に良かったと、、こういう映画観ると毎回思う。
邦題の「精霊」が救いを感じるミスリードだな。
原題の「バンシー」だったら死を予感する、出口なしバッドエンドだ。子供の頃に読んだ山岸涼子の「バンシー」って短編まじ怖がったなぁ。
あ、書き忘れたけど、、、サウンドデザインがダメだった気がする。基本アフレコなんだけど、あれだけ海に囲まれた島なのに静かすぎる。
もっと自然の音を演出的に利用出来たんじゃないかな?
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