「退屈な街の退屈な人達の葛藤と人生」イニシェリン島の精霊 takeさんの映画レビュー(感想・評価)
退屈な街の退屈な人達の葛藤と人生
本土がアイルランド紛争に揺れる中、紛争の足音は感じつつも、平凡で退屈な日々が繰り返される小さい島で、気のいい男パードリックが友情を育んできた友人コルムに突然の絶縁を告げられるところから騒動が巻き起こる。少しコミカルな会話が繰り広げられる前半とダークな緊張感の漂う後半に分かれるこの映画、話に唐突感があると言う人もいるけど、少しコミカルな会話が繰り広げられたり、ダークな雰囲気の出てくる後半には、退屈な日常で感覚が麻痺した人達の極端な行動にハラハラしっぱなしだったりして、個人的にはオススメ映画のひとつになりました。
でもね、これよく考えると私達自身の物語でもあると思うんですよ。人生の中でホントに成功を収める事ができるのはホンの一握りの人達だけ。後は多かれ少なかれ平凡な人生を過ごし、墓に入ればやがて忘れられていくわけですよ。いや、深く考えさせられる映画になりました。
コリン・ファレルがホントにただのバカに見えてくるし、主役級の二人の演技がホントに素晴らしいです。
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