「誰が思い出してくれる?」イニシェリン島の精霊 sumiさんの映画レビュー(感想・評価)
誰が思い出してくれる?
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パードリックには一緒に暮らす賢い妹がいて、
亡くなってしまったけど優しい父と母がいた。
(だからこそ彼が【善い人】に育った)
劇中のコルムには犬しかいない。
『音楽は200年後も残る』
『誰が“優しい”だけの人を思い出してくれる?』
本土では内戦が続き、自分も歳をとっていって、
いつまで生きられるのか分からない。
自分の死を悼んでくれる人はいるのか。
自分の存在を思い出してくれる人はいるのか。
閉鎖された島で、コルムは
『自分が生きていたこと』を遺したかったのかなぁと。
お前は優しかった。(でも今は違う。)と
パードリックがコルムに言うのもまた…ゥグゥ
話しかけるな!関わるな!と言っておきながら、
殴られた元友人に手を貸して、
分かれ道まで一緒に乗って、
降りる前に励ますように手を握ってたシーンは
自分勝手で不器用だけど、パードリックとの友情が
コルムの中にまだ残ってるようにみえて、
そりゃ島の誰もが『親友』だと思ってたくらい
一緒にいて、話をして、酒を飲んでたんだよなぁと
この映画の前の時間軸を想像して
胸がぎゅっとなりました。
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